EMCジャパンは19日、米EMCが行う「世界情報遺産保護プロジェクト」の表彰プログラムにおいて、一橋大学大学院社会学研究科「平和と和解の研究センター(CsPR)」が受賞したと発表した。

世界情報遺産保護プロジェクトは、世界各地での情報の保護、および情報へのアクセス向上を目的とした米EMCの取り組みのひとつで、合計10万ドルのEMC世界情報遺産保護プロジェクト賞を世界34カ国325件の申請から選ばれた7つの組織に授与する。

EMC世界情報遺産イニシアチブは、人類の情報遺産を保護/維持し、研究や教育の目的で重要な歴史上の資料や文化遺産を、インターネットを通じて容易に閲覧できるようにするための支援を目的として、2007年に正式に承認された。また、貴重な情報の保護とアクセス向上を目的とする世界中のあらゆる団体または機関、個人によるプロジェクトを、公的、私的を問わず認識して支援するためのEMC世界情報遺産保護プロジェクトが発足した。

今回受賞した7組織は以下の通り。

  • 平和と和解の研究センター(CsPR)
    一橋大学大学院社会学研究科の組織のひとつであるCsPRは、平和と和解の問題のみならず、紛争、暴力、記憶など、平和と和解に関係する諸問題についての音声/ビデオのインタビューテープ、フィルム、調査票や手書きの資料といった研究資料をデジタル化しようとしている。

  • The Music Library of the St. Petersburg Philharmonic Orchestra
    ロシア最古の音楽コレクション。EMCの援助によって、コレクションを保存、カタログ化し、Webを通じて広く全世界で利用できるようにするためのハードウェアおよびソフトウェアの購入費用をまかなう。

  • Flimmer Film AS
    EMCの援助により、高齢者が日常生活に関する個人的な短い体験談を共有する口述記録プロジェクト「My Days」のWebを通じた翻訳と共有を目指すノルウェーの団体。

  • Chiang Mai University Library
    タイのチェンマイ大学の図書館では、EMCの援助により、16世紀にまでさかのぼる、伝統的な寺院の手書き写本のデジタル化に取り組んでいる。

  • Villa Ocampo
    アルゼンチンのジャーナリスト/作家であるVictoria Ocampo氏による膨大なライブラリコレクションの復元、保護、デジタル化に取り組んでいる。

  • U'mista Cultural Society
    ベルリン民族博物館が所蔵する、クワクワカワク族の文化に関するヨーロッパ最大かつ最古のコレクションをデジタル化、ドキュメント化、アーカイブする。

  • The Edgar Allan Poe Museum
    米国バージニア州リッチモンドにある博物館。作家Edgar Allan Poeの作品、手書き原稿、家族の手紙や記念品などのコレクションを保存するための人件費、機器のほか、デジタル化した後の資料に酸化防止を施して保存するための費用を、EMCの援助によりまかなう。