富士重工業(スバル)は20日、「レガシィ」シリーズの「ツーリングワゴン」、「B4」、「アウトバック」をフルモデルチェンジし、発売を開始した。価格は、ツーリングワゴンが236万2,500円から336万円、B4が220万5,000円から328万6,500円、アウトバックが267万7,500円から346万5,000円。
5代目となる新レガシィは、"グランドツーリングイノベーション"をコンセプトとし、水平対向エンジンを中心とするシンメトリカルAWD(4WD)など独自の技術をベースに、パッケージ、新開発のCVT「リニアトロニック」、エンジンマウント方式など、すべての性能や機能の向上を図った。また、今年4月に開催されたニューヨーク国際自動車ショーにて、「アウトバック」と「レガシイ セダン(B4)」はすでに公開されている。
パッケージは、従来モデルより室内スペースを広げ、リヤトランク、リヤゲート開口部も拡大。サッシュ付ドアを採用することでドア開口部を拡大し、後席への乗降性も高めた。また各ピラーの配置を見直した視界の設定や5.5mの最小回転半径などにより、優れた取り回し性を実現している。
エクステリアは新デザインを採用。ツーリングワゴンは快適な室内空間と優れた機能性を表現。B4は従来のモチーフを踏襲したスポーティさの継承。アウトバックはタフなイメージを強調している。とくに、ツーリングワゴン、アウトバックについては、Dピラーを強調するデザインとした。
インテリアについては、シートの座面面積やクッション性を向上させ、座り心地とホールド性を両立。シートスライドなどの調整幅も大きくした。内装色は、オフブラック内装とアイボリー内装の2色を設定。ユーティリティ面では、前席左右間にフロントカップホルダー、アームレスト機能を備えるフロアコンソールボックス、大型のドアポケットなどを装備。2.5i、2.5GTを除く車種には、運転席にランバーサポートを含めた10ウェイパワーシートを採用している。
オーディオは、「LEGACYマッキントッシュサウンドシステム」と「LEGACYプレミアムサウンドシステム」の2種類を設定。ナビゲーションは8インチの高精細VGAワイドモニターやリヤビューカメラを装備した「G-BOOK ALPHA」対応のHDDナビゲーションシステムを設定した。
全車のエンジンに、「インテリジェント」「スポーツ」「スポーツ・シャープ」の3つのモードを選択できる「SI-DRIVE」を採用。2.5L(リッター)水平対向4気筒エンジンは、従来モデルの2.0Lから排気量を500cc拡大。SOHCと、DOHCターボが用意される。樹脂製インテークマニホールドの採用やピストン形状を最適化させ、軽量化とフリクション低減を図った。3.6L水平対向6気筒DOHCエンジンは、従来モデルからの外寸の大きくを変えず排気量を600cc拡大。低回転から力強いスムーズなトルク特性による走行性能と優れた環境性能を実現した。またレギュラーガソリン仕様とした。
新開発のトランスミッションCVT「リニアトロニック」は、バリエーター(主変速機機構)にチェーン式を採用することでコンパクトな設計を実現。前席の足元スペースを確保するとともに、オーバードライブ領域での燃費向上を図った。また、パドルシフト操作を採用し、0.1秒以下の変速を実現。6速マニュアルモードを採用する。5AT車は、フリクションの低減と軽量化を図り、燃費性能を向上。6速マニュアルトランスミッションは新設計とし、専用ギヤ比により動力性能と燃費性能を向上させた。
シャシーは、クレードル(ゆりかご)状のフレームにパワーユニットを搭載する「クレードル構造マウント」を採用し、静粛性、乗り心地、衝突安全性、操縦安定性などを向上させた。全車に電動パワーステアリングや電動パーキングブレーキを標準装備。5%以上の登坂路で車両を停車させた場合に自動で作動するヒルホールド機能や、横滑り防止装置(VDC)を採用。さらに2.5Lターボの5AT車には、電動パワーステアリングのセンサーなどを活用したスリップを予測制御する機能を装備する。
安全性能では、前面衝突対応に衝突時にクレードルフレームを折り曲げることでパワーユニットを斜め下方向へ後退させてメインフレームで衝撃を吸収する構造とした。側面衝突のためにBピラー内側、サイドシルに超高張力鋼板を採用。また後面衝突対応には、リヤフレーム構造の最適化などにより、衝突エネルギーを効率的に吸収するボディ構造とした。サイドエアバッグやカーテンエアバッグも装備する。
環境性能は、全車が国土交通省「平成17年度排出ガス基準75%低減レベル」を達成。車両重量1520kg以上の25i-L、25i-Sは、環境対応車普及促進税制適合車となり、50%の減税が受けられる。