米eMarketerは、今後の米オンライン動画広告市場の動向を展望した最新調査レポート「Video Advertising Online: Spending and Audience」を発表した。動画を用いたオンライン広告が、急速な増加傾向を示している。
同レポートによれば、米国内における今年のオンライン動画広告の売上高は約US7億7,500万ドル。昨年の約US4億1,000万ドルと比較して、実に89%増の伸びを示した。また、2010年には今年の売上高の4倍となる約US31億ドルを突破する勢いで、今後も急速に市場の拡大が続くと見込まれている。
とはいえ、売上高の目ざましい成長率は、現在の市場規模が小さいゆえの記録であるとも指摘されている。動画がオンライン広告市場全体の売上に占める割合は、2001年にはわずか0.6%、今年は3.6%に過ぎない。売上高が約US43億ドルに達する2011年に、ようやく市場全体の約1割を占める規模に成長するという。
同社上級アナリストのDavid Hallerman氏は、「現在の市場規模を考慮に入れるならば、テレビCMに注ぎ込まれる広告費からオンライン動画広告に流れる費用が、たとえそれほど多くなかったとしても、オンライン広告市場全体に大きなインパクトが及び得る」とコメントした。
今年のテレビCMの売上高は、オンライン動画広告売上高の約91倍にも達する。しかし、今後はテレビCMからオンライン動画広告へシフトする傾向も強まり、その差は着実に縮まっていくと見られている。