米Frost & Sullivanは、家庭用コンセントなどの電源からも充電して走行可能なプラグインハイブリッド電気自動車(PHEV: Plug in Hybrid Electric Vehicle)の、今後の市場展開などを考察した最新調査レポート「Global Market Analysis of Plug in Hybrid Electric Vehicles」の発表を行った。
同レポートによれば、現在はまだ研究開発段階にあるPHEVだが、間もなく各自動車メーカーなどから市場へ投入されると同時に、急速に普及していくと予測されており、2015年には、PHEVの世界累計販売台数が13万を突破。北米市場における販売が最も好調で、日本や欧州市場も、その勢いに続くと見られている。
PHEVの普及要因としては、排出ガスゼロを目指す"ゼロエミッションビークル"への関心の高まりや、環境保護を促進するための規制強化などが挙げられるものの、やはり高騰し続けるガソリン価格の影響で、低燃費自動車が注目を集めることが大きな弾みになるようだ。当初はニッチな自動車セグメントに過ぎなかったPHEVが、今後数年間で一気にメインストリームカーとして脚光を浴びるようになるとの、明るい見通しも示されている。
しかしながら、PHEVにとって、現時点での最大のウィークポイントは、高価格ながら性能面で不安も大きい搭載リチウムイオン電池。今回の調査に携わった同社アナリストは「バッテリの本体サイズ、保温/冷却システム、信頼性、耐用年数、製造コストなどが、PHEVのスムーズな普及を望む上で最大のハードルとなる」とコメントし、主にリチウムイオン電池の性能アップにつながる研究開発が、PHEVの普及速度向上のカギを握るとしている。自動車メーカーとバッテリサプライヤーの共同開発体制が整う時、次々と高性能なPHEVが誕生し、さらなる市場の活性化が見込めるとも提言されている。