デジカメとスマートフォンの普及によって、「写真を撮る」ことを趣味にするのも、それを発表するのも格段に手軽になりました。発表の場は数多くあり ますが、選択肢のひとつとして、自分のポートフォリオを作るかたわら作品を販売できるストックフォトサイト「iStock by Getty Images」(以下、iStock)があります。
「iStock」の特徴は、審査を通過すればプロ・アマ問わず作品を登録可能で、国内のみならず世界各国で販売される可能性があるというところ。グローバルなサービスですが、2015年から日本での本格展開も発表され、これから参加者がどんどん増えていきそうな状況です。
この連載では、日本での本格展開にさきがけて「iStock」に参加している人々にインタビューし、iStockへ写真を提供する理由やその楽しさ、醍醐味について教えていただきます。第3回は、静岡の山奥で木を切り倒しながら作品を手掛けるxjrshimadaさん。何気ないひとときに突然の創作衝動が…。
コントリビューター名: xjrshimada iStock内ポートフォリオはこちら 居住地: 静岡県 カメラ歴: 8年 愛用しているカメラ: Nikon Df ※この写真はxjrshimadaさんがiStock上でアイコンとしてつかっているものです |
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――現在のご職業や生活スタイルを教えてください。
企業のWebデザイナーを経て、現在はデジタル関連のいろんな分野でフリーランス業を営んでいます。ネットさえ繋がっていれば基本的な仕事が可能なので、昨年東京から離れ、今は静岡の山奥に住んでいます。
最近は、木を切り倒したり、写真を撮ったり、キーボードを叩いたり、家の修繕をしたりしています。自分でも何屋さんなのかもうよくわかりません(笑)
――どれくらいの期間、iStockに写真を提供していますか?また、写真提供をはじめたきっかけについても教えてください。
期間は長くて、たぶん5年以上前から参加しているんですけれど、途中ほとんど写真をアップしない時期があったので、登録している枚数は少ないです。ですが、先日の iStockalypse(※)に参加させていただいたことを機に、ぼちぼちと再開しています。
※1 iStockalypse: 写真業界のエキスパートから世界標準のフォトスキルを学ぶフォトグラファーのためのイベント。ベルリン、ロサンゼルス、ミラノなど世界各地で開催されており、2015年5月には東京でも開催された
――iStockへの写真提供のために、どのくらいの時間をかけていますか?また、撮影と選別、加工などの工程のうち、一番力を入れているのはどの部分ですか?
作業が始まれば時間はそれほどかかりませんが、取りかかるまでが長いです。ノリというか、モチベーション待ちなので、制作時間は不明です。そんなものに頼ってはいけないんですけどね。
最近はテーブルの上で完結する大きさの物しか撮っていません。自分の目を通して見た世界を頭の中でコンバート変換してごにょごにょ制作して、その世界を切り取ってニヤニヤしてます。紙や木材、レジンキャストなどでいろいろ作っています。その上で力を入れている部分は「ユニークさ」の一点です。まだまだ修行中ですが。
――ご自身のポートフォリオの作品傾向や、テーマとしている被写体などを教えてください。
目から入った情報をもとに突発的に作りたくなるので、傾向は無いような気がします。雑誌やテレビ、ネットを見ている時、ガーン!と。「この世界観作りたい!」ってなります。なので一貫性がほとんどありません。人物を撮る場合は、兎にも角にも笑顔を意識しますね。
――これまで提供してきた写真の中で最も反響が大きかった(売上あるいはアクセス数が多い)ものは何でしたか?
ネザーランドドワーフ(※2)の赤ちゃんの写真です。たまたま家で預かっていた時期があったので、その際にフォトキューブでささっと手軽に撮りました。世界観とか皆無ですけど人気ですね(苦笑)
※2 ネザーランドドワーフ:オランダが起源の小型うさぎ
――iStockに写真を提供していて、一番楽しいこと/嬉しいことは何ですか。
人間関係の苦労がない。良い物は売れる。これにつきます。言い訳・口八丁・営業力、が一切介入できない世界なので、白黒はっきりしていて面白いです。
――最後に、これからiStockへの写真提供にチャレンジしようとしている人たちへ一言お願いします。
“今、目に入っている景色、物、人物、の写真を欲している人が世界のどこかにいるー。”という意識を普段から持っていると、シャッターを切る際の目線に、必然的にひと工夫が生まれてきます。
“写真を撮る・売る”というシンプルなシステムですが、経過として、結果として、試行錯誤を繰り返すうちに日々を楽しく過ごすための感受性がワンランク上がります。いやホントに。個人的にはこれがとても大きな利点だと思います。
被写体まで自作してしまうという徹底ぶりのxjrshimadaさん。「今、目に入っている景色、物、人物の写真を欲している人が世界のどこかにいる」というメッセージは、カメラを持つものにとって心強いヒトコト。あたまの中の世界観をできるだけ、たくさん表現できれば、確かにそれはとても楽しい世界になりそうです。
次回も、iStockに取り組む人へその「醍醐味」を聞いていきます。
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