米IBMは1月20日(現地時間)、2008年第4四半期(10-12月期)の決算を発表した。同四半期の売上は270億ドルで前年同期比6.4%のマイナスだったが、純利益では44億ドルと12%の大幅アップとなった。2008年通期の売上は1036億ドルで前年比4.9%のアップ、純利益は123億ドルで18.4%アップとなる。ドル高や市況悪化による売上減少傾向が見られるが、コスト削減を含む利益率改善策でグロスマージンが上昇している。また2009年に関しても強気の見通しを示しており、2008年終了の時点で9.07ドルのEPSを、少なくとも9.20ドルの水準まで引き上げると同社では説明する。
IBMの第4四半期決算は前四半期に引き続き、ドル高による売上減の影響を受けている。特に欧州のEMEA地域や南北アメリカ地域での振れ幅が大きく、為替調整後の売上減少幅は1%に止まる。16日に決算を発表したばかりの米Intelが第4四半期売上で23%減、純利益で90%減となったのと比較して、好調さが際だっている。また課税率が28.0%から23.8%と減少したことも純利益を押し上げる要因となった。
事業別では利益率の高いソフトウェアとサービス部門の売上比率がさらに上昇している。同四半期のサービス部門(Global Services)の売上は143億ドルで前年同期比4%減少(為替調整後は2%上昇)で、そのうちのGlobal Technology Services部門が96億ドル、Global Business Servicesが47億ドルとなる。ソフトウェア部門は64億ドルで3%上昇(為替調整後は9%上昇)となり、ミドルウェア製品、特にInformation Management関連の伸びが18%と際だって大きい。一方でハードウェア系のシステム&テクノロジーは引き続き売上減を続けており、同四半期の売上が54億ドルと20%の大幅ダウン(為替調整後は16%ダウン)となっている。UNIXサーバのSystem pが8%上昇と好調だった以外は、メインフレームのSystem zが6%減、x86サーバのSystem xが32%減、統合サーバのSystem iが92%減と大幅減となった。ストレージやマイクロエレクトロニクスなどの周辺事業も軒並み大幅減となっている。
「極めて困難な経済情勢の中で、2008年にIBMは良好な成績を上げることができた。より収益性の高い分野への移行、世界の成長地域への投資、グローバルでの統合を通しての生産性向上など、われわれの戦略が引き続き利益を生み出していくだろう。2008年の実績から2009年についての見通しにも自信を持っており、10-11ドルのEPSを達成するというわれわれのロードマップが見えてきている」と米IBM会長で社長兼CEOのSamuel Palmisano氏は2009年通期でのEPS 9.20ドル達成に自信を見せる。