知ってるようで知らない、パソコンのスペック表の読み方。スペック表に書かれたPCパーツの意味と役割を知れば、PC選びがより楽しくお買い得になります。今回は、第二回「グラフィックスってなに?」で触れた「グラフィックス」の応用編です。グラフィックスの違いで実際にどのような変化が起こるのか、マウスコンピューターのノートPC、3機種を使って学んでいきましょう。
今回検証に使用する3機種の製品スペック | ||||||
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NEXTGEAR-NOTE i5730SA1(199,800円) | NEXTGEAR-NOTE i5320GA1(129,800円) | m-Book F575SN1-S2 (89,000円) |
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グラフィックス機能 | 外付け型 | 外付け型 | 内蔵型 | |||
グラフィック・アクセラレーター | GeForce GTX 1070 Intel HD グラフィックス 630 |
GeForce GTX 1050 Intel HD グラフィックス 630 |
Intel HD グラフィックス 620 | |||
ビデオメモリ | 8GB | 2GB | - | |||
CPU | Intel Core i7-7700HQ | Intel Core i7-7700HQ | Intel Core i7-7500U | |||
メモリ | 16GB | 16GB | 8GB | |||
ストレージ | 256GB M.2 SSD 1TB HDD |
256GB M.2 SSD 1TB HDD |
240GB SSD |
「外付け型」と「内蔵型」の性能差は?
前回の応用編・その1の記事において、同じ「外付け型」でもグラフィックスの違いで性能差も変わってくることを紹介しました。そこで今回は「外付け型」と「内蔵型」のグラフィックスでは、どれくらいの差があるのか見ていきたいと思います。
これを確認するために、15.6型ノートPC「m-Book F」シリーズの「m-Book F575SN1-S2」を使い、前出の2機種と同様の方法でパフォーマンスを比べていくことにします。
m-Book F575SN1-S2 | |
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グラフィックス | Intel HD グラフィックス 620 |
CPU | Intel Core i7-7500U プロセッサー |
メモリ | 8GB |
ストレージ | 240GB SSD |
「m-Book F575SN1-S2」は、Intel Core i7-7500U プロセッサー、8GBメモリ、240GBのSSDを搭載したスタンダードノートPCで、グラフィックスにはCPU内蔵型の「Intel HD グラフィックス 620」を採用しています。ちなみに、Intel HD グラフィックス 620は最新のKaby Lake世代のCPUに搭載されているものの中で、真ん中の性能です。
まず「WinSAT.exe」の実行結果を「Windowsエクスペリエンス インデックス」の形式で見てみます。
グラフィックス項目 | |
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m-Book F575SN1-S2 | 5.1 |
NEXTGEAR-NOTE i5730SA1 | 7.6 |
NEXTGEAR-NOTE i5320GA1 | 5.9 |
「m-Book F575SN1-S2」のグラフィックスの項目は5.1となりました。
GeForce GTX 1070(8GB)を搭載した「NEXTGEAR-NOTE i5730SA1」の7.6、GeForce GTX 1050(2GB)を搭載した「NEXTGEAR-NOTE i5320GA1」の5.9と比べて、やはり低い数値となっています。ただし、この5.1という結果も、一般的な事務処理や軽度な画像処理を行うにあたっては、まったく困らないレベルです。
「m-Book F575SN1-S2」 |
内蔵型グラフィックス(Intel HD グラフィックス 620)を搭載した「m-Book F575SN1-S2」のWindowsエクスペリエンス インデックス |
内蔵型と外付け型では3Dグラフィックス性能で大きな開きが!
続いてベンチマークソフト「3DMark」の「Fire Strike」で、3Dグラフィックス関連の性能を比較してみましょう。
そもそも内蔵型グラフィックスで「Fire Strike」を実行するのは正直厳しいのですが、その総合評価は735。「NEXTGEAR-NOTE i5730SA1」の13164、「NEXTGEAR-NOTE i5320GA1」の5638と比べて大きな差が開いています。
詳細を見てみると、CPUの処理性能に依存する「Physics test」が若干低いのもありますが、やはり一番大きく影響しているのはGraphic Test 1の3.83fpsおよび、Graphic Test 2の3.07fpsです。外付け型とは10~20倍以上ものスコア差が出ていることからも、3D描写には外付け型グラフィックスが必須といえるのがわかるでしょう。
内蔵型グラフィックス(Intel HD グラフィックス 620)を搭載した「m-Book F575SN1-S2」で「3DMark」の「Fire Strike」を実行した結果 |
実際に内蔵グラフィックスでゲームをプレイ
さらに、搭載グラフィックスの違うグラフィックス内蔵型の「m-Book F575SN1-S2」とGeForce GTX 1070(ビデオメモリ:8GB)搭載の「NEXTGEAR-NOTE i5730SA1」、GeForce GTX 1050(ビデオメモリ:2GB)搭載の「NEXTGEAR-NOTE i5320GA1」の3機種を使って実際にゲームをプレイしてみました。
使用したタイトルは比較的ライトなオンライン海戦ストラテジー『World of Warships(WoWS)』で、「Fraps」を使い実際にプレイ中のfpsを測定する方式です。
測定はすべて「全画面」モードに統一し、
(1)解像度「1,920×1,080」+グラフィック品質「高」
(2)解像度「1,920×1,080」+グラフィック品質「低」
(3)解像度「1,280×720」+グラフィック品質「低」
上記の3種類で、まずは内蔵型「m-Book F575SN1-S2」の動きと数値を比較したところ、下記グラフのようになりました。
まず、(1)は画質こそ良いものの、全体的にカクツキが多くプレイに支障が出るレベル。(2)では画質が落ちる代わりに、比較的スムーズなプレイが可能でした。
そして、(3)は解像度を落としたため精細さに欠けますが、プレイ自体に問題がないレベルといえるでしょう。
次に、外付け型の「NEXTGEAR-NOTE i5730SA1」と「NEXTGEAR-NOTE i5320GA1」で検証してみました。
数値を見ても分かる通り、内蔵型と比べかなりの違いがでました。やはりゲームをするなら「NEXTGEAR-NOTE i5730SA1」や「NEXTGEAR-NOTE i5320GA1」などの外付け型がよさそうです。購入時の参考にしてみてください。
自分の主目的に合わせてグラフィックスを選ぼう!
このように、グラフィックスは内蔵型と外付け型、そして同じ外付け型でもグラフィックス・アクセラレーターの種類やビデオメモリ容量によって、実際の処理性能に大きな差が見られます。
そこでグラフィックスの観点からPCを選ぶ場合、自分が"どのようなことをしたいか"を基準にするといいでしょう。
例えば、一般的な事務作業がメインでかつ、画質は気にせずライトなゲームタイトルであれば、グラフィックス内蔵型の「m-Book F575SN1-S2」でプレイすることが可能。また、価格を抑えつつ、比較的ライトなゲームタイトルや軽めの映像編集を楽しみたいのであれば、GeForce GTX 1050(2GB)を搭載した「NEXTGEAR-NOTE i5320GA1」。3Dゲームや本格的な映像編集を中心とするなら、GeForce GTX 1070(8GB)搭載の「NEXTGEAR-NOTE i5730SA1」、といった具合です。そのため、最近人気の高画質なゲームを堪能するには外付けグラフィックス搭載のG-Tuneのモデルをおすすめします。
グラフィックス機能は、映像関連のコンテンツを扱ううえで非常に重要なポイントとなります。ぜひPC選びの参考にして、自分に合ったPC選んでみてください。
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