英国放送協会(BBC)は27日(現地時間)、オンデマンドでTV番組を閲覧できるサービス「BBC iPlayer」を発表した。見逃したTV番組をダウンロードして閲覧できる「キャッチアップサービス」などを提供する。サービスは7月27日にベータ版として開始し、段階的に拡充する。配信チャネルとして、動画共有サイトのYouTube(米Google傘下)とも契約した。
iPlayerは、BBCの番組をオンデマンド形式で、インターネット経由で配信するサービス。ここで提供される番組は放映後7日以内のもので、ユーザーは選択した番組をダウンロードしてPC上で閲覧できる。使い勝手に配慮し、ユーザーは、放映日、カテゴリ、検索機能などから容易に番組にアクセスできる。ダウンロードした番組は、ライブラリ機能で管理できるという。
有効期間は30日間で、視聴後は自動的に削除される。番組に広告はなく、約30分の番組をダウンロードするのに要する時間は約30分としている。
提供開始時は「Windows XP」などWindowsプラットフォームをサポートする。年内にWindows Vista、Mac OSにも対応するという。
今後、BBCのWebサイトとの連動を強化し、Webサイトでプロモーションクリップを見て、iPlyerで番組をダウンロードする、などのことができるようになるという。配信チャネルも拡大し、YouTube経由でも利用できるようにする(BBCはすでに、YouTube内でブランドチャネルとして番組を配信している)。このほかにも、現在MSN、Yahoo!、MySpace、Bebo、AOLなどとも話を進めていることを明らかにしている。
PCのほか、TV画面でも利用できるようにする計画で、ケーブルTV事業者の英Virgin Mediaが年内に配信を開始するという。また、スマートフォンなどの携帯端末への対応も進めていく。
機能も順次拡充する予定で、将来的にはオンデマンドストリーミング、シリーズ番組トラッキングなどの機能を追加し、「BBC Radio Player」も組み込むという。身体障害者向けとしては、ローンチ時に視覚障害者向けに手話表示機能を提供するほか、数カ月以内に聴覚障害者向けの字幕表示も提供するという。
現在、1万5,000人がテストに参加しており、7月27日にオープンベータとして一般公開する。当初はユーザー数を制限しながらの提供となり、完全版の商用サービスはこの秋に開始する。BBCでは、初年度で100万人のユーザー数を目指すとしている。