リコーは27日、高級コンパクトデジタルカメラの新製品「GR DIGITAL III」を8月5日から発売すると発表した。開放F値F1.9の新開発レンズを搭載するなど高画質化を図った。価格はオープンだが、実売想定価格は8万円前後。

デザインにはほぼ手を入れず、性能を進化させた「GR DIGITAL III」

GR DIGITALシリーズは、2005年10月の初代モデル発売以来、高級コンパクトデジカメとしてプロ・ハイアマチュアなどに人気を博し、約2年というコンパクトデジカメとしては長いスパンでモデルチェンジを行ってきた。「GR DIGITAL II」は2007年11月に発売され、今回は2年弱で3代目が登場することになる。

背面。液晶は3.0型92万ドットのVGA液晶を採用

厚み25.5mのコンパクトサイズ

ボディデザインは従来モデルを踏襲。本体サイズはやや大きくなったが、それでも108.6(W)×59.8(H)×25.5(D)mm、約188gとポケットにも入るコンパクトサイズを維持した。

レンズには新開発のGRレンズを採用。焦点距離は35mm判換算で28mm、F値はF1.9と従来のF2.4よりさらに明るくなった。大口径化したものの、従来同等の解像度を実現したという。

画像処理エンジンには新たに「GR エンジンIII」を搭載しており、解像感や階調、彩度を保ったままノイズを低減する新開発のノイズリダクション技術を投入した。これに加え、有効1,000万画素1/1.7型CCDを採用することで、特に暗いシーンでの描写性能をさらに向上させたとしている。

また、AFのアルゴリズムを改良することで、低輝度でのAF速度を向上させたほか、あらかじめ被写体の動きに応じてフォーカスを調整するプレAF機能により、AF速度を高速化した。シャッターボタン一気押しで、あらかじめ設定した距離で撮影する「フルプレス スナップ」機能、ノイズリダクションOFF時にRAWで5枚までの連続撮影可能など、速写性能も向上させた。さらに、CMOS搭載のコンパクトデジカメ「CX1」に採用されていた「マルチパターン・オートホワイトバランス」、画素補間技術も搭載している。

モードダイヤル部(左)と背面操作ボタン。マイセッティング、Fnボタンの追加、マイセッティングBOX機能の採用などにより操作性も向上

背面液晶は3.0型92万ドットのVGA液晶で、色再現範囲はsRGB比100%を達成。操作性に配慮し、モードダイヤルに設定できるマイセッティングを3種類、Fn(ファンクション)ボタンは2つへと拡充した。

オプションでは、レンズ変更に伴って旧モデル用のコンバージョンレンズは利用できなくなったため、新たに21mmのワイドコンバージョンレンズとフード&アダプターをそれぞれ発売する。ソフトケースも新規開発されたほか、新たに速写ケースタイプも用意。今秋には、TTL調光・バウンス対応の外部フラッシュも発売する。既存モデルと同様、継続的なファームアップによる機能拡張も提供される予定だ。

外部フラッシュ「GF-1」 ※装着時

フード&アダプター「GH-2」とワイドコンバージョンレンズ「GW-2」 ※装着時

このほか主なスペックは、レンズが焦点距離28mm、F値はF1.9~F9だが、オート撮影モードでのF8~F11は、NDフィルターを併用する。最短撮影距離は、通常時約30cm~、マクロ時約1cm~。シャッタースピードは180秒~1/2000秒、ISO感度はAUTO/AUTO-HI/ISO 64~ISO1600、動画撮影機能は640×480/30fps、記録メディアはSD/SDHCカードと内蔵メモリー(約88MB)などとなっている。

「GR DIGITAL III」フォトコレクション