近年耳にすることが多くなった「AI」。スマホの音声アシスタントや家電などの日常的な場面から、医療・農業の現場の人手不足解消などさまざまなところでその技術が使われており、今後の社会においても重要なものであることは間違いないだろう。

画像の生成やチャットを連想する人が多いかもしれないが、音声や文章の翻訳・要約など、さまざまな処理でAIが活用されている。

PCも例外ではなく、AI処理に特化したプロセッサを搭載し、より高度な処理性能を持ったAI PCが登場している。そのひとつがドスパラの「THIRDWAVE DX-L7LA」(以降DX-L7LA)だ。

  • ドスパラの「THIRDWAVE DX-L7LA」。直販価格は229,980円(税込)

AIは高い性能が求められることから、サーバー側で処理を行う“クラウドAI”が主流だったが、最近ではセキュリティ面や利便性のよさからPC側で処理をする“エッジAI”が注目されている。同製品はAI処理に特化したNPUを採用することで、エッジAIの性能を最大限いかせるPCとなっているのだ。

今回は「DX-L7LA」の性能や実際にAIがあることでどんなことができるのかなど、色々と検証してみたので紹介していこう。

AI PC「THIRDWAVE DX-L7LA」について
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エッジAIってどんなもの? それに強いPCとは?

まずは今回のカギとなる“エッジAI”について触れておこう。これまでAI処理はサーバーを利用する“クラウドAI”が主流だった。サーバーなら膨大な学習データの保存と高速な処理が可能になり、PC側の性能に関係なく、高度なAI処理を利用できるからだ。しかし、画像を加工するにしても、文章を作成するにしても、サーバー側にデータを送信する必要があり、セキュリティ上の懸念が存在する。進行中の企画など社外秘の情報が含まれていればなおさらだ。また、クラウドAIの利用にはインターネット回線が必要になり、場所を選ぶ必要がある。

そこで、推進されているのが“エッジAI”だ。PC側(ローカルとも言う)でAI処理を行うためデータが外部に漏れる心配がなく、インターネット接続も必要ないのでどこでも利用できるのが強みだ。その一方で、PC側に高いAI処理性能が必要になるのが大きなハードルになる。

それを解決してくれるのが“AI PC”だ。AI PCは、従来からのCPU(Central Processing Unit:中央演算処理装置)とGPU(Graphics Processing Unit:画像処理装置)に加えて、AI処理に特化したNPU(Neural network Processing Unit:推論処理装置)を備えているのが最大の特徴。CPU、GPU、NPUを組み合わせることで高いエッジAI性能を実現したPCとなっている。また、NPUに対応したアプリならば、NPUにAI処理を任せることでCPUとGPUに余裕ができ、ほかの作業を並行して進めやすくなるのもメリットだ。

  • CPU、GPU、NPUのそれぞれを活用してAI処理を行う。AIといってもアプリによって使うプロセッサは異なるからだ

その中でも「DX-L7LA」に搭載されているCore Ultra 7 258Vは、CPU、GPU、NPUのすべてがAI処理に優れている。特にNPUはインテルの初代Core Ultraシリーズから飛躍的に性能が向上しており、まさにエッジAI向きのノートPCだ。

  • Core Ultra 7 258VはCPU、GPU、NPUともAI処理に強い

AI PC「THIRDWAVE DX-L7LA」について
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ビジネスシーンで活躍するエッジAIを紹介! 実際にテストしてみた

ここからは、「DX-L7LA」を使ってビジネスシーンで役立つエッジAIのアプリを紹介していこう。DX-L7LAの標準OSはWindows 11 Homeだが、今回のテストではWindows 11 Proを使用している。エッジAIはどちらのバージョンでも問題なく利用可能だ。

企画書やメールなど、あなたの代わりに文章を作成

まず分かりやすいのは日本語に対応する大規模言語モデル(LLM)の「ELYZA」だ。日本語生成のAIアシスタントと呼べるもので、質問への返答を求めたり、企画書の提案、ビジネスメールの作成、長文の要約をしたりなど、幅広い使い方が可能だ。研究および商用目的での利用も可能となっており、ここではPC上で実行できる「Llama-3-ELYZA-JP-8B」を使用している。
※膨大な量のテキストデータを処理し、人間の言語を理解・生成できるAIシステム

はじめに、企画立案を試してみよう。「NPUの活用方法についての企画書を提案してほしい」と入力すれば、タイトル、目的、活用方法、メリットなどをズラッと箇条書きしてくれる。もちろんそのままでは完成にならないが、十分参考になるレベルだ。企画書の流れなどに悩んだときは刺激になってくれる。なお、文章の生成は主にGPUを活用している。

  • ELYZAを使えば、入力した企画書の提案もできる。アイディア出しの参考にも

ビジネス向けの文書作成やメール作成も大規模言語モデルが得意とするところだ。同じくELYZAを使って「マイナビニュース編集部が個人のイラストレーターにビル群のイラストを2週間の納期で依頼するビジネスメールの文章を作成してほしい」と入力すれば、必要と思われる内容をしっかり詰め込んだビジネスメールを出力できる。

もちろん、内容の調整は必要になるが、考える時間の短縮、依頼に必要な情報に見落としがないかなどの確認が自分一人で作るよりもやりやすい。AIなら文章を作るのに疲れないのは大きなメリットだ。

  • ビジネスメールの下書きにもかなり役立つ

さらに、長文の要約も可能。ELYZAを使って筆者が書いた約800文字のCore Ultra 200Vシリーズについての解説文を要約すると、約350文字にまとめてくれた。ざっくり内容を知りたい場合や書いた文章が長すぎた場合の調整によいだろう。

  • 長文の要約にも活用できる

録音データから議事録の作成も

ビジネスシーンでは、会議の録音データから文字起こしをして議事録を作ることもあるだろう。文字起こしは、クラウドAIを使ったサービスがいくつかあるが、エッジAIでも可能だ。サウンド編集アプリとして有名な「Audacity」には、日本語での文字起こしが可能なWhisperがOpenVINOの拡張機能として存在している。

筆者がテストで録音したデータから文字起こしをやってみたが、かなり正確にできていた(Whisperはlarge-v3モデルを使用)。Audacityなら録音データの雑音といったノイズ除去をNPUで行えるOpenVINO Noise Suppressionも利用可能だ。ノイズを除去して、より正確に文字起こしが可能な録音データを作り出せるのが便利である。

  • AudacityのOpenVINOの拡張機能を使えば、録音データからAIによる文字起こしが可能

Web会議をよりスマートに

Microsoft TeamsやZoomといったビデオ会議で活躍するAI機能がWindows 11には実装されている。それが「Windowsスタジオエフェクト」だ。Webカメラの映像から、人物以外をぼかす「背景の効果」、目線がカメラを向いているように加工する「アイコンタクト」、顔がフレームの中心になるように調整する「自動フレーミング」が用意されており、それをNPUで処理できる。Microsoft TeamsやZoomにも背景をぼかす機能は用意されているが、CPUパワーがそれなりに必要になる。それをNPUに任せられるのが強み。ちなみに、Windowsスタジオエフェクトの効果はMicrosoft TeamsやZoomのWebカメラ映像に自動で反映される。

  • Windowsスタジオエフェクトなら、Webカメラ映像の背景のぼかしなどをNPUで処理できる

画像生成も高速で行える

エッジAIによる画像生成を手軽に行えるのが、IntelがCore Ultra 7 258Vを含むCore Ultra 200Vシリーズ用に用意している「AI Playground」だ。まだ、ベータ版の段階だがプロンプトを入力しての画像生成が可能。インタフェースは日本語に対応していないが、筆者が試す限り、日本語のプロンプトを入力しても、それに合った画像を生成できた。(例えば、プロンプトとして入力するのが「Dog」でも「犬」でもしっかりと犬の画像が生成された。)

主にGPUを使用し、1枚あたり約8秒で生成できたのでなかなか高速だ。また、AIの学習内容(モデル)を「イラスト風にする・実写風にする」など、生成したい内容に合わせて手動で設定するといった、高度な使い方も可能になっている。

  • AI Playgroundは、Core Ultra 200Vシリーズ用のバージョンが用意されており、高速に画像生成が可能

AI PC「THIRDWAVE DX-L7LA」について
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AI以外も高性能! 大画面で薄型軽量のボディにも注目

ここからは、DX-L7LAのAI性能以外も紹介していこう。

ポイント①

CPU、GPUも高性能

搭載されているCore Ultra 7 258Vは、AIだけではなくオフィスワーク、クリエイティブワーク、ゲーミングの性能にも優れている。用途を選ばない汎用性の高さが強みだ。特にGPUの「Intel® Arc 140V」は、CPU内蔵型としては現役最高クラスの性能を持っている。フルHD解像度なら多くのゲームプレイも可能だ。

  • PCの基本性能を測定する「PCMark 10」の結果。どの項目でも高いスコアを出している

  • 定番3Dベンチマーク「3DMark」でDirectX 12ベースの「Steel Nomad Light」の結果。CPU内蔵型のGPUとしては高いスコアを出している

ポイント②

スリムで持ち運びがしやすいボディ×作業がしやすい広い画面

ディスプレイのサイズは16型とノートPCとしては大型ながら、ボディは厚さ約20mm(突起部含まず)、重量が約1.3kgとスリムで軽い。さらに、衝撃、振動、落下など過酷な11種類のテストをクリアする必要がある米国国防総省調達基準の「MIL-STD 810H」に準拠と非常にタフな作りをしていて、毎日の持ち歩きも安心といえる。

ディスプレイの解像度はWUXGA(1,920×1,200ドット)で、映り込みのないノングレア仕様。リフレッシュレートは最大165Hzと高く、一般的なディスプレイは60Hz(1秒間に60回描き変え)なので、2.75倍もの滑らかな描画が可能だ。動画やゲームをより快適に楽しめるだろう。

  • シンプルでスリムなデザイン。用途を選ばず使いやすい

  • 米国国防総省調達基準のMIL-STD 810Hに準拠するタフなボディ

  • ディスプレイは16型と大きいので長時間の作業もしやすい。解像度はWUXGA(1,920×1,200ドット)でリフレッシュレートは165Hz

  • ディスプレイは180度開くので複数人で画面を見たいときにも便利

  • 65W出力のACアダプターを付属。Type-Cケーブルで充電する

インタフェースは左側面にThunderbolt™ 4 Type-C (USB Power Delivery対応)×1、HDMI出力、USB 3.2 Gen2 Type-A×1、USB 3.2 Gen2 Type-C(PD対応)×1、右側面にmicroSDカードリーダー、USB3.2 Gen1 Type-A×1、マイク入力・ヘッドフォン出力 共有端子を備えている。有線LANは非搭載。HDMIとThunderbolt™ 4を組み合わせることで、外部ディスプレイへ2画面同時出力も可能だ。ワイヤレス機能はインテル Wi-Fi 6E AX211とBluetooth 5.3に対応する。本体のサイズ(幅×奥行き×高さ)は約358×253×20mm(突起部含まず)でバッテリー駆動時間はJEITA 測定法 3.0でアイドル時7.6時間、動画再生時4.9時間だ。

  • 左側面はThunderbolt™ 4 Type-C (USB Power Delivery対応)×1、HDMI出力、USB 3.2 Gen2 Type-A×1、USB 3.2 Gen2 Type-C(PD対応)×1

  • 右側面にmicroSDカードリーダー、USB3.2 Gen1 Type-A、マイク入力・ヘッドフォン出力 共有端子

  • キーボードは日本語配列でテンキー付き

  • キーボードは白色LEDのバックライトも内蔵する

ポイント③

持ち運びに最適な「THIRDWAVE F-14LN7LA」もラインナップ

また、ほぼ同じスペックでディスプレイのサイズが14型という「THIRDWAVE F-14LN7LA」もラインナップしている。本体のサイズ(幅×奥行き×高さ)は約313×223×18mm(突起部含まず)で重量が約950gとよりコンパクトで軽量になるのが特徴。画面の大きさよりも持ち運びやすさを重視するならこちらがオススメだ。

  • 14型ディスプレイを採用する「THIRDWAVE F-14LN7LA」。直販価格は219,980円(税込)から

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AI PCで作業をより快適に!

サードウェーブのAI PC「DX-L7LA」なら、あなたの作業をより快適に、したいことを叶えてくれるだろう。ドスパラの店舗では実物をみることも可能。また、サポート体制も整っているため、より安心して購入できるはず。気になった方はぜひドスパラに足を運んでみてはいかがだろうか。

AI PC「THIRDWAVE DX-L7LA」について
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※価格・構成については、2024年11月10日時点の情報です。最新情報についてはドスパラにてご確認ください。

[PR]提供:サードウェーブ