WEB会議が浸透してグッと身近なツールになったWEBカメラ。パソコンに内蔵されている場合も多いが、使い勝手にこだわるなら高機能な外付けタイプがおすすめしたい。しかし、性能が理解できずに何を選べばいいかわからない、まだ必要性を感じてない人も多いのではないだろうか。
そこで今回は、画素やマイク、画角など性能の解説から選び方のポイント、実際の利用シーンに合わせたおすすめ機種を紹介しよう。
WEBカメラとは?
テレワークの導入が進み、在宅で業務をこなしたりWEB会議に参加したりする機会が増えてきた。そこで必須アイテムとなりつつあるのがWEBカメラだ。
WEBカメラとは、一口で言えばパソコンに接続して使う小型のカメラのこと。撮影した映像をインターネット経由で他のパソコンやスマホなどに送り、リアルタイムでのコミュニケーションや、ライブ映像を配信したりすることができる。WEB会議やリモート飲み、動画配信などには、なくてはならない周辺機器だ。
とはいえ、最近のノートパソコンやディスプレイ一体型パソコンはカメラを内蔵したものが多い。わざわざ外付けのWEBカメラを購入しなくてもいいと思う人もいるだろう。しかし、こうしたカメラは個人対個人のビデオチャットを主目的としているため、WEB会議などでは使い勝手が悪かったりする。
たとえば内蔵カメラは本体に固定されているため、向きや高さを調整しにくいという問題がある。また、複数人を同時に映したり、手に持った製品や資料を一緒に映したりするのにも不向き。さらにレンズやイメージセンサーが小さいため光を取り込みづらく、映像がノイジーで暗くなりがち。表情の変化や第一印象なども重要になるビジネスシーンでは、円滑なコミュニケーションの妨げになってしまいそうだ……。
そのため大切なWEB会議やオンラインの打ち合わせなどでは、パソコンにカメラが内蔵されている場合でも外付けタイプのWEBカメラを別途用意することを強くおすすめする。
WEBカメラを選ぶ前に確認すべきポイントとは?
現在、外付けタイプのWEBカメラは数多くのメーカーからさまざまな製品が発売されている。搭載する機能も異なれば価格もまちまちで、比較するのも一苦労するほど。しかし事前にいくつか条件を明確にしておけば、対象機種を絞り込んで選びやすくできる。具体的には、使用する「用途」や「場所」、「人数」、そして「予算」だ。
使用する「用途」
もっとも重要なポイントが、「何に使うのか」ということ。WEB会議や動画配信、オンライン授業、プライベートなビデオチャット、ゲームの実況放送では、それぞれ最適なWEBカメラは異なってくる。たとえば複数人でのWEB会議なら広い範囲の映るレンズを搭載したカメラ、動画配信やゲーム実況などでは動きが滑らかに映るカメラという具合に、利用シーンにあった製品を選ぶことが大切。そのため、まずは具体的な用途を明確にしておこう。
使用する「場所」
次に使用する「場所」も重視したいポイント。逆光になる場所で使う場合は明るさを補正してくれる機能があると便利だし、離れた場所から撮影したい場合は高感度な長距離対応マイクや長めのケーブルが搭載されているほうがいい。ディスプレイに取り付けて使うつもりなら、カメラ本体にクリップが付いていると設置しやすいだろう。つまり、使う(設置する)場所によって必要な機能も変わってくるというわけだ。
使う「人数」
もうひとつ大切なのが、WEBカメラを使う「人数」。基本的にWEBカメラは一人で使う用途がほとんどだが、大人数での会議など複数人で使う場合、画角の狭いカメラだと一度に全員を映せないこともある。一人で使うなら、画角が狭い方が背景に余分なものが映り込む心配が減ってむしろ使いやすいケースもある。このように、使う人数によってもWEBカメラに求める機能は違ってくる。
用意できる「予算」
最後に忘れてはならないのが「予算」だ。WEBカメラは2,000円程度で買える手頃な価格のものから、数万円するハイエンドモデルまで多彩な製品がある。当然高価なほうが機能も充実しているが、最近は廉価モデルも性能が上がって幅広い用途をカバーできるようになっている。そのため予算を決めておいたほうが、WEBカメラ選びもスムーズにできるはずだ。
WEBカメラの性能から考える選び方
具体的な製品を選ぶ際に注目したいのが、WEBカメラの性能だ。メーカーは用途や利用環境、価格帯などに合わせて搭載する性能を決めて開発することが多いため、WEBカメラの性能をきちんと知ることが正しい選び方の近道になる。
なかでも鍵になるのが「解像度」「フレームレート」、「フォーカス」、「画角」だ。そのほか、内蔵マイクやスピーカー、動作環境なども考慮したい。それぞれ解説していこう。
解像度
デジタルカメラの画質を測る基準のひとつに画素数があるが、WEBカメラの場合はそれよりもビデオ解像度に注目したい。おもなビデオ解像度はHD(720p)、フルHD(1080p)、4K(2160p)などで、それぞれ1280×720ドット、1920×1080ドット、3840×2160ドットの動画を撮影できる。HD対応カメラなら約100万画素、FHDは約200万画素、4Kは約800万画素あれば必要十分だが、静止画撮影機能を搭載している機種などではそれ以上の画素数を採用している場合もある。
フレームレート
フレームレートとは、1秒間に何フレーム表示できるかを示す数値のことで「fps」という単位で表記される。数値が大きいほど映像の動きが滑らかに表示されるが、一般的なパソコンのディスプレイが60fpsなのでWEBカメラもほとんどが60fps止まりとなっている。ちなみに人間の目で見て滑らかに感じるのは30fpsが目安になる。
フォーカス
被写体にピントを合わせる機能をフォーカスといい、カメラが自動でピントを合わせてくれるのを「オートフォーカス」、ピントの合う範囲が決まっているものを「固定フォーカス」、手動でピントを合わせるのを「手動(マニュアル)フォーカス」などと呼ぶ。リーズナブルなWEBカメラは固定フォーカスを、上位機種はオートフォーカスを採用したものが多い傾向にある。
画角
画角とは、カメラが映すことのできる範囲のこと。視野角とも言われる。画角が狭いと被写体が大きく映り、画角が広いと被写体の周囲まで広々と映せる。一般的なWEBカメラは画角が固定されており変更できないが、ズーム機能を備えた製品の場合は画角を変更することができる。
その他の機能
WEBカメラを使う際は、映像以外にも音声のやりとりを多くするためマイクとスピーカーも必要になる。WEBカメラにこれらの機能が搭載されていると、別途周辺機器を用意してセッティングする必要がなくて便利。内蔵マイクやスピーカーは、モノラルとステレオの2タイプがある。製品によっては音声をクリアに伝えるため内蔵マイクにノイズキャンセリング機能を搭載している場合も。
このほか、WEBカメラによってはパソコンのディスプレイに取り付けやすくするためクリップを備えたものや、机に設置するためのスタンドが付いたものもある。またWindowsやMacのほか、Chrome OSなどに対応した製品も存在する。こうした付加機能や動作環境なども事前にチェックしておきたいポイントだ。
4つのシーンに合わせたWEBカメラの選び方
ここまで、WEBカメラの選ぶ前に確認すべきポイントと、各機能を紹介してきた。ここからは実際の利用シーン4つと、それぞれのシーンに必要な性能を詳しく説明する。また、WEBカメラ市場でトップクラスのシェアを誇るメーカー、ロジクールのラインナップから各シーンにあったおすすめの機種をピックアップして紹介していこう。
WEB会議で使うのにぴったりのWEBカメラは?
WEB会議は基本的に被写体の動きが少ないため、固定フォーカスでフレームレートが30fpsあれば十分なことが多い。またWEB会議サービスによってはHD 720pまでしか対応していないこともあるため、カメラのビデオ解像度もHD 720pで十分。ただし、手に持った製品や資料をカメラに近づけてディテールを鮮明に映したい場合などはフルHD 1080pでオートフォーカスに対応している製品を検討しよう。
会議に個人で参加する場合は、60°程度の画角が使いやすい。自宅でも背景があまり広く映り込まないため、生活感を出したくない場合にも助かる。一方、複数人で参加する場合はよりワイドなカメラのほうが向く。内蔵マイクもステレオやノイズキャンセリング機能が搭載されているもののほうが、ひとりひとりの声が聞き取りやすくなる。ここでは、使用人数や使用場所に合わせて次の2機種をおすすめする。
本体に装備されているクリップで手軽にパソコンの画面に取り付けられるコンパクトなWEBカメラ。ビデオ解像度がHD 720pで、フレームレートも30fpsと十分な性能を持つ。2,000円台という手頃な価格でありながら自動光補正やノイズリダクションマイクなどの機能を搭載するなど、基本性能は充実している。画角は60°と狭めなので、個人参加のWEB会議に向く。
フルHD 1080pの解像度と両サイドに搭載されたステレオマイクで、クリアな映像&音声を実現している。ケーブルが1.5mと長めで、製品には本体に取り付けられる三脚も同梱されているため、設置場所の自由度が高いのもポイント。画角が78°と広角寄りなので、被写体から少し離れた場所に設置すれば、複数人でのWEB会議にも活用可能だ。
オンライン授業は講義内容に合わせてWEBカメラを選ぶ!
オンライン授業と一口に言っても、大学の授業や外国語レッスン、フィットネスや料理教室などさまざま。WEBカメラの選び方も、授業の内容に合わせて最適な1台を選ぶ必要がある。
たとえば、フィットネスやダンスのように体全体の動きを映したい場合は、離れた場所からでも撮影しやすく声が届きやすいカメラが適している。また、外国語レッスンや大学の授業のように個人で向き合うタイプの授業は、目線が不自然にならないようパソコンのディスプレイに手軽に取り付けられるクリップタイプのカメラが使いやすい。料理や手芸のように、作ったものにフォーカスを当ててディテールを伝えたい場合は、オートフォーカス機能を搭載したカメラがピッタリだ。
最長3mの範囲内でクリアで自然な会話が行えるノイズリダクション搭載長距離対応マイクと、2mのロングケーブルを搭載。カメラを棚などの高い位置に設置して体全体を映したり、カメラから離れた場所でワークアウトしながら相手と会話したりすることができる。フィットネスやダンスなどの授業に使うには最適。ビデオ解像度はHD 720pで、フレームレートは30fpsあるので、体の動きもしっかり撮影して相手に見てもらうことが可能だ。
HD 720pの解像度、30fpsのフレームレートを搭載しながら、2,000円台のリーズナブルな価格を実現した良コスパモデル。本体にユニバーサルクリップを装備しており、必要なときにパソコンの画面に気軽に取り付けられるのも嬉しいところ。画角は60°で、上半身をちょうどいい大きさに映してくれる。ノイズリダクション機能が搭載されたマイクを内蔵しているため、音声がクリアで外国語のレッスンにも適している。
フルHD 1080p対応の高解像度カメラ。オートフォーカス機能を搭載しているため、作りかけの料理や手芸をカメラに近づけて相手にディテールを見せ、アドバイスをもらう場合などにも使いやすい。パソコンの画面に取り付けたり机の上に直接置いたりできるだけでなく、三脚に取り付けることも可能なため料理や手芸をしている手元を撮影して相手に見てもらうようなことも簡単に実現できる。
ライブ配信は動きを滑らかに撮影できるWEBカメラを!
YouTubeなどでライブ配信する場合は、60fpsのフレームレートで動きが滑らかに撮影できるWEBカメラが最適。また配信者の顔にフォーカスを合わせ続けてくれるような、高機能なオートフォーカスを搭載した製品がおすすめ。SNSでの配信なども考えている場合は、メディアに合わせた解像度やフレームレートで撮影できたり、露出やフレーミングなどを細かく調整できる機能などがあると何かと便利だ。
商品名の通り、ストリーミングやコンテンツ制作向けの機能を満載したWEBカメラ。最大ビデオ解像度は1080p、フレームレートは60fpsだが、SNSでの配信に向いた低解像度・低フレームレートでの撮影もサポートしている。カメラ部を回転することで手軽に縦方向で撮影できるポートレートモードに切り替えたり、被写体の顔をトラッキングしてピントを合わせ続けたりする機能も搭載する。接続はUSB-Cで、WindowsとMacに対応している。
リモート飲みにはプライバシー保護機能付きWEBカメラが便利!
外出自粛中でも飲み会を楽しみたい! という人に人気のリモート飲み会は、WEBカメラがあれば気楽に参加できるのがメリット。カメラ性能はあまり問われないが、周囲の雰囲気がわかったほうが会話のきっかけになることもあるため、画角はワイド寄りのほうがおすすめ。またカメラにライティング調整機能があると、雰囲気のある照明下でも顔が暗くなりにくい。
お酒が入るため、うっかりカメラを切り忘れてプライベートな姿を晒すような失敗をしがちなのもリモート飲み会あるある。できるだけ物理的にカメラをオフにできる製品を選ぶようにしたいところだ。
フルHD解像度に対応した高画質WEBカメラ。画角が78°と広角寄りでステレオマイクを内蔵しているため、周囲の雰囲気を一緒に映したい場合などにピッタリ。レンズを物理的に覆ってプライバシーを保護するプライバシーシャッター機能を搭載しているのは、うっかりカメラを切り忘れることの多い人には嬉しいポイントかも!?
モデル名 | C270N HD WEBCAM | C505 HD WEBCAM | C920N HD PRO ウェブカメラ |
最大解像度 | 720p/30fps | 720p/30fps | 1080p/30fps - 720p/30fps |
フォーカス タイプ |
固定フォーカス | 固定フォーカス | オートフォーカス |
視野角 | 60° | 60° | 78° |
内蔵マイク | モノラル | モノラル | ステレオ |
モデル名 | C920S | C922N PRO STREAM WEBCAM | StreamCam C980 |
最大解像度 | 1080p/30fps - 720p/30fps | 1080p/30fps - 720p/60fps | 1080p/60 fps(MJPEG) |
フォーカス タイプ |
オートフォーカス | オートフォーカス | オートフォーカス |
視野角 | 78° | 78° | 78° |
内蔵マイク | ステレオ | ステレオ | デュアル無指向性マイク |
その他機能 |
おうち時間を充実させるWEBカメラ
テレワークや交代勤務が続き、在宅時間が増えると改めて実感するのが他人とのコミュニケーションの大切さ。利用シーンにあった高品質なWEBカメラを使えば、そんなコミュニケーションを円滑にして、おうち時間を充実させることが可能だ。ぜひ自分にあった製品を見つけて、在宅での業務や学業などに役立ててみてほしい。
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