日本ヒューレットパッカードは、ワークステーションの新製品「Z」シリーズを発表した。ラインアップは「Z400」「Z600」「Z800」の3モデル。新モデルではIntelの最新Xeonプロセッサを搭載するとともに、Z600とZ800に関してはHPとしてXWシリーズ以降約2年半ぶりのデザインリフレッシュを行っている。
Z800およびZ600で採用された新筐体は、BMWデザインワークスとのコラボレーションでデザインされたものとなる。可搬のためのハンドルを前後に備えるとともに、ヘアライン加工されたサイドパネル、Z800ではCPUにフレッシュエアを取り込むダクトが設けられている。また、Z800およびZ600ともにダイレクトコネクトと呼ばれる構造を採用。ケーブル類はマザーボード裏面に配線し、表面からはケーブルフリーで各ドライブや電源ユニット等を着脱でき、保守運用性も高めている。Z800は拡張性の高いきょう体デザイン、Z600は特にスリムなきょう体デザインが特徴。
この他、3モデルともに省電力な電源ユニットやテクノロジ、リサイクル可能なコンポーネントを積極的に採り入れている。Z800では電源効率88%以上の80 PLUS SILVER、その他2モデルでは電源効率85%以上の80 PLUS BLONZE認証の電源ユニットを採用。HP WattSaverテクノロジーを採用することで待機電力を従来の半分となる1W以下に抑えている。
最上位モデル「Z800」
最上位モデル「Z800」は、2プロセッサに対応しており、CPUにはIntel Xeon W5580/X5570/X5550および低消費電力向けのE5504をサポート。さらにX5560/E5540/E5520も追加サポートされる予定だ。チップセットはIntel 5520。メモリスロットは12基用意されており、メモリの最大搭載量はデュアルプロセッサ時で192GB(16GBx12)。5インチベイは3基、HDDベイは4基を備え、SAS/SATAデバイスをサポートする。また、グラフィックスカードにはエントリーからハイエンドまでのNVIDIA Quadro/ATI FireProシリーズを最大2枚までサポートすることで、医療、オイル&ガスの調査データの視覚化といった膨大なデータを扱う処理にも対応可能としている。
ミッドレンジモデル「Z600」
ミッドレンジモデル「Z600」は、2プロセッサに対応したモデルで、Intel Xeon X5570/X5560/X5550/E5540/E5520/E5504をサポートしている。チップセットはZ800同様にIntel 5520だが、メモリスロットは6基で最大搭載量は24GB。通常のデスクトップ向けメモリと同様のアンバッファドメモリを採用することでコストも抑えられたモデルとなる。5インチベイは3基、HDDベイは2基。SASコントローラはオプションとなる。グラフィックスカードはNVIDIA Quadro/ATI FireProをサポートし、最上位の構成でQuadro FX4800/FirePro V7750が搭載可能。
エントリーモデル「Z400」
エントリーという位置づけの「Z400」は、デザインこそ従来のXWシリーズとほぼ同様だが、CPUを通常のデスクトップ向けCPUからXeonへと変更。アーキテクチャのリフレッシュとともに信頼性を高めたモデルとなる。CPUは1プロセッサで、対応CPUはIntel Xeon W3570/W3540/W3520。チップセットはIntel X58 Expressを採用しており、メモリはアンバッファドメモリで4スロット、最大16GBとなる。グラフィックスカードのサポートはこちらもNVIDIA Quadro/ATI FireProをサポートしている。