知ってるようで知らない、パソコンのスペック表の読み方。スペック表に書かれたPCパーツの意味と役割を知れば、PC選びがより楽しくお買い得になります。そんなPCパーツの基礎知識を、マウスコンピューターのデスクトップPC「NEXTGEAR i660PA1-Dustel」を見ながら学んでいきましょう。第二回のテーマは「グラフィックス」です。

「NEXTGEAR i660」シリーズのデスクトップゲーミングPC「NEXTGEAR i660PA1-Dustel」

「内蔵型」と「外付け型」に分けられるグラフィックス機能

PCを起動すると、ディスプレイ上にはメーカーロゴなどに続いてOSのデスクトップ画面が表示されます。「電源を入れたんだから当たり前じゃないか」と感じる方もいると思いますが、この"画面が表示される"のはPCに備わっているグラフィックス機能のおかげ。つまり、いくら高性能なCPUを搭載していても、グラフィックス機能がなければPCとしての役割が果たせなくなってしまうほど重要なのです。このグラフィックス機能は「GPU(Graphics Processing Unit)」とも呼ばれています。(※「CPU」について詳しく知りたい方は「第一回 CPUってなに?」をチェック)

そもそも、初めのころのグラフィックス機能は、OSのデスクトップ画面のような2次元(平面)の作業画面を表示するだけでしたが、DVDやブルーレイなどの動画表示やゲームやコンピューターグラフィックスに代表されるような3次元グラフィックス表示、さらには最近話題のVRで使われる立体視に対応するリアルタイム3次元グラフィックス表示など、時代とともに必要とされる用途に合わせて、高速・多機能化してきました。

そういった背景からも、グラフィックス機能の性能によって、PCができることが大きく変わるので、使用用途に合わせたグラフィックス機能を選択することはPC選びにおいて重要となっています。

PCのグラフィックス機能は、大きく「内蔵型」「外付け型」の2種類に分けられます。まず内蔵型は、PCを構成する基盤となる「マザーボード」や、演算処理と制御を司る「CPU」のパーツ内部に組み込まれたものです。インテル製のCPUに採用されている内蔵型GPUブランド「インテル HD グラフィックス(Intel HD Graphics)」などは有名ですね。マザーボード内蔵の場合は「オンボード」、CPU内蔵の場合は「オンチップ」と呼ばれたりもします。コンシューマ向けの場合、最近の内蔵型グラフィックスはほぼCPUに内蔵されています。

一方の外付け型は、グラフィックス機能を単体でパーツ化したものです。世代や価格によって性能は異なりますが、一般的に内蔵型と比べて高度なグラフィックス性能を提供してくれます。ただし、筐体内の設置スペースおよび相応の電源容量、そして発熱対策が必要となるため、一般的にはモバイルノートPCやスリムデスクトップPCなどコンパクトな筺体には搭載が難しく、モバイルノートPCを除くミドルクラス以上のモデルに搭載されることが多いといえるでしょう。また、最近の美麗なグラフィックスを使ったゲームの快適な動作や、VR視聴を楽しみたい場合は、外付け型のグラフィックスが候補として挙げられます。こちらは「ディスクリートGPU」や「グラフィックボード」、「ビデオカード」、「グラフィック・アクセラレーター」、「VGA」といった呼び方をされています。

実際の販売ページを見てみよう!

それでは、実際にマウスコンピューターの販売ページに書かれている、グラフィックスに関する単語を見ていきましょう。

グラフィックスの欄には、「グラフィック・アクセラレーター:GeForce GTX 1080」「ビデオメモリ:8GB」、そして「解像度・発色数」が記載されています。それぞれ、どのような意味を持っているのでしょうか。

「GeForce GTX 1080」を搭載した「NEXTGEAR i660PA1-Dustel」のスペック表
※クリックすると実際の製品ページに移動します

まずはグラフィック・アクセラレーターをチェック!

  • グラフィック・アクセラレーター

グラフィック・アクセラレーターの項目には、どのGPUを使用しているのかが書かれています。「NEXTGEAR i660PA1-Dustel」の場合、NVIDIA製の「GeForce GTX 1080」を採用したグラフィックボードが搭載されているというわけです。このGeForceブランドでは、型番から性能を知ることができます。

「NEXTGEAR i660PA1-Dustel」には、高性能なグラフィックボード「GeForce GTX 1080」が搭載されている

こちらは「GeForce GTX 1080」を取り外した状態

ちなみに、映像出力としてDisplayPort×3、DVI-D×1を備えている

ブランド名の次にある「GTX」は同世代の製品群内におけるクラスで、グラフィックス性能によって「GTX>GTS>GT>>G>無印」のように分けられていますが、最近では「GTS」や「G」は使われていません。後ろの数字は最初の2桁が世代、残り2桁が性能の目安を表しており、同クラス・同世代ならば数字が大きいほど高性能になるわけです。これにしたがって「GeForce GTX 1080」という製品名を見ると、最新世代である「GeForce 10」シリーズのハイエンドクラス「GTX」に位置し、その中でもかなり高い性能を備えていることが分かります。これなら高速な処理性能が要求されるゲームやVR視聴でも高いパフォーマンスを発揮します。また、製品名の末尾に「Ti」がつくモデルもあります。これはより高いパフォーマンスを備えていることを表しています。

ちなみに、「NEXTGEAR i660PA1-Dustel」のスペック表には記載されていませんが、CPU「インテル Core i7-7700K プロセッサー」には内蔵GPUコア「Intel HD Graphics 630」が含まれています。

ビデオメモリは映像処理に特化したメモリ領域

  • ビデオメモリ

ビデオメモリは、VRAM(Video RAM)やグラフィックスメモリなどとも呼ばれており、ディスプレイへの映像表示に必要なデータを一時的に保存しておくためのメモリ領域を意味します。演算処理を行う上でHDDやSSDなどストレージ装置からのデータを保持するメインメモリに対して、ビデオメモリは映像処理に特化したものです。映像処理のスムーズさは、グラフィック・アクセラレーターの性能に依存する部分が大きいのですが、最近のゲームタイトルでは、より高精細の画像をリアルタイムで処理することが求められており、扱うデータ量が増えています。ビデオメモリの容量が多くなれば、一度に保持できる映像関連のデータ量が増え、結果として美しく滑らかな映像表現が可能となります。

解像度と発色数の関係性とは?

  • 解像度

解像度は、表示される映像の精細さを示す数値です。ディスプレイは一般的に、極小の画素を縦横に並べて配置し、これらの発光を制御することで映像として表示しています。これを横×縦の形で表したものが解像度で、数値が大きいほど高精細な映像表現が可能です。この解像度はディスプレイ側だけでなく、いかに高精細な映像データを出力できるかという、グラフィック・アクセラレーター側の指標でもあります。たとえば、ディスプレイの性能限界を超える解像度で表示することはできませんが、逆に高解像度対応の高いディスプレイでもグラフィックス機能から出力される映像の解像度が低ければ、表示される映像自体は低解像度になってしまうのです。

これをもとに「NEXTGEAR i660PA1-Dustel」のスペック表を確認すると、いま話題の4K解像度(3,840×2,160)まで対応しており、高精細な映像表現を行えることが分かります。

  • 発色数

発色数については、その名の通り表示できる色の数を意味します。この発色数は、ビデオメモリという枠の中において、解像度と反比例の関係にありますが、コンシューマ向けという点から見ればビデオメモリ容量の増加に伴い、ほとんど気にすることはありません。

「NEXTGEAR i660PA1-Dustel」のスペック表にある1,677万色という数値は「フルカラー」と呼ばれ、一般的なPCにおいては最大数となります。人間が認識できるのは1000万色程度までといわれていることからも、その美しさはお分かりいただけるでしょう。


このようにグラフィックスは、PCの映像出力を司る重要な機能のひとつです。特に近年の3Dゲームタイトルなどは美しさに磨きがかかっている反面、よりハイレベルなグラフィックス機能やビデオメモリが要求されます。さらに、VR視聴では両目で異なった映像をリアルタイムで高速に表示することが必要になるため、さらに高い性能が必要になります。プレイしたいゲームタイトルがある場合、推奨スペックのグラフィックス項目をぜひチェックしてみてください。

マウスコンピューター/G-Tune

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