BTOメーカーとして知られるマウスコンピューターのゲーミングブランド「G TUNE」が、2024年で20周年を迎える。
*G-Tune表記は2024年11月27日より「G TUNE」に変更となっています
そんなころ、歴代のG TUNE製品が拝めるという噂を聞きつけた一人の男―――マイナビニュースのパソコンジャンル 笠原編集長は、マウスコンピューター本社を突撃。そこで出くわした製品担当者と、ゲーミングPCという言葉がまだ一般的ではなかったころから、G TUNEが生まれた背景、eスポーツの発展、そしてマウスコンピューターの挑戦し続ける姿勢など、多岐にわたってこの20年間を熱く語っていく。
また、G TUNE20周年記念モデルについても紹介しているので、長年PCゲームを楽しんでいる人もこれからゲーミングPCを購入しようと考えている人もぜひ参考にしてほしい。
歴代G TUNEを求め、マウスコンピューター本社に笠原編集長が突撃!
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■今回お話をお聞きする方 小林俊一氏 2013年入社:(当時の)開発本部 製品開発部 配属 2015年10月~2017年7月:(当時の)コンシューマ営業統括部 コンシューママーケティング室にて、G TUNEプロダクトマーケティングを担当(8月以降はmouseブランドを担当へ) |
さてさて、ここからが本番です
ではおふざけはここまでにして……(笑)。さっそく本題に入ってきたいと思います。まずはG TUNEが登場した2004年ですね。当時は今ほどPCでゲームをするのが一般的ではなかったと思います。その時期にいち早くゲーミングPCのブランドを立ち上げた理由を教えていただけないでしょうか。 |
はい、その当時はネットワーク回線の高速化が進み、海外ではオンラインゲームが盛り上がっておりまして。そろそろ日本でも人気の波が来るのでは、と思ったんです。そこで、当時ハイエンド向けの「Tune」というブランドがあったのですが、それをゲーミングPCとして立ち上げることにしました。 |
2004年、G TUNE発表時に同時発売された3モデル
2004年、G TUNE発表時に同時発売された3モデル
2023年にブランドとして独立した「NEXTGEAR」は、すでに2004年の段階であったんですね。 |
最初から、最高のスペックを詰め込むというコンセプトを持ったハイエンド向けの「MASTERPIECE」とキューブ型など省スペースだけどゲームを楽しめるスペックを備えた初心者、中級者向けの「NEXTGEAR」の2シリーズを展開していました。立ち上げの段階でこだわったのは、特定ゲームの推奨スペックを満たすことです。ユーザーさんが、これを買えばこのゲームが快適に遊べる、と明確に認識できるようにしました。 |
今ではノートPCでもPCゲームをプレイするのは当たり前になっていますが、G TUNEでノートPCはいつ頃から手がけているのでしょうか。 |
2007年にNEXTGEARシリーズからゲーミングノートPCが登場しています。当時はまだゲーミングの世界でノートPCはあまりフォーカスされていませんでしたが、半導体の発達でどんどん注目度が高まりました。 |
2007年、初のゲーミングノートPCを発表
2007年、初のゲーミングノートPCを発表
2010年代のゲーミングノートPCは面白いですよね。各社ともノートPCにいかに高性能を詰め込むか創意工夫をされていて。G TUNEですと、ACアダプタを2個使用するモデルが印象的でした。 |
2017年発売の「NEXTGEAR-NOTE i71120」ですね。17.3型4K液晶のモデルです。デスクトップ向けのCPU「インテル Core i7-7700K プロセッサー」とハイエンドGPU「GeForce GTX 1080」をSLIで搭載していました。330WのACアダプタを2つで合計660Wとデスクトップとほとんど変わらない電源でしたね。 |
2017年、当時最強クラスの性能を誇るノートPC「NEXTGEAR-NOTE i71120」を発売
2017年、当時最強クラスの性能を誇るノートPC
「NEXTGEAR-NOTE i71120」を発売
2017年前後のハイエンドゲーミングノートPCの需要はどうだったのでしょうか。売れる見込みで作ったのか、技術的なチャレンジだったのか。 |
2016年はVR元年と言われていまして、ゲーミングの世界でVRが非常に盛り上がってきた時期でした。Oculus Rift(バーチャルリアリティヘッドセット)が発売されたのもこの頃です。VRの楽しさを知るには実際に体験することが重要で、そこで持ち運べるハイエンドノートPCが注目されました。 |
しかし、ノート向けの外部GPUはバッテリー駆動を重視して、CPU内蔵のGPUとのハイブリッド動作だったりします。これがVR環境と非常に相性が悪く、パフォーマンスが安定しないで、プレイヤーが酔ってしまうことがありました。だったら、「デスクトップ向けのCPUとGPUをノートPCに詰め込んでしまおう」という発想から生まれたものですね。外部GPUだけで動作するように「GPU Switch機能」を備えたモデルもありました。 |
確かにVRは両目に描画が必要になるため、普通の液晶モニターに表示するよりも高いパフォーマンスが必要でした。当時はその環境を整えるが大変でしたね。 |
そうです。パフォーマンスの問題はなかなか解決が難しく……やっぱりデスクトップPCのほうがいいよね。というところで誕生したのが小さなゲーミングPCの「LITTLEGEAR」です。上部にハンドルを付けて、持ち運びを意識しました。 |
2015年、コンパクト筐体の「LITTLEGEAR」を発売
2015年、コンパクト筐体の「LITTLEGEAR」を発売
eスポーツにもいち早く関わっていましたね。2012年にはeスポーツ JAPAN CUPの試合で使われるゲーミングデスクトップPCを発売したり、2021年にはJeSU(日本eスポーツ連合)公認PCの販売も手がけたりされています。 |
2012年、「第4回eスポーツJAPAN CUP」公式PCを発売
2012年、「第4回eスポーツJAPAN CUP」公式PCを発売
\JeSU(日本eスポーツ連合)公認PCは現在も販売中!/
G TUNEは“ゲーム大好き”というスタッフが集まっているのも理由かもしれません(笑)。好きだからこそ、大会であったりプロゲーマーであったり、今後も幅広く関わりたいと思っています。また、G TUNEの初期の頃からゲームの推奨モデルにも力を入れてきました。「このゲームをプレイしたいならこのPC」とユーザーに分かりやすくしています。 |
実際にユーザーの声を製品に反映することは多いのでしょうか。「私たちの要望って聞き入れてくれるのかな?」って思っているユーザーはいると思います。 |
ユーザーの声は常にキャッチアップしていきたいと思っています。直販サイトにおけるお客様のレビューは内容に応じてお答えさせていただいておりますし、ご指摘のあった部分は次の製品開発に活かしています。 |
GeForce GTX 900シリーズやRyzen 9 3950Xなど単体だと人気で品切れ続出のパーツでも、G TUNEなら搭載モデルが問題なく購入できるという時期がけっこうあったと思います。最近だとRyzen 7 9800X3Dがその状態です。 |
G TUNEの強みの一つですね。Ryzen 7 9800X3D搭載モデルはしっかり販売できています。ここは声を大にしておきたいですね。Ryzen 7 9800X3Dは潤沢に持っています! |
(笑)。マウスコンピューターではダイレクトショップを全国展開していますが、どういった意図があるのでしょうか。 |
Webサイトですと、製品の情報量がどうしても限られてしまうので、やっぱりしっかりと見ていただきたいというのが大きなところです。実際に見て触らないと伝わらない部分はありますので。 |
いくつかの貴社の店舗を取材させていただいたことありますが、お客さんが店員さんに熱心に話を聞いている姿を何度も見ています。やっぱり実際の店舗も必要だなと思いますね。 |
BTO(受注生産)というシステムは、パーツのスペックなどに詳しくないと注文が難しい面もあります。店舗ならお客様のニーズを聞きながらパーツ構成のアドバイスをできる強みがありますね。 |
≫お近くのマウスコンピューターのダイレクトショップを探す
印象的な製品についても聞きたいのですが、2017年発売の「NEXTGEAR-SLIM」は面白いですね。本体だけのゲーミングノートPCというか。 |
2017年、まるで“板”のような「NEXTGEAR-SLIM」を発売
2017年、まるで“板”のような「NEXTGEAR-SLIM」を発売
省スペース性に特化したデスクトップPCですね。スペックとしてはほぼノートPCで、ディスプレイやキーボードをなくした、というものです。リビングやテレビの横に置いて使いやすいPCがあってもいいのでは、という考えもありました。 |
「NEXTGEAR-NOTE M3」や「LITTLEGEAR」もそうですが、貴社は常にモノづくりに対し、挑戦し続けていますよね。そういった姿勢が、ユーザーから支持を集める一つの理由なのでしょう。これからもぜひ面白い製品を楽しみにしています! |
G TUNEの20周年記念モデル5機種が登場、そのポイントは?
今回、G TUNEの20周年を記念したモデルを発売されるそうですね。 |
はい、今日もこちらに用意していますよ。デスクトップPCを3モデル。ノートPCを2モデルの全5モデルです。 |
デスクトップPCについてはゲームを楽しめる性能を持っているのはもちろん、ゲーミングディスプレイ、有線ゲーミングヘッドセット、メカニカルキーボード、ワイヤレスゲーミングマウス、マウスパッドをセットにし、これを購入すれば、すぐにゲームをプレイできますよという提案をさせていただきました。 |
ちなみに、5モデルのなかで特におすすめはありますか? |
正直かなり力を入れた商品なので、全部……ですかね(笑)。 |
私個人的なお気に入りは、「G TUNE E5-I7G50BK-B」ですね。15.6型ですが、とても薄く感じます。サイズ感もちょうどいいし、15万円台というコストパフォーマンスの高さですし、これは人気が出そうです。 |
ありがとうございます。そちらはエントリーに近いスペックなので初めてゲーミングPCを購入する方の入門機や持ち運び用のサブ機としてもおすすめですよ。ぜひ皆さんも、この機会にチェックしてみてください! |
≫G TUNE20周年記念モデルをチェックする
最後に今後の抱負について教えていただけないでしょうか。 |
「G TUNE」は、その誕生時から、常に最高のパフォーマンス、安定性、信頼性によって、最高のゲーミング体験を提供するゲーミングPCを目指してきました。ジャンルやスタイルを問わず、プレイしたいゲームタイトルを安心して楽しむことができる製品に対する取り組みを続けています。20年という期間で、多様なゲーミングシーンが生まれ、いわゆるプロフェッショナルのなかでも様々なスタイルが発展し、その変化に応じた製品を送り出してきました。 |
昨年は、より幅広い層にゲーミングPCの楽しさを届ける、新たなゲーミングPCブランドとして「NEXTGEAR」を発表しました。これも時代の大きな変化・要望から生まれた製品です。 |
G TUNE20周年を迎えて
マウスコンピューター販売促進室から届いた今後の抱負
20周年を迎え、今後もハードウェアスペックだけには留まらない付加価値の提供を加速させたいと思っています。
日本の消費者は、ゲーミングPCに高性能で信頼できる、スタイリッシュなデザインのものを求めています。高性能に関してはG-Tuneの得意とするところですし、信頼性に関しても3年保証などマウスコンピューターとして取り組み、自信を持ってお客様にご提案できる製品です。デザインに関しては、筐体サイズごとにデザインを変更するなどニーズに対してのご提案をさせていただいています。これからも多くのお客様に価値を感じていただけるものからしっかりとご提供していきます。
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G TUNEの登場から20年。現在ではデスクトップPC、ノートPCとも豊富なサイズ、スペックを揃え、特定ゲームの推奨モデルの数も多く、ゲーム配信・ゲーム実況向けもラインナップするなど、とにかく幅広いニーズに応えられるようになっている。マウスコンピューターの製品は、24時間365日の手厚いサポートもあり、安心して使えるのもポイント。今後もゲーマーを満足させる、時には驚かせるモデルを投入し続けることを期待したい。
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