富士フイルムは22日、2つのレンズを搭載し、3D画像を撮影できるコンパクトデジタルカメラ「FinePix REAL 3D W1」を8月8日に発売すると発表した。背面液晶も3Dに対応し、撮影した3D画像を裸眼で楽しめるコンパクトデジタルカメラは世界で初めてだという。価格はオープンプライスだが、実売想定価格は6万円前後。
FinePix REAL 3D W1は、横長のボディの左右に2つのレンズを配置。この2つのレンズが少しずつずれた画像を同時に撮影することで3D画像を生成する。人が立体感を感じる「両眼視差」を活用し、「ライトディレクションコントロールシステム」によって、背面液晶が左右の目に届く光の方向を制御し、ずれて撮影された画像の1枚を右目に、もう1枚を左目に映るようにすることで、裸眼でも立体感を感じる技術を投入した。また、人の両目の平均的な間隔約65mmに対し、77mmという間隔で2つのレンズを設置したことで、より立体感が強調できるという。
新開発の画像処理エンジン「リアルフォトエンジン3D」により、2つのレンズとCCDから取り込まれた画像を瞬時に解析し、3D画像に合成する。そのため、撮影画像の再生時だけでなく、撮影時にも3D画像を表示できる。同様に、2つのCCDを同期して制御するシステムを搭載し、30fpsの動画撮影でも3D動画を撮影できる。
3D画像の撮影時は、2Dの通常の画像も同時記録できる。通常は1m程度の距離の被写体でもっとも良好な結果が得られるが、1枚目の撮影の後にガイドに従って移動して2枚目を撮ることで、遠距離・近距離の被写体でも3D画像を撮影できる「3D 2回撮り」、より遠景を3Dで撮影する「3D時間差撮り」といった機能も搭載。幅広いシーンで3D画像の撮影を可能にした。
2D画像撮影時に2つのレンズ・CCDを活用した機能も搭載。一方でワイド側、もう一方でテレ側にズームし、同時に画像を記録する「テレ/ワイド同時撮り」、同じくそれぞれで違う色調の画像を撮影する「2カラー同時撮り」、高感度と低感度の2枚を記録する「高/低感度同時撮り」といった機能も備えている。
背面液晶は3D対応の2.8型23万ドット液晶。ワンタッチで3Dと2Dの表示を切り替えられる。撮像素子は有効1,000万画素1/2.3型CCDを2つ、レンズはフジノン光学3倍ズームレンズを2つ搭載する。レンズの焦点距離は約35~105mm相当(35mm判換算時)、F値はF3.7~F4.2。ISO感度はISOオート/100/200/400/800/1600。高感度2枚撮り、ナチュラルフォト、水中などのシーンポジションが利用できるほか、P/A/Mのマニュアル撮影も可能。2D撮影時には顔検出機能「顔キレイナビ」も利用可能となっている。本体サイズは123.6(W)×68.0(H)×25.6(D)mm(突起部含まず)で、重さは約260g(バッテリー、メモリーカード含まず)。
記録した3D画像は、同時発表のデジタルフォトフレーム「FinePix REAL 3D V1」を使えば3D画像のまま鑑賞できるほか、対応する写真店で3Dプリントを作成することもできる。3D画像はカメラ映像機器工業会(CIPA)策定の標準規格MPフォーマットで保存され、PC上では付属ソフトを使って2D画像として表示できる。動画はAVIを応用した3D-AVIフォーマットになり、同様にPC上では2Dで再生できる。
22日13時より開始される同製品発表会については追って、詳報をお伝えする。