キヤノンは15日、デジタルビデオカメラの新モデル「iVIS HF S10」「iVIS HF20」「iVIS FS21」を発表した。発売は「iVIS FS21」が1月下旬、「iVIS HF S10」「iVIS HF20」が2月中旬。価格はオープン。推定市場価格は「iVIS HF S10」が16万円前後、「iVIS HF20」が14万円前後、「iVIS FS21」が7万円前後。
iVIS HF S10とiVIS HF20は、2008年8月に発売された「iVIS HF11」の後継モデルにあたる。両モデルとも、新開発の映像処理エンジン「DIGIC DV III」を搭載しており、信号処理能力の向上によりダイナミックレンジが25%拡大し、白飛びや黒つぶれを抑えた階調表現が可能になった。また、従来よりも色域を広げ、自然な色再現を可能にするx.v.Color規格にも対応する。そのほか、デジタルカメラの「フェイスキャッチテクノロジー」と、高速で精度の高いピント合わせが可能な「ハイスピードAF」を組み合わせることで、主被写体が顔を横や下に向けた場合でも、一定時間自動的に追尾してピントを合わせ続けることができる。
ワンアクションで動画と静止画撮影を切り替えられる「デュアルショット」機能を備えたほか、3秒さかのぼって撮影できる「プレREC」、約4秒間の動画を撮影し、内蔵の音楽と合わせて再生できる「ビデオスナップ」機能なども搭載している。
iVIS HF S10は、パーソナル向けビデオカメラでは大口径の光学10倍ズーム「キヤノン HDビデオレンズ」を採用した高画質モデル。撮像素子は従来モデル(1/3.2型)からセンサーを大型化させた、新開発の1/2.6型「キヤノン フルHD CMOS」センサーを採用。画像劣化を抑制して、静止画では画像補完のない有効画素数802万画素を実現した。これらの最新技術投入により、水平解像度約900TV本の高画質を実現した。動画記録時の有効画素数は約601万画素。また、フルHDの画素数を保ったまま、焦点距離を1.7倍拡大できるデジタルテレコン機能を搭載。使用頻度の高い機能を登録できるカスタムダイヤルやカスタムキーも搭載した。サイズは約70(W)×約69(H)×約136(D)mm。重さは約450g(グリップベルト10gを除く)。
iVIS HF20は、従来機「iVIS HF11」から幅約3mm、高さ約4.5mm、重さ30gを減少させた小型軽量ボディを実現。35mm換算で約39.5から592.5mmの光学15倍レンズ搭載で、従来の光学12倍から倍率を高めた。撮像素子は、新開発の1/4型「キヤノン フルHD CMOS」センサーを採用。動画記録時の有効画素数は約299万画素(従来では約207万画素)。 サイズは約70(W)×約62(H)×約124(D)mm。重さは約340g。
記録メディアは、両モデルとも内蔵の32GBメモリー+SDメモリーカードのダブルメモリー。SDHCにも対応しており、最大で32GBのメディアを使用できる。また、AVCHD規格の最高記録レートにあたる24Mbpsでの撮影に対応。平均ビットレート約24MbpsのMXPモードと約17MbpsのFXPモードでは、フルハイビジョン(1,920×1,080画素)での記録が可能。画質モードはMXP、FXPのほか、XP+(約12Mbps)、SP(約7Mbps)、LP(約5Mbps)の5種類から選択することができる。LPモードを選択した場合、内蔵のメモリにiVIS HF S10では約12時間15分、iVIS HF20では12時間の撮影ができる。バッテリーパックはiVIS HF S10には「BP-807」、iVIS HF20には「BP-809(DB)」が付属する。連続撮影時間はそれぞれ1時間40分。レンズ構成は両モデルとも9群11枚。F値はiVIS HF S10が1.8-3.0、iVIS HF20が1.8-3.2。それぞれ光学式手ぶれ補正機能が付く。
iVIS FS21は、約55(W)×約59(H)×約121(D)mm、重さ約225gの超軽量ボディが特徴。「iVIS FS10」の後継となるスタンダードモデル。持ち運びの容易さに加えて、約20分充電で約60分撮影できるクイックチャージ機能などにより、撮影したいシーンを逃さないという。35mm換算で47.1-1,743mm(16:9モード、アドバンスドズームOFF)の光学37倍キヤノンズームレンズを搭載、映像エンジン「DIGIC DV II」との処理を組み合わせた「アドバンストズーム」で、画質を低下させることなく48倍のズームが可能となっている。総画素数は107万画素で、撮像素子は1/6型CCDを採用。また、約4秒間の動画を撮影し、内蔵の音楽と合わせて再生できる「ビデオスナップ」機能などを搭載している。
記録メディアは、16GBメモリー+SDメモリーカードのダブルメモリー。SDHCにも対応、最大32GBのメディアが使用可能。画質モードは、XPモード(約9Mbps)、SPモード(約6Mbps)、LPモード(約3Mbps)の3種類から選択できる。LPモードの場合、内蔵メモリーに最長約31時間15分記録できる。バッテリーパックは「BP-808」が付属する。連続撮影時間は3時間35分。レンズ構成は8群11枚。F値は2.0-5.2。電子式手ぶれ補正機能が付く。