デルは15日、同社のx64系サーバ「PowerEdge」シリーズのラインナップを一新し、発売を開始した。発表された新サーバは「PowerEdge R900」「同2950 III」「同2900 III」「同1950 III」「同R200」「同T105」の6機種。また、T105を除く5機種には、サーバ管理ソフトウェアの最新バージョン「Dell OpenManage 5.3」が標準添付される。

発表会では、新サーバ6機種や新技術が紹介された

R900にはクアッドコアXeon X7300番台が搭載可能。2950 III、2900 III、1950 IIIの3機種では、11月13日に正式発表されたインテルの最新の45nmプロセスに基づくPenryn(コード名)ファミリのXeon X5400番台が搭載可能となっている。また、T105では同社のエントリークラスサーバで初となる、AMD Opteronプロセッサが採用された。

新サーバ6機種のデータ

製品名 CPUソケット数 筐体サイズ プロセッサ チップセット メモリ搭載量 最大HDD数
PowerEdge R900 4 4U Xeon
X7300/7200
Intel 7300 2~128GB 8(2.5")/6(3.5")
PowerEdge 2950 III 2 2U Xeon クアッドコア5400/
クアッドコア5300/
デュアルコア5100
Intel 5000X 1~32GB 8(2.5")/6(3.5")
PowerEdge 2900 III 2 タワー(5U) 1~48GB 10(3.5")
PowerEdge 1950 III 2 1U 1~32GB 4(2.5")/(3.5")
PowerEdge R200 1 1U クアッドコア Xeon
X3230/X3220/
X3210
Intel 3200 512MB~8GB 2(3.5")
PowerEdge T105 1 タワー デュアルコア
AMD Opteron
1220/1216/
1214/1212/
1210
NVIDIA CK804Pro 512MB~8GB 2(3.5")

デル アドバンスド・システムズ・グループ本部 本部長 兼 米Dell コーポレートディレクターの町田栄作氏

米Dell アジア太平洋地域 エンタープライズ・プラットフォーム&ソリューション・マーケティング・ディレクターのクレイグ・スラッタリー氏

あわせて、PowerEdgeシリーズの命名規則も変更されている。新しいモデル名称は、英字1文字+数字3桁となる。最初の英字はフォームファクタを示し、Rがラック、Tがタワー、Mがモジュラー(ブレード)を表わす。数字は、最初の桁が製品ポジション、2番目の桁が製品世代、最後がプロセッサの種類をそれぞれ表わす。今回発表された新サーバのうち、R900、R200、T105から新名称が採用されている。

管理ソフトウェア「Dell OpenManage 5.3」では電源監視機能が追加され、サーバ1台ごとのリアルタイムの消費ワット数や、サーバに内蔵された電源の消費アンペア数の累計を一目で確認できる。また、複数のサーバをグループ化し、グループ単位での電力消費量の監視も可能で、事業単位ごとに電気料金を案分する用途などにも対応するという。

デルが目指す革新の方向が示された

デルが掲げる新戦略"Simplify IT"

事業概要の説明を行なった同社アドバンスド・システムズ・グループ本部 本部長の町田栄作氏は、同社が掲げる新戦略である"Simplify IT"について説明を行なった。今後の事業の重点項目として町田氏は、「標準化された技術を使った新製品を投入」「水平分業を強化し、顧客志向に根ざしたビジネスを展開」「戦略的な買収」という3点を紹介した。

続いて製品説明を行なった米Dellのアジア太平洋地域 エンタープライズ・プラットフォーム&ソリューション・マーケティング・ディレクターのクレイグ・スラッタリー(Craig Slattery)氏は、新製品のポイントを「運用管理」「熱・空調対策」「搭載密度」「セキュリティ」の4つの視点から紹介した。最後に同氏は、同社が推進する「ITのシンプル化(Simplify IT)」によって、「ITを迅速に配備(Get IT FASTER)」「ITを効率的に運用(Run IT BETTER)」「ITを賢く運用(Grow IT SMARTER)」の3つが実現できるとして説明を締めくくった。