NECは、文部科学省が進める世界最高性能の達成を目指し、システム開発を進めてきた「最先端・高性能汎用スーパーコンピュータの開発利用」プロジェクト(次世代スーパーコンピュータ・プロジェクト)の製造フェーズの契約には参加しないことを表明した。
次世代スーパーコンピュータのシステムは、スカラ部とベクトル部からなり、NECはベクトル部の開発を担当してきた。2006年9月から概念設計を開始し、2007年に概念設計が終了。現在は詳細設計の最終段階に進んでおり、今後、製造段階(試作・評価、製造)に移行する計画だという。
同社は業績悪化を受け、現在人員削減を含めたあらゆる方策で収益力の強化に取り組んでいるが、プロジェクトの製造フェーズに参画した場合、本体製造に関連する投資が相当額発生することが見込まれ、この費用負担が今年度の業績に多大な影響を与える規模となることが確実と見られることから、不参加を決定したという。、
これを受け、独立行政法人理化学研究所は、次世代スーパーコンピュータのシステム構成を見直すことを決定。今後は、速やかにシステム構成の見直しを進め、2009年度中に製造に向けた試作・評価を開始し、当初計画どおり2012年の完成を目指して、システム開発を進めていくという。
一方NECは、将来の高速計算機アーキテクチャの研究、大学等他の研究機関とのアプリケーションソフトの展開、教育、システム運用の面で貢献していくという。