高田サンコ(たかださんこ)
管理栄養士の資格を持つ。代表作はドラマ化もした「たべるダケ」(小学館)など。月刊ヤングマガジン(講談社)にて「海めし物語」を連載中。今までのデジタル環境は約10年前のiMac。Photoshopを使っているものの、ブラシなどの機能は使いこなせていない。

■FAQを利用してみよう!

今となっては何が原因だったか分からないが、高田先生のペンタブレットが「思うように動かない」曖昧な現象に陥った。これに対して先生は、ペンタブレットのデバイスドライバを「気持ちよく削除する」解決策を選んだ。

結果、ペンタブレットが使えなくなってしまった。

  • 「ワコム タブレット」はユーティリティでありデバイスドライバでもあるため、削除すれば、もちろんアンインストールされる

原因の分からないトラブルに対処する時は、アシA子の進言するとおり、まずはFAQを参照するのがオススメ。上達の早道である。

  • ワコムタブレットのFAQページ

ワコムタブレットのFAQページでは、よくある質問と回答をキーワードまたは文章で検索したり、状況や対応を絞り込んでいって解決策を探せるようになっている。

■FAQページを参照してトラブル解決

トラブルの多くは、本人が気が付かないうちに操作ミスしていることが多い。また、新しいデバイスやアプリケーションの導入で競合を起こす例も多い。Windows Updateやウイルス対策ソフトのアップデートなどで不安定になる場合もあるのだ。こうしたハードウェアの故障とは異なるトラブルは、設定を正しい状態にすればすぐに直る。

FAQではキーワードや文章から対処法を検索して探し出せるほか、状況や対応を箇条書きで示された中から選んで解決策にたどり着けるよう工夫されており、特に重要なケースには赤に白抜きで「重要」と表示される。先生のケースはドライバの削除なので、まさに「重要」案件が表示された。

  • FAQのトップページで「ペンタブレットが動かない時は、まずココをクリック」を押すと該当するシチュエーションから解決策を絞り込んでいける

  • チェックボックスをクリックするだけで、次の選択肢が表示される。選択を間違えたときはもう一度チェックボックスをクリックすれば元に戻る

  • 先生の場合「重要」マークが付く案件なだけに、対処の仕方も詳細に記載されていた

ブラウザで「Wacom ドライバダウンロード」にアクセスして、製品名とOSを選ぶと最新版のドライバがダウンロードできる。

  • 「Wacom ドライバダウンロード」で最新ドライバをダウンロード

  • ダウンロードしたファイルを実行

  • 利用許諾などに同意してWindowsを再起動すれば完了だ

■ユーザー設定ファイルをバックアップしておこう

実はトラブルの内容次第では、デバイスドライバの削除という解決策は「アリ」だ。もちろん、ドライバの再インストールは必須で手間は掛かる。だが、ドライバの不具合などに起因するトラブルは大抵解決するし、そうでない場合もしばらくは安定的に使えたりする。しかし、これで一見解決したように見えても、原因を特定して対策しなければ何かの拍子に再び同じ現象に陥る可能性は高いのだ。

先生:「結局、私はどうすれば良かったの? それが分からないと同じことをやっちゃいそう」

呟く高田先生。これはもっともな感想だ。

A子:「ワコム ユーティリティのユーザー設定ファイルを削除すればいいんですよ」

先生:「だから、それをやったから、こうなったんじゃない!」

先生は自分が削除したのはユーザー設定ファイルであり、デバイスドライバと同じものだと思っているのだ。アシA子は、まずはこの誤解をとかねばならないと気付いた。

A子:「先生が削除したのは、設定ファイルではなく、ユーティリティそのものですよ。ワコムのユーティリティは、システムからはドライバと一体化して管理されているので、ユーティリティを消すとドライバも消えちゃうんです。

ドライバは周辺機器をWindowsから制御するためのソフトなので、削除するとWindowsから制御できない、つまり使えないってことになるんです」

先生:「ちょっと待って。じゃあ、ユーザー設定ファイルって何なのよ!」

A子:「設定ファイルはユーザーごとの設定を記録しているデータです。削除すれば自動的に新しいものを作るし、以前にバックアップしておいたものを読み込んで使うこともできます」

先生:「あなた、なんでそんなスラスラ出てくるのよ!ちょっとロボットっぽいわよ!」

悔しくなって当たり始めた先生だが、アシA子が当意即妙に答えるのは“紙面の都合”と思って欲しい。

さて、先生がユーティリティ(ドライバ)をアンインストールしたとき、本来やるべきだった、ログインユーザーの設定ファイルの削除について説明しておこう。

と言っても、操作は簡単。スタートメニューの(恐らく)一番下に表示される「ワコム」フォルダの「ワコム タブレット設定ファイル ユーティリティ」を起動し、「ログインユーザーの設定ファイル」の「削除」を押して再起動するだけだ。

ちなみに、タブレットが正常に動作するときに「ログインユーザーの設定ファイル」の「バックアップ...」をクリックすると、そのときの設定をバックアップできる。調子が悪いときに「復元」から、バックアップした設定ファイルを読み込めば、気付かないうちに変更されてしまった設定などは元通りに戻る。ペン先が急にもたつくようになる、フリーズするといったときに利用したい手法だ。

  • タブレット設定ファイルユーティリティ

  • バックアップファイルは、拡張子が「.wacomprefs」となる

  • タブレット設定ファイルユーティリティで「復元...」をクリックすると、バックアップファイルから設定を書き戻す

A子:「先生、ドライバの再インストールは、CLIP STUDIOやWindowsの再起動、USBケーブルの挿し直し、ユーザーの設定ファイルの復元などを試したあとのほうが良いですよ」

先生:「とりあえず、また使えるようになってよかった。FAQ便利ね! このFAQさえあればA子はもういらないかも……」

A子:「(また泣きつくのが目に見える……)」

困ったらFAQを頼りにするのを覚えた高田先生。多少、想定とは違うが着実な進歩が見られる。このまま先生は幸せにたどりつけるのか……。

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