米Oracleは7月1日(現地時間)、米ワシントンDCで開催されたイベントにおいて同社ミドルウェアスイートの最新版「Oracle Fusion Middleware 11g」の提供を発表した。これまでテクニカルプレビューの提供されていた11gの正式版にあたり、最新のハードウェアやソフトウェアをサポートする形で全体的な機能ブラッシュアップが図られている。
Oracle Fusion Middleware 11gは次の5つのスイート製品群から構成される。
Oracle SOA Suite 11g
アプリケーション同士を連携させ、ビジネスプロセスベースでシステムを構成するSOAスイート。Oracleによれば、業界初のService Component Architecture (SCA)にネイティブ対応したSOA環境だという。
Oracle WebLogic Suite 11g
Oracleが2008年1月に買収したBEA Systemsのミドルウェア資産を継承したもの。アプリケーションサーバのOracle WebLogic Serverも同スイートに含まれる。JRockitのJava実行エンジンはそのままに、Oracle CoherenceやJDeveloper、Oracle Enterprise Manager (OEM)と連携動作する。新機能としてはOracle Fusion Middleware GridLink for Oracle Real Application ClustersやOracle Fusion Middleware Enterprise Grid Messagingをサポートし、Oracleグリッド環境での動作が強化されたこと。またOracle Fusion Middleware ActiveCacheにより、オンデマンドでシステムのスケールアウトが可能になる。
Oracle WebCenter Suite 11g
コラボレーションやポータル系のサービスツールを集めたスイート製品。新機能が多数盛り込まれており、ユーザーや開発者が簡単にアプリケーションのカスタマイズやポータル構築、SNSの立ち上げなどを行えるOracle Composer、文書共有などコラボレーション用のWebツールであるOracle WebCenter Spaces、Web 2.0系のソーシャルツールを集めたOracle WebCenter Servicesなどが用意されている。
Oracle Identity Management 11g
認証用コンポーネントを集めたOracle初のスイート製品。Oracle Platform Security Services、Oracle Internet Directory 11g、Oracle Virtual Directory 11g、Oracle Identity Federation 11gなどが含まれる。LDAPベースのディレクトリサービス対応に加え、SAML 2.0やWS-Federation、Microsoft CardSpace、Libertyなどの各種認証フレームワークをサポートする。新機能としてDeployment Accelerators、Universal Federation Framework、ADF Facesをベースとした統合UIが挙げられる。
Oracle Development Tools
開発系ツールの総称。JDeveloperのほか、Oracle Application Development Framework (ADF)、ORマッパーのTopLinkなどが含まれる。