デジカメとスマートフォンの普及によって、「創作する」ことを趣味にするのも、それを発表するのも格段に手軽になりました。発表の場は数多くあり ますが、選択肢のひとつとして、自分のポートフォリオを作るかたわら作品を販売できるストックフォトサイト「iStock by Getty Images」(以下、iStock)があります。

「iStock」の特徴は、審査を通過すればプロ・アマ問わず作品を登録可能で、国内のみならず世界各国で販売される可能性があるというところ。グローバルなサービスですが、2015年から日本での本格展開も発表され、これから参加者がどんどん増えていきそうな状況です。

この連載では、「iStock」に参加している人々にインタビューし、iStockへ写真やイラストを提供する理由やその楽しさ、醍醐味について教えていただきます。第5回は、日本にいながら海外で活躍するイラストレータのToru-Sanogawaさん。その日々の創作衝動を聞いてみました。

コントリビューター名: Toru-Sanogawa
iStock内ポートフォリオはこちら
居住地: 神奈川県
フリーランス歴: 19年
愛用しているツール: Mac、Adobe Illustrator
Webサイト

――現在のご職業や生活スタイルを教えてください。

フリーランスのイラストレータですが、現在は国内の仕事はやっていなくて海外100%です。打ち合わせから納品までネット上で完結してしまいます。そのためほとんど一日中パソコンの前に座っています。海外の仕事をするようになったのは、iStock経由で世界中から問い合わせがくるようになったのがきっかけです。

Toru-Sanogawaさんの作品

――どれくらいの期間、iStockにイラストを提供していますか? また、提供をはじめたきっかけについても教えてください。

8年ほど前に偶然インターネットの記事でiStockの存在を知り、ここに掲載されれば海外進出できると思ったのですぐに投稿を始めました。当時はマイクロストック業界が成熟しておらず、iStock1社が独走状態にあり注目度が高かったのです。あと、iStockはコミュニティーサイトからスタートしているので、当時は評価機能(いいね)やコメント機能が付いており、SNSとしての色彩が色濃く残っていたので、海外アーティストと交流をもてることも魅力でした。

――iStockへのイラスト提供のために、どのくらいの時間をかけていますか? また、撮影と選別、加工などの工程のうち、一番力を入れているのはどの部分ですか?

現在は気が向いた時しか作品をアップしていないのですが、1枚仕上げるのに4~5時間くらいだと思います。一番力を入れているのはキャラクターの顔とポーズです。

Toru-Sanogawaさんの作品

――ご自身のポートフォリオの作品傾向や、テーマとしている被写体などを教えてください。

動物のキャラクターイラストがメインです。ストック以外の仕事ではキャラクターグッズやアプリの仕事が多いのでその方面で使えそうな絵を描いています。ここ数年はストックで売ることを意識した絵はほとんど描いていないのですよ。iStockを自分の作品をストックする置き場として考えて、個人的に自分の仕事に使えそうなものだけを描いてアップしています。ストックサイトはお金を稼ぐだけでなく、自分の作品の置き場として利用することも可能なのです。

――これまで提供してきたイラストの中で最も反響が大きかった(売上あるいはアクセス数が多い)ものは何でしたか?

反響という面では筆で描いた一連の作品群です。それとは別に売上の面だけを見るとやはりストックで売ることを意識して描いたもののほうがよく売れます。しかし、ストックを意識し過ぎると、いわゆるストッキーと言われるような無個性なものになりがちです。自分のポートフォリオの中にストッキーなものが増えると作家性が失われていきます。自分としてはポートフォリオの中からストッキーなものを削除してしまいたいと今現在は思っていますが、そういうものに限って売れているので削除する決心がつかないまま放置している軟弱な自分がいます。

Toru-Sanogawaさんの作品

――iStockにイラストを提供していて、一番楽しいこと/嬉しいことは何ですか。

世界中の人が見てくれるので、自分が国際派スターになったかのような快感に酔いしれることができます。

――最後に、これからiStockにチャレンジしようとしている人たちへ一言お願いします。

自分が始めた頃は「iStockで家が建つ」と言われたくらいよく売れて、ストックで生活できる時代でしたが、業界が成熟した現在ではそこまで景気の良い話はありません。それでも売上を上げることに向かって戦略的な努力をすれば、それなりに結果がついてくる世界です。ひたすら売上を上げることに向かうこともひとつの道ですが、それとは別に自分の作品作りを楽しみ、個性的なポートフォリオを作りそれを世界に発信することで喜びを得るというのもひとつの道だと思います。私自身の考えとしては、血眼になって売上を追うよりも、個性的なポートフォリオを作っていくという方向性のほうが後々の楽しみが大きいような気がしています。

自分なりの作品を発信し続けることも大事だというtoru-sanogawaさん。創作活動へ対するその言葉には、自然な強さを感じました。

次回も、iStockに取り組む人へその「醍醐味」を聞いていきます。

(マイナビニュース広告企画 : 提供 ゲッティイメージズ ジャパン)

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