IDC Japanは6月23日、国内携帯電話市場の2009年第1四半期(1~3月期)の実績と同市場の今後の見通しを発表した。同発表によると、2009年第1四半期の国内出荷台数は対前年同期比40.1%と大幅減の830万台となり、成長率は過去5年間で最低記録を更新した。
同社は市場が急速に縮小した主要因として、「テクノロジー面で市場を牽引するようなインパクトのある上位端末が不足していること」、「通信事業者側の在庫問題によるマイナス影響」、「景気低迷により端末販売台数の落ち込みに歯止めがかからないこと」の3点を挙げている。
同四半期における端末ベンダー別出荷台数シェアで見ると、トップのシャープ(21.3%)と第2位のパナソニック(19.8%)は、前四半期と同じ結果になった。これでシャープは12四半期連続してトップを維持することになったが、同社の出荷台数の対前年成長率は前四半期と同様、市況悪化の影響を大きく受け2桁のマイナス成長になっている。
富士通は、「らくらくホン」の堅調な販売とドコモ向けFOMA上位機種の善戦により、前回よりも1つ順位を上げて第3位になった。今四半期の大きな順位変動としては、カシオ日立のトップ5入りが挙げられており、デジカメ携帯とワンセグ携帯の双方で安定した販売実績を記録したことがプラス効果につながったと、同社は分析している。