ランドローバー(LAND ROVER)社はデトロイトモーターショーでクロスカントリータイプSUVのコンセプトカーとして「LRX」を発表した。2L(リッター)のターボディーゼルエンジンを搭載しつつ軽量化を進めるなど、環境に配慮したモデルとなっている。
「ランドローバー LRX」はクロスカントリー走行だけでなく、オンロード走行も重視したクロスオーバー4WD。ボディはコンパクトな3ドアで、同社の「フリーランダー2」と比較して149mm短く、205mm低いサイズとなっている。4輪をボディの四隅に置き、安定感を与えている。
パワートレインには、米国連邦規定に適合したバイオディーゼルに対応した2Lのディーゼルハイブリッドユニットを搭載。同サイズのコンパクト4×4と比べて最大30%の燃費向上を実現し、CO2排出量も120kg/kmまで下げられた。
低排出ガスをを可能にしたのは「エレクトリック・リヤアクスル・ドライブ(ERAD)」と呼ばれるシステムで、4輪駆動が必要な不整路でも、低速であればモーターだけで走行可能。合わせて従来同様の機械式の4輪駆動システムも踏襲している。オンロードでは20mph(32km/h)までの低速走行をモーター駆動のみとし、必要に応じてエンジンを自動的に始動。モーターはエンジンがもっとも効率のいい状態になるまでサポートする。この電動駆動システムには高圧・高容量の12Vリチウムイオンバッテリーを使用。充電にはブレーキの回生エネルギーやERADのシステムが利用される。
LRXには従来のクロスカントリー技術も搭載されている。ダートの急勾配を下る際、車速を4km/hに自動制御する「ヒルディセントコントロール」や、操縦性/快適性/トラクションなどを状況に応じて最適化する「テレインレスポンス・システム」などを装備。また、LRXのテレインレスポンス・システムには省燃費を最優先した「エコモード」が追加された。
インテリアは、コンパクトながら室内の広さ、機能性、幅広い用途を重視した。2分割式のテールゲートは電動開閉式で、テールゲートにはクッションを置いたシーティングエリア(座る場所)とアルミ製のカップホルダーも配置。ランドローバーではお馴染みの"テールゲートランチ"が楽しめる。また、後部座席を畳めば、前輪を外したマウンテンバイクが2台収納可能。スキーやスノーボードを収めるスペースも確保している。
シートやルーフなどの構造部材を剥き出しとし、デザイン要素であるとともに軽量化にも一役買っている。ガラスに対して40%軽量な「SABIC」と呼ばれる新素材プラスチックを使ったポリカーボネイトをサイドウインドとルーフに使用。紫外線や赤外線を遮断する。
インテリアには、クロムフリーでリサイクル可能な本革や、軽量でリサイクル可能なアルミなどを多用。ドアとヘッドライナーに使用したスウェードは、使用済みのペットボトルや繊維から作られている。ディスプレイには"フローティングLCD"グラフィックを採用。表示は3D映像で行なわれる。