Linus Torvalds氏は6月9日(太平洋夏時間)、Linuxカーネルの最新バージョン「Linux 2.6.30」のリリースを発表した。
今リリースでの最大の特徴は、ログ構造ファイルシステムである「NILFS2(ニルフス2)」を採用したこと。NTTがコントリビュータとなって開発を手がけていたファイルシステムで、オープンソースとして公開されている。サービスを停止することなくスナップショットを連続的に取得できるため、過去の任意の時点におけるシステムを容易に復旧することを可能にする。日本のコントリビュータからの提案がファイルシステムに採用されたのは今回が初めてだという。
その他の主な特徴は以下の通り。
- ブート時間の短縮(ブートプロセスにおいてストレージデバイスをパラレルにスキャンすることで実現)
- XilinxのMicroBlazeアーキテクチャを新たにサポート
- IEEE 802.11を拡張した「IEEE 802.11w」を実装
- MACのひとつとしてTomoyoをマージ
- NFS 4.1の試験的サポート
- その他のファイルシステムとして、POHMELFS(Parallel Optimized Host Message Exchange Layered File System)、EXOFS、FS-Cacheなどをサポート
- RDS(Reliable Datagram Sockets)プロトコルのサポート
Linux 2.6.30のソースコードは、こちらのサイトなどから入手できる。