フォン・ジャパンは4日、ライブドアと業務提携を行い、FONユーザーによる「livedoor Wireless」アクセスポイント(AP)利用が可能になったことを発表した。サービス開始時点では100カ所、2月11日までに2,200カ所全てのlivedoor WirelessのAPがFON対応となる。

FONは、メンバーが自宅に設置したFONスポット(FONのAP)を解放することで、他のメンバーが設置したFONスポットを無料で利用できるという互助的な仕組みにより、Wi-Fiを世界中に無料で広げようとするコミュニティ。日本では2006年12月からサービスが開始され、現在利用できるスポットは首都圏の住宅街を中心に31,055カ所(2008年2月3日現在)となっている。海外においては、自分はFONスポットを設置せず有料で他者のFONスポットを利用するというメンバー種別なども設けられている。一方、livedoor Wireless はライブドアが2005年12月より本サービスを開始した公衆無線LANサービス。電柱を利用してAPを設置、都内山手線内側エリアほぼ全域をカバーしており、月額525円で提供されている。

今回の提携により、livedoor WirelessのAPに「FONlivedoor(フォン・ライブドア)」というFON対応のシグナルが追加される。これによりFONユーザーは従来のAPに加えてlivedoor WirelessのAPを利用することが可能になり、山手線圏内の駅や繁華街におけるインターネット接続可能エリアが大幅に拡大することになる。FONlivedoorの利用料金は、8月4日までは無料。その後も無料サービスの継続を予定しているという。

FONlivedoorのAPからログインすると、ユーザーの画面にはポータルサイト「livedoor」の画面が表示される。またFONおよびFONlivedoorへ接続することで、livedoorサイトの全コンテンツが閲覧可能となる。ライブドアにとってはこの提携がlivedoorへの集客力向上になるものであるとしている。

「FON_livedoor」のアクセスポータル画面

現時点ではFONユーザーへlivedoor WirelessのAPが解放された格好だが、将来的にはlivedoor WirelessユーザーがFONスポットへ接続できる双方ローミングを行うことも検討されている。

また、現在livedoor Wirelessにおいてβテストが行われているMACアドレス認証による接続にも、対応が検討されている。MACアドレス認証は、各ネットワークアダプタに割り当てられたMACアドレスを元に機器の認証を行う仕組みで、事前に登録しておけば接続時のWeb認証が不要になり、無線スポット範囲内に入れば自動的に接続が可能になるというもの。携帯型ゲーム機やiPod touchのような無線LAN通信機能を搭載した端末など、パソコン以外の(Webブラウザのない)機器からの接続が容易になる。対応されれば、FONスポットでもMACアドレス認証による接続が可能になる予定だという。

この提携を記念し、同社ではFONスポットを自宅に設置しなくても、会員になるだけでFONスポットとFON_livedoorの全てのAPを無料で利用できる「フリー・アクセス・キャンペーン」を4月4日まで実施している。