コロナ禍以降のオンライン授業の増加やDX(デジタルトランスフォーメーション)教育の推進により、それに適したPC環境が求められるようになった。しかし、大学側だけで対応していくには限界がある。その問題を解決するために、昨今では、BYOD方式*を採用する大学が増えている。これにより、学生は自分の使い慣れたデバイスを使って、授業や課題に取り組めるというメリットもあるのだ。
*BYOD方式(Bring Your Own Device):学生が自分のデバイス(スマートフォン、タブレット、ノートパソコンなど)を持ち込んで学習に利用する方法。
その事例のひとつが、愛知県にある愛知東邦大学である。同大学では、2019年からBYOD方式を取り入れ、学生たちがより自由にデジタルツールに触れる機会を整えている。
また2021年からはユニットコム(パソコン工房)の「iiyamaキャンパスPC」を追加採用。そこにはどんな意図があったのか。今回は、同校の取り組みについて紹介しよう。
デジタルツールを当たり前に使える人材を世に出したい
愛知東邦大学は、愛知県にある星ヶ丘駅から徒歩約15分に拠点を構える。学部は経営学部、人間健康学部、教育学部に分かれているが、いずれの学科でもDX教育に注力しているのが特徴だ。この理由について、同学園 法人事務局 課長 情報戦略担当理事補佐を務める河村氏はこう話す。
「本学は在学生数が約1,400名と小規模な大学であるため、個を重視したオンリーワンのテーラーメイド教育を掲げています。一人ひとりの学生に向き合いながら、その教育の中にDXをどのように組み込むかを考えています。また、『デジタルツールを当たり前に使いこなし、デジタル技術に長けた人材を社会に送り出したい』という理念のもと、学内のネットワーク環境をいち早く整備し、スマートデバイスを配布するなど早い段階からDX教育に注力してきました」
DX教育の推進には、大学そのものの在り方の変化も関係しているという。
「大学の授業といえば、一昔前は『大教室で一斉に講義を受ける』のが一般的でした。しかし、コロナ禍を経て授業の形態も大きく変わりました。オンライン講義が普及し、課題やレポートの提出もオンラインで行われるケースが増えています。結果として、必ずしも学校に通わなくても授業が成立する環境が整いつつあります」
特に小規模な大学では、この流れをさらに活かす考え方が出てきていると指摘するのは山田氏だ。
「一方通行型の講義はオンラインに切り替えて効率化を図りつつ、対面授業は対面でしか実現できない内容に特化すべきではないか、という意見もあります。これにより、授業の質を高めるとともに、DXを活用した柔軟な学びの形を模索しています」
オンデマンド教育を実施しやすい環境づくりを目指して
DX化が進む中で、オンライン授業の増加に伴い課題となるのが、学生自身のDX環境だ。
「オンライン授業が増えると、教室に設置されたPCだけでは対応しきれない場面が出てきます。やはり、学生一人ひとりに自分専用のパソコンを持っていてほしいと思っていました。しかし、『選び方がわからない』『価格が高い』といった声があり、導入がなかなか進まない状況がありました」と、河村氏は振り返る。
この問題を解消するために、愛知東邦大学が2019年から採用したのがBYOD方式である。
「BYOD方式を導入したことで、オンデマンド教育の実施がより容易になりました。加えて、学生のPCに不具合が発生した場合でも、学校ではなくメーカー対応が可能となり、学校側の負担が軽減されるという利点もあります」
しかしながら、「製品に問題があるわけではないが、価格が高い」という意見も。この課題を解決するために、2021年からユニットコム(パソコン工房)の学生向け「iiyamaキャンパスPC」を追加採用した。現在では、この「iiyamaキャンパスPC」を含む3種類の推奨PCをラインナップし、学生は既存のPCを含め自由に選択できる体制を整えている。
スペックと価格のバランスの良さ・充実したサービスが魅力
すでに既存の推奨PCがあるなかで、ユニットコム(パソコン工房)の「iiyamaキャンパスPC」を採用した理由について、山田氏が明かしてくれた。
「これまでの推奨PCは20万円を超えるものもありましたが、『iiyamaキャンパスPC』は10万円台前半と価格が大幅に抑えられています。この価格帯にもかかわらず、スペックが非常に優れていて、コストパフォーマンスが高いと感じました」
このほかにも、4年間の保証がついている点や、国内生産という点も安心材料の一つとなっていたという。また、PC自体の魅力だけでなく、ユニットコム(パソコン工房)のサポート力も高く評価されている。
「ユニットコム(パソコン工房)さんには、入学者向けの購買ページや、入学案内書に同封する専用チラシの作成なども請け負っていただきました。単にPCを提供するだけでなく、購入に至るまでの動線づくりなども含めて多角的なサービスを網羅していただいています」と、赤塚氏は笑顔で語る。
ちなみに、学生からの反応についてはは「特にありません」と山田氏は笑った。
「でも、学生からの反応が特にないというのは、実は良い意味なんです。学生がPCについて何かを言ってくるのは『動かない』『不具合がある』といったトラブルが起きたとき。つまり、反応がないというのは、問題なく安定して稼働し、快適に使えている証拠です」
しかし、そもそもどういった経緯でユニットコム(パソコン工房)が参入することになったのだろうか。
「半導体不足の影響でPCの価格が高騰し悩んでいた時期に、ユニットコム(パソコン工房)さんから『iiyamaキャンパスPC』を提案いただきました。正直、当初はすでに推奨PCがあるので必要ないと思っていましたが、提示された内容を見ると、既存の推奨PCよりも価格が大幅に抑えられていました。それなら金額面で差別化が可能だと判断し、既存のPCと並行して採用することを決めたのです」と河村氏は当時を振り返った。
大手ベンダーとは異なる視点でDXハイスクール事業をサポート
BYOD以外にも同学園との結びつきを深めている。同学園の東邦高等学校が文科省の推進する高等学校DX加速化推進事業(DXハイスクール)の採択校となり、ユニットコム(パソコン工房)がパソコン教室のPCのアップグレードをサポートした。ユニットコム(パソコン工房)の対応について、どう感じているのだろうか。
「DXハイスクールの採択校になり、環境整備の一環で既存のパソコンへグラフィックデザインのソフトウェアが快適に扱えるようアップグレードを行うことになりました。そうした細かな相談にも柔軟に対応頂ける点が非常に助かっています。今回は『4~5年使用しているPCへ増設するためのパーツを100セット用意してほしい』という依頼でした。納期や作業期間が限られている状況の中で迅速に対応していただき、本当に助かりました。全国に店舗展開があるというネットワークの広さも、ユニットコム(パソコン工房)さんならではの強みだと感じています」と赤塚氏。
続けて、山田氏もこう評した。
「大手ベンダーさんとは異なる視点で話が進められる点も魅力です。例えば、限られた予算内や既存設備を活かした延長線上でのアップグレードなど、ニッチな要望にも具体的で的確なソリューションを提案していただけるので安心です」
テーラーメイド教育の強化などDX時代に対応できる人材育成を
最後に、これからの時代に対応するため、学生たちにどのような教育が必要なのか、愛知東邦大学の考えを聞いてみた。
「近年、幅広い視点を持った人材への社会的ニーズが高まっており、大学でも文理融合に注目が集まっています。本学としては、理系の知識がない学生でも、DXを基本スキルとして身につけた社会人を育てていきたい。DXはこれからの社会人にとってベーススキルとして不可欠だと感じています」と河村氏。
また山田氏も「少子化に伴い、大学に進学する層が変化すると予想される中で、DXの力を借りながら、注力すべきポイントを明確にすることが重要です。人の手を必要以上にかけず、質の高い教育を提供するためにも、学生・生徒だけでなく、学園全体がDXを推進する必要性を強く感じています」と展望を語ってくれた。
また、今後の新たな取り組みとしては、学生一人ひとりに合ったテーラーメイド教育の強化や、ポートフォリオシステムの導入を予定しているそうだ。このポートフォリオシステムは、学生の学修成果を可視化し、「卒業要件として何をどれだけ身につけたか」を明確にする仕組みとして機能する。一部ではすでに導入が進んでおり、学修の成果を具体的に示すものとして期待されている。
「こうしたDX教育推進の流れの中で、今後もユニットコム(パソコン工房)さんと連携しながら進めていければと思っています」と、赤塚氏は締めくくった。
ユニットコム(パソコン工房)は、DX教育推進する同学園をこれからもサポートしていく。
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