みなさんは「STEM」という言葉をご存じでしょうか? Science(科学)、Technology(技術)、Engineering(工学)、Mathematics(数学)の頭文字をとった言葉で、先進国のなかでも、日本はSTEM分野の仕事に携わる女性が圧倒的に少ないと言われています。
そこで、企業のSTEM分野で活躍している方々との交流を通し、「STEMの仕事をもっと身近に感じてほしい」「将来の選択肢を広げてほしい」という想いから企画されたのが、東京都主催の“女子中高生向けオフィスツアー”です。
第2回は、ABEMAやスマートフォン向けゲームでおなじみの株式会社サイバーエージェントで開催したツアーの様子をお届けします。
最新テクノロジーを駆使する
現場のエンジニアの仕事とは?
サイバーエージェント
オフィスツアープログラム
サイバーエージェントのエンジニアってどんなことをしているの?
メディア、広告、ゲーム事業などのインターネットサービスを展開する「株式会社サイバーエージェント」。次々と革新的なサービスを生み出している注目企業ということもあり、今回のツアーにも、定員を大幅に上回る応募が!昨年(2023年)オープンしたばかりのクリエイティブ制作スタジオ「極(きわみ)AIお台場スタジオ」で、ツアーがスタートしました。
サイバーエージェントが掲げるビジョンと、多様なサービスを生み出すための仕組み
様々な機材が揃うスタジオに集まった約50名の女子中高生の前に、新卒エンジニア採用担当の宇都宮菜さんが登壇し、会社説明がスタート。「サイバーエージェントは、“21世紀を代表する会社を創る”をビジョンに掲げ、インターネット広告・ゲーム・メディアの3つを主力事業として展開しています。近年ではAI・DXを強化分野に掲げ、新規事業への投資も積極的に行っています。」
リアルなスタジオに興奮しつつ、説明に耳を傾ける参加者たち
参加者の認知度が高かったのはやはり、“新しい未来のテレビ”として展開する動画配信事業「ABEMA」。それ以外にも多くのスマートフォン向けゲームを作っていたり、サッカーやダンスのチームを持ちスポーツ支援を行っていたりと、サイバーエージェントの多様なビジネス展開について聞き入っていました。
「これだけ幅広い事業を手掛けられるのは、サイバーエージェントが子会社制を強化しているから。1つの組織だと大きすぎて決断スピードが落ちてしまうため、子会社それぞれの現場に裁量権を与えることで、スピーディーに意思決定できます。また子会社化することで、社長はもちろん責任のあるポジションも増えるため、1人1人が責任感を持って仕事を進められ、それが面白いサービスを生み出すことに繋がるんです」(宇都宮さん)
サイバーエージェントのエンジニア職特徴1
子会社制を強化することで、ユニークで新しいサービス・アプリをスピーディーに生み出せる
社員の成長をサポートする体制で、有望なエンジニアの育成に注力
続いて、人材育成や福利厚生など特徴的な制度について説明がありました。
「サイバーエージェントの強みは、“高い技術力”、“若手の台頭を喜ぶ組織”、“挑戦と安心はセット”の3つ。『トレーナー・トレーニー制度』を設け、入社後1年は必ずトレーナーがつくなどサポート体制がしっかり整っているため、経験を積みながら早いうちに1人前のエンジニアとして活躍できます。さらに週2回のリモートワークを推奨し、ハイブリッドな働き方ができるのも魅力。『macalon(マカロン)』と呼ばれる女性活躍推進のための福利厚生制度もあり、今話題の卵子凍結に関する費用の一部を会社が負担するなど、女性が長く働ける環境や制度が整っています」(宇都宮さん)
サイバーエージェントのエンジニア職特徴2
入社後に必ずトレーナーがついてサポートするため、早いうちから1人前のエンジニアとして活躍できる。
「1人1人が技術者として活躍できるよう、会社全体の制度で支えています」
スタジオに砂漠や怪物が出現!? 最先端テクノロジーを駆使した「極AIお台場スタジオ」を見学&体験!
次に、インターネット広告の動画広告を作っている「Cyber AI Productions」のプロデューサー吉田真さんが登壇。サイバーエージェントが誇る「極(きわみ)AIお台場スタジオ」について説明しました。「『極AIお台場スタジオ』は、『LEDウォール』や『4Dスキャン』といった最先端設備を備えており、広告効果最大化の追求に特化したクリエイティブ制作スタジオです。ハリウッド映画でも使用される最新技術のIn Camera VFXの活用や『極予測AI』で広告効果を予測しながら動画素材を制作できるのも強みです」。
※極(きわみ)予測AI
サイバーエージェントが開発した、「効果予測AI」を用いて広告効果の高いクリエイティブを予測しながら制作するクリエイティブ制作支援システム
ツアー参加者も実際にカメラを触って撮影を体験!
説明後は、スタジオ内を見学。LEDウォールに現れる砂漠や森、怪物が動き回る街中などのCG空間で撮影を行ったり、クリエイターたちと一緒にカメラを動かしたり、クリエイティブが生まれる現場の空気を体感していました。
LEDウォールによってリアルに映し出された怪物と記念写真を撮る参加者が多くみられました
左:「In Camera VFX」紹介の様子 右:4Dカメラ
続いて、約180台のカメラで被写体を360度撮影し「デジタルツイン」を作成する「3Dスキャンシステム」の見学へ。仮想空間内に現実空間の環境を再現できるのだそう。参加者がモデルとなって撮影会が行われることになり、希望を募るとモデルをやりたい参加者がたくさん! じゃんけんで勝った二人がモデルとなり、その撮影風景をほかの参加者も間近で見学。モデルがポーズを決めると約180台のカメラのシャッターが一斉に光り、みんな興味津々で撮影の様子を眺めていました。
360度をカメラに囲まれたドームに入り緊張気味の参加者ですが、撮影後はデータを興味深げにチェックしていました。
こうして撮影した人のデータを3DCGで映像化するのがデジタルツインです。
女子中高生の素朴なギモンに若手女子社員が本音で答えるパネルディスカッションタイム!
スタジオ見学・技術体験を終え、最後は実際にエンジニアとして働く女性社員によるパネルディスカッション形式の質問回答コーナーです。登壇したのは、典型的な文系女子からエンジニアになった入社4年目の縣美早さんと、医療職からキャリアチェンジした入社2年目の河井萌衣さん。
左:縣さん、右:河井さん
事前に参加者から質問を募集し、それに二人が答えるQ&A形式で行われました。女子中高生からの率直な質問に、包み隠さず本音で語ってくれました。
- Q.
高校時代に理系・文系を選択した理由と、エンジニアになろうと思ったきっかけはなんだったのですか?
高校時代に理系・文系を選択した理由と、エンジニアになろうと思ったきっかけは?
- A.
-
「数学が苦手で英語が得意だったため、高校では自然と文系に進みました。大学入学時もやりたいことが明確に決まっていなかったので、文系と理系の学生が約半々の学部を選択しました。エンジニアになりたいという気持ちが芽生えたのは大学2年生の時。必修科目でプログラミングに初めて触れて、興味を持ちました。プログラミング学習を支援する学生団体に所属し、iOSアプリを開発したんです。自分で書いたコードで自分のスマホにあるアプリが動くことに感動し、このスキルをもっと身につけて世の中に役立てていきたいと思い、エンジニアの道を選びました」(縣さん)
「私は数学が好きだったので理系を選択しました。将来を考えたときになんとなく理系で人の役に立てそうなのは医療職だと思い、そのなかで自分に合いそうな臨床検査技師になるために大学の保健学科に進学。卒業後は臨床検査技師として病院に就職しましたが、ほかの可能性も広げてみたいと思い退職を決めました。そこで何をやろうか考えたときに、将来性が高く技術の進歩が著しいプログラミングを学んでみたら思いのほか楽しくて、これを仕事にしたい! と第2新卒でエンジニア転職しました」(河井さん)
- Q.
サイバーエージェントを選んだ理由はなんですか?
縣さん
- A.
-
「たくさんのアプリ・サービスが作られている会社ということは、選ぶ上で大きなポイントになりました。私は飽き性なので、1つのところでずっと長く働くイメージが湧きづらいところがあって。いろんなサービスを持っている会社だったら、部署異動などの選択肢を取れば転職せずとも新しいことに挑戦し続けられると思ったのです。また参加したインターンシップで、とある先輩社員が自分が作ったサービスを私に見せてきて『これ使ってみて、すごいいいから!!』って勧めてくれたんです。そのとき、自信を持って人に勧められるものを作れるって最高だなと思い、この会社に入ることを決めました」(縣さん)
- Q.
エンジニアとして働いていて、女性として働きやすさを感じる点は?
- A.
-
「現場では優秀でスキルのあるエンジニアが重宝されるため、性別の差を感じることなく活躍できるのがIT業界の魅力でもあります。なので『女性が働きやすい』というより、『性別差を感じずに働きやすい』というほうが近いかもしれません。」(縣さん)
河井さん
- A.
-
「同じく、仕事をする上で男女の差を感じる機会はないですね。会社としての働きやすさで言えば、サイバーエージェントは出社とリモートワークを併用しているので、場所や時間に縛られずに柔軟な働き方が実現できます。家でゆっくり体を休めながら働いたり、気分転換にオフィス内のカフェで仕事したりもできるので、自分らしい働き方がしやすい環境だと思います」(河井さん)
- Q.
学生のときにやっていてよかったこと、やっておけばよかったことはありますか?
学生のときにやっていてよかったこと、やっておけばよかったことは?
- A.
-
「将来のことを考える時間を作ることでしょうか。私は学生時代にやりたいことが明確になくて、高校・大学に入ること自体が目標になってしまっていたんです。だからその先にある就職のことを全然イメージしていなかったんですよね。もちろん進学先も大事ですが、その先の『将来どういう仕事したいかな』とか『どういうことができるようになりたい』とかを、学生時代のうちから自分に問いかける時間を持ってほしいです」(縣さん)
「とにかくいろいろなことに目を向けてみるといいと思います。私自身は当時、医療職以外の職種に就くことは全然考えていませんでした。もちろんなりたいことに向かって突き進むことも大切ですが、今日のオフィスツアーのような機会はいろんな業種を知るいいきっかけになると思います。ぜひこのような学生向けのイベントにどんどん参加して、自分の可能性を探ってほしいですね」(河井さん)
参加者の感想は?
最初は固い面持ちだった参加者のみなさんも、プログラムを通してどんどん自然体で楽しむ様子がみられました。何人かに参加した感想を聞いてみると……
直接現役のエンジニアの方のお話を聞けて理解が深まりました。理系の人しかなれない職業かと思っていたのですが、文系の人や別の職種から転職しても活躍できる職業だということを聞いて驚きました。学校でもプログラミングの授業があり苦手意識があったのですが、もっとITのことを詳しく知りたくなりました。
IT業界に対してどこか遠い存在というイメージを抱いていたのですが、実際に職場を訪れてエンジニアさんたちの話を聞いて、みなさんとてもフレンドリーだし、すごく身近に感じられました。実際に最先端のカメラも触らせていただき、動きと連動させた3DCG映像のキレイさに大変驚きました!今後の進路や就職活動についてしっかり考えることの大切さを教えてもらい、すごくタメになりました。
と、エンジニアに対する興味がより高まった様子でした。
サイバーエージェントの社員から 中高生に向けてのメッセージ!
普段の生活の中では触れることのないスタジオ技術をご覧いただきましたが、いかがだったでしょうか?スタジオ見学や社員との交流を通して、IT業界の仕事や働き方について、より身近に感じていただけたなら幸いです。
今回の経験が、少しでも皆さんの将来を考えるきっかけや、皆さんの未来への一歩につながれば嬉しいです。
サイバーエージェントでは2023年に「Tech DE&I プロジェクト」を始動し、IT業界および当社開発組織におけるジェンダーギャップ解消を最優先課題としてさまざまな活動に取り組んでいます。今後も女子学生にエンジニアという職業の魅力を伝える機会を設けていきたいと考えていますので、ご興味のある方はぜひチェックしてください。(新卒エンジニア採用担当 宇都宮菜)
第3回のオフィスツアーは「メルカリ」 お楽しみに!
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