GNUプロジェクトは2日(米国時間)、UNIX系OS定番テキストエディタの最新安定版「Emacs 22.1」をリリースした。安定版としてのリリースは、2003年3月に公開されたEmacs 21.3以来約4年ぶり。
Emacs 22.1では、新たにMac OS Xを対応プラットフォームとして追加。Windows上で動作するUNIX互換環境「Cygwin」も正式にサポートされた。従来はパッケージが分かれていた多言語対応のインプットメソッド「Leim」のほか、Emacs Lisp関連マニュアルが標準配布物に同梱される。GIMPなどに使用されているGUIツールキット「GTK+」も正式にサポート、GTK+ 2.4以降の機能を利用したEmacsとしてビルドが可能。
機能面では、最大バッファサイズが倍加され32bitマシンでは最大256MBとなった。カラー対応も強化、xtermやrxvt上など多色表示可能なターミナルエミュレータ上で起動すると、その範囲内でフルカラー表示できるようになった。Windows NT / 2000 / XPでの動作時には、クリップボードを経由する文字列にUnicodeが使用されるなど、内部のUnicode対応も進展。マウスやドラッグ & ドロップの対応強化や、新しいキーボードマクロシステムの採用といった操作面での変更も数多く行われている。
Emacs 22は、当初2003年3月に公開されたEmacs 21.3の次期リリースとして開発がスタート。本来はEmacs 21.4となるところ、セキュリティ対策版が21.4として公開された結果、開発ブランチはEmacs 22に変更。以降GNUのCVSサーバを中心としたオープンなスタイルで開発が続行、通称CVS版(Emacs 22.0.x)のリリースを重ねるなど検証が続けられてきた。