デジカメとスマートフォンの普及によって、「写真を撮る」ことを趣味にするのも、それを発表するのも格段に手軽になりました。発表の場は数多くありますが、選択肢のひとつとして、自分のポートフォリオを作るかたわら作品を販売できるストックフォトサイト「iStock by Getty Images」(以下、iStock)があります。
「iStock」の特徴は、審査を通過すればプロ・アマ問わず作品を登録可能で、国内のみならず世界各国で販売される可能性があるというところ。グローバルなサービスですが、2015年から日本での本格展開も発表され、これから参加者がどんどん増えていきそうな状況です。
この連載では、日本での本格展開にさきがけて「iStock」に参加している人々にインタビューし、iStockへ写真を提供する理由やその楽しさ、醍醐味について教えていただきます。第1回は、沖縄へ移住して、陶芸のかたわらiStockへも取り組んでいるOkinawaPottery(オキナワポタリ)さんにお話を伺いました。
コントリビューター名: OkinawaPottery
iStock内ポートフォリオはこちら
居住地: 沖縄県
年齢: 43歳
カメラ歴: 18年
愛用しているカメラ: F100、D700
この写真は、オキナワポタリさんがiStock上でアイコンとしても使っているもので、奥様が同氏の器を持っているところを撮影したそうです。
――現在のご職業や生活スタイルを教えてください。
15年前に沖縄に移住してから、陶芸家の助手になり、10年前に本島北部の瀬底島で陶芸家として独立開業いたしました。
4年ほど前、Flickrにて写真を公開するようになり、それをきっかけにゲッティ イメージズから招待メールをいただいて、ストックフォトを再開しました。現在は、陶芸を中心に仕事をしていますが、写真は子供や友人、知人のポートレートを中心に撮影しています。
――どれくらいの期間、iStockに写真を提供していますか?また、写真提供をはじめたきっかけについても教えてください。
iStockに参加したのは、今年5月に行われたイベント「iStockalypse(アイストッカリプス)」がきっかけです。iStockに関わる日本のアートディレクターやロンドンのディレクターの方がいらっしゃるというので、詳しくお話を伺おうと思い参加しました。
※注:iStockalypseは、iStockが主催する、ストックフォトに取り組む写真家たちのためのイベント。近年は1年に1度のペースで行われている。2015年は東京で開催。実践ワークショップやセミナー、交流会などが行われた。
実際のところ、そこでiStockを詳しく知ったわけですが、セミナーを受けて知った「現在求められている写真」が私の撮っている内容と一致していたので、iStockに写真を提供していくことを決めました。
――iStockへの写真提供のために、どのくらいの時間をかけていますか?また、撮影と選別、加工などの工程のうち、一番力を入れているのはどの部分ですか?
現在はスタートしたばかりですので、かなりの時間をかけています。陶芸がおろそかになってしまうほどです(笑) 具体的には、1日5~10時間ほどです。
一番力を入れていることは、今までのストックフォトと違うイメージ、カラーを作ることです。具体的な説明は難しいですが、iStockalypseのプレゼンでアートディレクターの方がおっしゃった「ありのまま」ということを念頭に、ナチュラルな写真を撮ろうと思っています。
――ご自身のポートフォリオの作品傾向や、テーマとしている被写体などを教えてください。
ポートレート中心です。以前から人物を撮っていたわけではありませんが、最近偶然にも人を撮る機会が多いです。撮るときは特にテーマを意識しませんが、ストックフォトのための写真というよりは記念写真、その人が喜ぶような写真、そして私自身撮っていて楽しめる写真になっていると思います。今、私にとって写真は趣味なので(笑)
――これまで提供してきた写真の中で最も反響が大きかったものは何でしたか?
まだ、登録したてなので…(笑) アクセスが増えることを期待します。
――iStockに写真を提供していて、一番楽しいこと/嬉しいことは何ですか。
写真を撮る目的があることです。もちろん、収入があれば機材も買えますし。
――最後に、これからiStockへの写真提供にチャレンジしようとしている人たちへ一言お願いします。
難しいことを言える立場ではありませんが、楽しむことが一番だと考えています。
オキナワポタリさんの作品は、被写体となった方の個性や生活が垣間見えるような、自然体の表情と雰囲気が非常に印象的です。沖縄というロケーションの開放感もさることながら、ストックフォト"らしさ"にとらわれないポートレートには魅力を感じます。
オキナワポタリさんは「趣味」とコメントされていましたが、ストックフォトの目的は千差万別で、決まり切った様式にとらわれすぎる必要はありません。自由な表情を浮かべた人物写真へのニーズが見えてくるといいですね。
次回も、iStockに取り組む人へその「醍醐味」を聞いていきます。
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