米Googleは5月28日(現地時間)、現在米カリフォルニア州サンフランシスコで開催されている同社の開発者向けイベント「Google I/O」において、Webアプリケーションのオフライン動作を可能にする「Google Gears」の名称を「Gears」へと変更したことを発表した。またMySpaceを例に、Gears Database APIに内蔵されたFull Text Search機能などを紹介した。
「Google Gearsのローンチから1年、同プロジェクトのオープン性をよりよく反映するため、名称の変更を決めた。プロジェクトの名称をシンプルに"Gears"にし、もはやGoogleだけのプロジェクトでないことをハッキリさせたいと考えた。GearsはすべてのユーザーにとってのWebプラットフォームをアップグレードするための手段の1つだと思っている」と米GoogleエンジニアのChris Prince氏が同社ブログの中で語っている。
Gearsは昨年世界規模で開催された開発者イベント「Google Developer Day 2007」のオーストラリア会場(シドニー)にて初めて発表された技術。通常、Webアプリケーションはインターネット接続が前提でコードが実行されるため、オフライン動作が行えないという難点があった。特にワープロソフトや電子メール、アドレス帳、スケジュール表など、オフラインでの利用が想定されるアプリケーションの場合、こうした制限はWebアプリケーションを広めるうえでネックとなる。Gearsでは自身がWebサーバの機能を一部肩代わりすることで、こうしたオフライン利用時の制限を取り払う。
このほかGoogle I/OではMySpaceを例に、Gearsの最新のアップデートが紹介された。Gearsはオフライン動作のためのデータベースエンジンとしてSQLiteを内蔵している。最新のGears Database APIでは、SQLiteの拡張機能である「fts2」をサポートし、テキスト全文検索のための仮想テーブルの呼び出しが可能になった。MySpaceはメールサービスをGears最新版で拡張し、高速全文検索とメールのソート機能を実現している。