米Googleは11月30日 (現地時間)、米FCC (連邦通信委員会)が2008年1月に実施する700MHz帯のオークションに入札することを正式に発表した。
米国のデジタルテレビ放送開始に伴い、現在アナログ放送で利用されている700MHz帯周波数がオークションにかけられる。同周波数帯は障害物の影響を受けずに広範囲に届くという特性を持つため、次世代のモバイルサービス向けの無線インフラに活用できると期待されている。
Google CEOのEric Schamidt氏は「いずれの入札者が落札したとしても、本当の勝者は米国のコンシューマになる」と指摘している。これは700MHz帯のオークション実施にあたって、FCCがC Blockの合計22MHzの領域にオープンアクセス・ルールを設けているためだ。デバイスやアプリケーションに一切の制限を課してはならないという条件が付されており、同領域で構築される無線インフラでは、ユーザーがサービスや端末を自由に選択し、任意のソフトウエアを利用できる自由なモバイルの実現が見込まれる。携帯電話キャリアによる制約が重くのしかかっているモバイルの世界に、PCやインターネットのオープンなモデルをもたらす基盤となり得るのだ。ただしC Blockでは落札最低価格に46億ドルが設定されており、これに届かない場合はオープンアクセスの条件が見直される。Googleの入札が成立すれば、落札最低価格はクリアすると予想されるため、同社のオークション参加正式発表は、少なくとも700MHz帯の一部におけるオープンアクセス・ルールの適用が実現することを意味する。オークションには米携帯電話キャリア大手のAT&TとVerizon Wirelessも参加すると見られている。
700MHz帯のオークションは12月3日に参加申し込みが締め切られ、12月中旬に承認された入札者のリストをFCCが発表する。競売は2008年1月24日に始まる。