NEXCO東日本の「高速道路事業を通したSDGs/CSRへの取り組み」についてクローズアップしている本企画。連載のラスト第3回に登場いただくのは、横浜環状南線の岩瀬笠間工事区で公田笠間トンネル工事を担当している大内智貴さんです。

大規模な公田笠間トンネル工事の監督という責任ある立場を担当するにあたりどのようなことを心がけているのか。地域住民の方々から理解を得るための努力や、仕事のやりがいについて伺いました。


-NEXCO東日本横浜工事事務所-

横浜環状南線(一般国道468号/釜利谷JCT~戸塚IC〈仮称〉)、横浜湘南道路(栄IC/JCT〈仮称〉~藤沢IC)の新設工事を行っている。


-プロフィール-

大内 智貴さん
2017年、NEXCO東日本入社。新潟管理事務所で工務職を経験後、室蘭管理事務所で舗装、橋梁、ワイヤロープ設置工事などの管理業務を担当。2022年7月より、横浜工事事務所岩瀬笠間工事区で横浜環状南線の公田笠間トンネル工事を担当している。

高速道路の工事現場とは?

高速道路の工事って、どんなことをしているの?

――まずは、大内さんが担当されている業務について教えてください。

横浜市金沢区釜利谷町から戸塚区汲沢町までを結ぶ高速道路、「横浜環状南線」を建設中です。この道路区間の公田笠間トンネル工事を担当しています。

――工事の最前線で働かれているんですね。

そうですね、横浜工事事務所に配属になった当初はトンネル工事の知識はほぼ持ち合わせていなかったので、過去の資料を参考に勉強を重ねました。そのうえで、今は私が所属する岩瀬笠間工事区の社員をはじめ、施工管理員や受注者の方々と一緒に工事を進めています。また、隣接している工事区と作業場が重なる場合もあるので、そちらとも連絡を取り合い、工事を円滑に行えるようにしています。

――安全に作業を行うためにも、連携やコミュニケーションは重要なのですね。

高速道路は、たくさんの人の力を結集させて作り上げるので、連絡や情報共有は欠かせません。岩瀬笠間工事区を担当する社員は、工事長を含め4名。そして、我々を様々な面でサポートする施工管理員は9名。さらに、受注者の皆さんと現場の作業員の方々もいらっしゃいます。

このなかで私は、施工管理員や受注者と打ち合わせを行ったり、道路建設にあたり土の状態を調べる際には学識のある専門家の先生方から意見をいただくため会議を開いたりするなど、様々な場面で調整役を担当しています。

また、工事をする場所の近くに埋設物の有無などの懸念材料がある場合は、水道局などの方とお話して安全を確認するなど現場の作業がスムーズに動くことを常に考えています。

――横浜工事事務所ならではの業務の特徴はありますか?

トンネルは山を掘削して作るのが主体ですが、公田笠間トンネルは、シールドマシンという直径15メートルのマシンで掘削することで建設を進めています。

シールドマシン

↑下に見えるのが、直径15メートルのシールドマシン

――巨大な機械で、直径15メートルの穴を掘っていくということですか?

そうです。とても壮大な工事です。完成するトンネルの長さは1,724メートルと大規模なので、ドローンによるレーザー測量やGNSSと呼ばれる衛星測位システムで測量を行うなど、最新技術も取り入れています。

公田笠間トンネルは、もともとは地上に作る予定で計画されていました。しかし、地域住民の方々のご意見や技術の進歩により、シールド工法を採用したという経緯があります。近隣にお住まいの皆様の住環境を守りながら、安全安心に建設を進めることが何よりも大切だと考えています。

建設現場

↑公田ICの建設現場。地域住民の生活に影響を与えないように、工事用道路を建設

地域住民との関係構築のため、現場見学会を開催

――NEXCO東日本のSDGs/CSR活動のコンセプトは「地域をつなぎ、地域とつながる」だと伺っています。高速道路建設にあたり、地域住民の方々の理解を得ながら工事を進めることもこのコンセプトに当てはまりますね。

建設工事を順調に進めるためには地域の皆さんのご理解が欠かせません。そのためにも、公田笠間トンネルの工事現場では定期的に現場見学会を実施しており、近隣にお住まいの方々に現状を見ていただき、ご質問も受けながら工事の進捗や規模感を把握してもらっています。

釜利谷庄戸トンネル

↑現場見学で見ることができる建設中の「釜利谷庄戸トンネル」

そのうえで、シールドマシンの通過時期を住民の方々へ事前にお知らせし、マシンの現在地や地表面の変位、騒音振動の計測値をホームページなどで公表しています。しかし、音や振動の感じ方は人によって様々です。そのため、監視員が現場に常駐し、騒音や振動の程度を確認をしながら作業を進めています。

――地域の皆さんの反応はいかがですか?

音や振動が気になるというご意見や工事に対する質問がありますが、その際は直接お話を伺いに行くなどの対応をさせていただいています。

防音ハウス内部の様子

↑沿線にお住まいの方へ配慮した防音ハウス内部の様子

――住民の方々に丁寧に接していらっしゃるのですね。

工事に理解をいただくため、課題にはひとつひとつ向き合っています。その成果として、開通を望む声が増えてきているのはとてもありがたいです。現場見学会のたびに「いつ完成するんですか?」「開通を楽しみにしています」という声をいただいています。

他にも地域住民の方々と交流するイベントを積極的に実施しています。たとえば2023年の11月には、地元の少年サッカーチームを招いて現場見学会とサッカー教室を行いました。前年に続き2回目の開催で、元サッカー日本代表の選手をコーチとしてお呼びして、防音ハウス内で実施しました。お子さんたちが大人になったときに「高速道路を造っているとき、この場所でサッカーをやったんだよな」と思い出していただけるような企画になっていたら嬉しいです。

子どもの頃からの夢「高速道路を造る」が実現!

――大内さんは入社7年目で、かなり大きな規模の工事を担当していますよね。業務のどのような点にやりがいを感じていますか?

トンネルの建築は日々進み、どんどん出来上がっていきます。その様子を見るたびに手応えがありますし、2023年6月に公田笠間トンネルの下り線が貫通したときは、やはり達成感がありました。工事事務所でしか味わえない、大きなやりがいだと思っています。

実は私、子どもの頃から高速道路が大好きだったんです。一般道と違い、信号なしでスムーズに走り続けられることや、速度を100キロ近くまで出せる点など、魅力に感じます。そういう爽快感が好きで、将来は高速道路を造る仕事に携わりたいという思いから工業高校に進み土木系のコースを専攻しました。

――そのうえでNEXCO東日本に入社なさったということは、子どもの頃の夢を叶えたということですね!

そう言っていいと思います(笑)。

――憧れの世界で仕事を始めてみて、これは予想外だったという業務の魅力はありましたか?

NEXCO東日本が運営管理している北は北海道から南は神奈川までのエリア内の様々な地域に転勤できることです。各地の特性を味わえますし、仕事は建設だけでなく、メンテナンスやマネジメント、予算管理など様々な業種に携わることができます。いろいろな経験を積めるのでとても勉強になります。

NEXCO東日本で見つける
あなただけのやりがい!

NEXCO東日本が実現する、これからのSDGs

――それでは最後に、横浜工事事務所が目指すSDGsへの貢献方法やCSRの実現方法。そして、大内さんご自身の目標を教えてください。

何よりも目指しているのは、横浜環状南線の早期開通です。開通すれば大都市圏の渋滞が緩和され、利用者の皆さんの移動時間が短縮します。また、災害時の救援物資配送は迅速になり、社会全体にも貢献できます。ですから、今後も無事故無災害で安全に施工しつつ、早期開通できるよう努めていきます。

私自身の目標は、高速道路の舗装整備を進めることです。たとえば、経年劣化によって道路上に現れるポットホールという穴の補修や損傷させない舗装を推進していくなど。お客さまに快適な高速道路を提供するための提案を、今まで以上に積極的に行っていきたいですね。一家族から社会まで、皆さんの生活を助けて幸せにするのが「道」だと考えています。このモットーに則って、これからも業務にあたっていきます。

* * *

全3回を通してご紹介してきたNEXCO東日本のSDGsとCSR。安全安心に高速道路を利用できるのは、社員の方々の熱い想いがあってのことだったのですね。「道」を通して私たちの生活を豊かにしてくれるNEXCO東日本の活躍に、今後も注目です!

NEXCO東日本のSDGsとCSRまとめ


・高速道路を新設し、「渋滞緩和」「配送迅速」で社会に貢献
・工事現場の見学会を開催。地域住民との交流を定期的に
・工事の進捗と今後の予定を、頻繁に公開
・住民の意見に耳を傾け、常に丁寧に対策を

地域住民と作る道
NEXCO東日本のSDGs/CSR

[PR]提供:東日本高速道路株式会社