SNSで人気を集めるママイラストレーター・あいさんとパパイラストレーター・ゆーぱぱさんによる連載「【漫画レポ】#新米ママパパの妊娠後期の準備時間」。この連載では、妊娠後期に準備しておきたいあれこれを、先輩ママ・先輩パパの実体験から考えていきます。今回はママイラストレーター・あいさんによる「陣痛や出産」でのエピソードです。
あいさん
2018年5月に長女(ゆいどん)を出産。会社員を経て、現在はフリーランスのデザイナーとして働く新米ワーママ。家族愛強めな夫(どんパパ)と共に子育てに奮闘中です。ドタバタな日常や育児のお役立ち情報を、ブログやInstagramに投稿しています。著書に『いけいけどんどん! ワーママ奮闘記』(マイナビ出版)。こんにちは!あいです。
第3回にわたる本連載ですが、ついに「出産編」! 早いもので最終回となります。今回も我が家の出産エピソードをお送りします!
「いよいよ赤ちゃんをお迎えする!」ということで、実感がわいてくる妊娠後期。 産休に入り、出産準備のラストスパートをかけていました。
【当日の様子・陣痛が来てから入院するまで】ついに前駆陣痛が始まった!
予定日を少し過ぎた、夫の仕事が休みの日のこと。外でランチを食べた帰り、なんだか気分が悪いような、体調が優れないような感覚があり、弱い痛みから前駆陣痛が始まりました。
「とうとうこの時がきたか!」と早めのシャワーを浴び、晩ごはんを食べ、テレビを観ながら痛みが強くなるのを待ち……。リラックスした状態のほうがお産の進みはいいと聞いていたので、ゆっくり過ごしていました。
その間、夫が痛みの間隔を測って記録してくれていました。当時の実際のメモです。おかげで、痛みの間隔を客観視して少し冷静になれました。
21時頃、テレビを観ていてもお腹が痛くて笑えず、歩くのがちょっと辛くなってきたので病院に電話をかけることに。お医者さんに現状を話すと、「破水しておらず、その程度の痛みであればもう少し痛みが強くなるまで家で待っていてください」とのこと。初産婦の出産にかかる平均時間は10時間以上……となると、おそらく産むのは明日。今日入院してしまうと入院代が1日分かさんでしまうので、このまま家で日付が変わるのを待とうと決意しました(笑)(発揮されるケチ精神)。
少しずつ痛みが強くなっていくのと同時に、不安も大きくなり、時間が経つのが長く感じたのを覚えています。この頃から少し焦り始め、何か気が紛れることをしていたいと、夫に「ケーキが食べたい」と頼みました(唐突)。夫はすぐに買ってきてくれ、痛みのなか不安で泣きながら食べさせてもらいました。随分リラックスでき、励まされました……!
そして23時半にまた病院に電話をかけ「痛みのある間は歩けない」と伝えると、病院に行くことに。夫に陣痛タクシーを呼んでもらい、日付が変わった瞬間に入院しました。
夫は出産準備に協力的だったので、両親学級に行ったり、一緒に妊娠情報雑誌を読んだり、ネット情報をシェアしたりして、赤ちゃんが産まれてくるまでの流れを勉強していました。
しかし、
【陣痛はどのくらいの間隔でくる】
【お産は長い時間がかかるもの】
と、事前にいくら知識を入れていても、実際なってみると、どの程度で病院に行っていいのか判断がつきませんでした。特に夫は自分で痛みを感じることができないので、どれぐらい大変なことが起きているのかわからず、パニックになっていたと思います。
私は痛みからの恐怖で、早く入院したいと焦る気持ちも湧いていました。しかし、早く行きすぎてもお産が進まず結局家に帰ることになったという話もよく聞きます……。同じように不安になられる方もたくさんいるかと思いますが、痛みで焦って自己判断せずに、まずは病院に相談して指示を仰いでくださいね。
~我が家の入院準備から出産までの流れ~
<前日>
昼ごろ 体調が優れない感じ。だんだん痛みを感じるように。
18:00 テレビを観ても笑えないぐらいに痛くなる。
21:00 歩くのが辛いぐらい痛くなる。陣痛は最初から5分間隔。
23:30 病院に電話し、入院の許可をもらう。この時点でも5分間隔。
0:00 陣痛タクシーで病院到着。子宮口3cm
入院して様子見。痛みで眠れず夜を明かす。
9:00 病院内を歩いたり、スクワットをしたりして過ごす。
12:00 まだ子宮口3〜4cm(絶望的)。
14:30 いつの間にか破水していることに気付く。それでも子宮口4cm
微弱陣痛と診断され、促進剤を使用することに。
15:00 促進剤の点滴開始。
17:00 薬が効いて痛みが強く・間隔が短くなる。叫ぶほど痛い。
20:00 子宮口9cm。分娩準備へ。
20:10 分娩スタート。いきみはじめる。
20:40 30分で無事出産。
【入院から出産まで】出産に思わず、歓喜と安堵で涙が……私たちの「立ち合い出産」
夫と一緒に、意気揚々と入院した私たち。結果、ここから20時間40分後に自然分娩で出産します。
病院についてすぐ、LDR室で助産師さんに子宮口を測ってもらうと、なんと3cm! 1週間前に受けた健診時から変わっておらず……。一般的に子宮口は10cmで全開、分娩となります。つまり、全然まだお産が進んでいなかったのです(こんなに痛いのに……!?)。
そのまま病院で眠れぬ夜を明かしました。痛みがくる瞬間はお腹を抑えて「ぐぬぬぬぬ……」と耐えるような感じです。叫びたいほど痛いというわけではありませんでしたが、きっかり5分おきに30秒ほどの痛みは眠ることを妨害し、じわじわと体力を奪われている感じがしました。
昼を過ぎても一向に子宮口は開かず。痛みで精神と体力が削れていき、すっかり笑顔が消えて人格が変わり始めていました……(笑)。
助産師さんが退室する間は夫に腰を押してもらいました。一生懸命押してくれる夫でしたが、助産師さんのゴットハンドには敵わず、「ちがう!」「ちがう!」「あ〜もういい!!」と強めに言ってしまったりも……。夫よ、あの時はごめんなさい。余裕がなかったの……。
と、ここで、いつの間にか破水していることがわかり、微弱陣痛と診断され、促進剤を使用することに。15時頃に促進剤の点滴が開始され、2時間後にはさっきの痛みとは比べものにならない大きな陣痛がやってきました。この頃の痛みを例えると、お腹をナイフで刺されている感覚(刺された経験はありませんが)。しかも2分おきに。「命の危機を感じる痛みって、こういうこと……!?」と、妊娠したことを後悔しながら、病院のフロアに響き渡るぐらい「ギャーッ!」と叫んでいました(今となっては笑い話です)。
夫よ、ありがとう。当時の冷たい態度は痛みのせいです。今となってはその優しさを時間差で受け取っています。
20時頃、痛みで意識が朦朧とするなか、子宮口はほぼ全開になり、分娩体制になってからは30分というスピード出産でした。20時間の陣痛が、あっけないほどに……。
産まれてきた赤ちゃんが産声をあげた瞬間は、
「無事産まれてきた、良かった!」
「やっと陣痛が終わった…やった〜……」
という、歓喜と安堵で涙が出てきました。
私たちは立ち会い出産を選びましたが、正直夫ができることは限られていました。それでも、私は立ち会い出産を選んで良かったです。
一番助かったのは、陣痛中、飲み物を口に運んでくれること。ペットボトルなどにストローを指して定期的に口に運んでくれていました。他にも、病院や陣痛タクシーへ電話をかけてくれる、雑談で和ませてくれる、マッサージをしてくれる、音楽をかけてくれる……できることを考えて、ちゃんとやってくれる、その姿勢が嬉しかったです。
そして夫は陣痛中、親族への連絡以外はスマホを触らず、真剣に出産に向き合ってくれました。
夫も、私が20時間以上頑張っている姿を間近で見るのと見ないのとでは出産のリアリティが全然違うと言います。“出産は命がけ”というのは本当だったのだと、体験を通して知ったようです。
夫が赤ちゃんを初めて抱いたとき、涙ぐみながら「頑張ってくれてありがとう」と言ってくれた言葉が忘れられません。私と夫、そして生まれてきた娘と3人で乗り越えた出産だったと、そんな想いが家族の絆を深めてくれていると思っています。
この記事を書くのにあたって、夫にその時のエピソードを聞いてみたところ、こんなことを言っていました。
言われてみればなるほど! 夫も長い陣痛に付き合ってくれました。 私も大変でしたが、夫も硬いソファーで仮眠し、気を遣って疲労していたよう。もっと長い時間がかかる場合もあると考えれば、同行する人がリフレッシュできたり、少ない時間で体力を回復できるような準備があってもいいかもしれません。
以上が我が家の出産エピソードです。
立ち会い出産を希望される方もいれば、されない方も、両方いると思います。今は世間の事情的にも立ち会いができない病院があると思います。でも私としては、家族の絆を深められるきっかけになるかもしれない、立ち会い出産はできるならばオススメしたいところ。この記事がこれから出産を控えている方の、何か参考になると嬉しいです!
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