杉玉から「グランドメニューをアップデートした」と連絡が……

夕涼みにビールもいいけど、夏はやっぱり冷たい日本酒が飲みたい!そんなのんべえ筆者の元に杉玉から「新しいグランドメニューが登場するので食べてほしい」と連絡がありました。

「鮨 肴 酒  杉玉」といえば、スシローを運営するFOOD & LIFE COMPANIESが手掛ける大衆寿司居酒屋。仕入力を活かし、鮮度・味・見た目にこだわった寿司や一品料理をはじめ、日本酒などのお酒もバリエーション豊富に取り揃え“寿司と酒”の組み合わせをお手頃価格で楽しめるのが魅力のひとつ。

お酒と合うグランドメニューがどう生まれ変わったのか、担当者の待つ場所に伺いました。

より杉玉を楽しんでいただくために、約20種類ものメニューを追加

訪れたのは都内にあるテストキッチン。案内されると2人の男性が出迎えてくれました。

城野さん:こんにちは。営業企画部の城野明彦です。僕は杉玉のメニューまわりの販促や、商品名の考案などを担当しています。

髙木さん:同じく営業企画部の髙木俊昌です。杉玉の商品開発を担当しています。

――よろしくお願いします!早速ですが、今回、メニューをリニューアルしたと伺いまして……。

城野さん:杉玉がオープンして7年経ったのですが、これまで大きくメニューを変えることなく歩んできました。お客さまにより杉玉を楽しんでいただくためにグランドメニューをしっかりと強いものに作り直そうと、2024年の2月に大幅なメニュー変更を行ったんです。

――すでにメニュー変更を行っているんですね……! 今回は第2弾といったところでしょうか?

城野さん:はい。中でも2つのカテゴリーを中心に見つめ直して、お客さまからご支持いただいているものはそのままに、全ての商品を自分たちが胸を張ってお客さまに提供できるようにと今回の第2弾のリニューアルに至りました。

――第2弾ではどのくらいの商品をリニューアルされたんですか?

城野さん:約20商品ですね。今回「極み寿司」というカテゴリーに手をつけたんですよ。杉玉の顔となるカテゴリーなので、1番考えるのが難しく、時間をかけてそのカテゴリーを中心にリニューアルしました。

――約20商品も!

城野さん:今日はその中から4つをピックアップしてお話させてください。まずは『赤海老 他人の子持ち Type Ⅱ』から。

※1日の販売数に限りがあります。
※ランプフィッシュキャビアを使用しています。

――他人の子持ち TypeⅡ? すごいネーミングですね。こちらはどんな商品ですか?

城野さん:狙い通りの反応で、嬉しいです。杉玉は商品名が変わっていることも特徴のひとつで、ネーミングからお客さまとのちょっとした会話を生み出すきっかけになればと想い、このような独特な商品名を考えています。

髙木さん:リニューアル前は、赤海老にランプフィッシュキャビアを乗せて、その塩気でシンプルに食べてもらうような寿司だったんですけど、今回のリニューアルでシャリとネタの間にわさびではない隠し味を入れて、杉玉らしくちょっと遊び心がある商品に進化させました。

城野さん:そうそう。赤海老の甘みとランプフィッシュキャビアの塩味でも十分おいしいんですけど、もう1つ味が足りなかったんですよ。そこで、ネタとシャリの間に何かを忍ばせて、その味わいでお召し上がりいただく「お忍び寿司」 というカテゴリーから着想を得て、髙木が考えてくれました。

――隠し味が気になります!

髙木さん:XO醤っていう中華系で使う旨みの効いたものにマヨソースを合わせたもので、赤海老との相性がいいんですよ。

城野さん:XO醬の醤油っぽいコクが加わることで、最初にランプフィッシュキャビアの塩味を感じて、その後に赤海老の甘みがその塩味を包み込む。「お、なんか味が変わったぞ。」と思ったらXO醤の旨みが出てきて、口の中でパーティーになるようにブラッシュアップしたって感じですね。

――開発にあたって苦労したことはありますか?

髙木さん:改良する前から商品名を含め、杉玉らしさを表した完全に出来上がっている商品だったので、そこに何か加えることが難しかったですね。創作すぎてもお客さまからは「余計なことしないで」ってなる可能性もありますし、シンプルに素材を味わうのが寿司なので、違和感にならずにプラスするのは苦労しましたね。食べてれば「なんかいるな」って思うぐらいの量で、全体の底上げをするような味付けが悩ましいところでした。

――その塩梅に苦労されたのですね。完成した『赤海老 他人の子持ち Type Ⅱ』の味わってほしいポイントを教えてください。

髙木さん:メニューではXO醤を記載していないので、隠されている味わいに意識して、何が工夫されてるかを味わってほしいですね。

城野さん:何の味わいなんだろうって、そのワクワクを楽しんでほしいですね。今回のブラッシュアップは、赤海老の素材自体を見直したのがきっかけなので、ぜひ鮮度の良い赤海老の味にも注目していただきたいです。

――尻尾の鮮やかな赤さからも鮮度が伝わってきます! 続いてはどんなメニューでしょうか。

城野さん:『中とろ・塩雲丹・いくら・キャビアの超ご褒美包み』です。

※ランプフィッシュキャビアを使用しています。
※1日の販売数に限りがあります。

城野さん:これは以前、『中とろ・塩雲丹・いくらのご褒美包み』を月替わりのおすすめメニューとして販売したところ、杉玉のおすすめメニュー史上最高の人気商品になりまして。このメニューをいつでも楽しんでいただけるように、でもせっかく最強のグランドメニューを目指すんだったらブラッシュアップさせたいと、ランプフィッシュキャビアを乗せることになりました。

――人気だった期間限定商品をアップデートして定番化したのですね。

城野さん:お客さまがメニューを見た時にワクワクして、目の前に届いたら写真を撮りたくなるものに仕上げたくて。ネーミングは"超"じゃない?って髙木が名付けてくれました。(笑)

――豪華すぎてため息が出ちゃいますね。“ご褒美”という名前にも頷いてしまいます。

城野さん:最初にネーミングを考える時に、自分たちのメンバーが発案した“ご褒美”という言葉にみんなが共感したことがきっかけだったんです。営業企画部の全員で仕上げたメニューなので、個人的には思い入れのある大好きな商品です。

髙木さん:1番は見た目のよさですね。味のバランスも整っていて、塩雲丹、いくら、ランプフィッシュキャビアの塩気だけで十分食べられるんですけど、中とろの脂の甘み、しっとり感が包んでまとめてくれるっていう商品としてもかなり仕上がっているのが特徴です。

――開発の中でのエピソードがありましたら教えてください。

髙木さん:すでにベースはできあがってたので、そこまで苦労はなかったんですけど、これまで杉玉のグランドメニューになかった一目で豪華さや引きの良さがわかるメニューにしたかったのはあります。前回と同じだとつまらないので……。

城野さん:髙木はストイックなので、前に作ったメニューをお願いしても、「今回は、ここをアレンジしてみました」って、同じ物を出してこないんですよ。前のもののままの方がお客さま受けするんだったら同じもので出す時も当然ありますけど、何かしら加えたがります。

――職人魂をひしひしと感じます。この商品で味わってほしいポイントを伺えますか?

髙木さん:見た目のインパクトもですが、それぞれの味が次々と来て、最終的に中とろが包んでくれるっていう一体感を感じていただきたいですね。

城野さん:召し上がり方は、恥ずかしがらずにひと口で食べていただけたらと。絶対その方がおいしいですから。

――私もひと口で頂いちゃいました。次、お願いしてもよいですか?

城野さん:次は『大人専用ポテトサラダ』です。

※1日の販売数に限りがあります。

――『大人専用ポテトサラダ』、ですか。あの杉玉モチーフのポテトサラダの印象が強すぎて、イメージが全くつかないです……。

城野さん:『杉玉ポテトサラダ』は、7年間の杉玉の歴史を作った商品なんですよね。ただ、杉玉に通ってくださるお客さまが、もしかしたら飽きてしまうかもしれない。もう1つ違う表情のポテトサラダを作ってあげたいっていうのは、もう何年も前からずっと言われてもいたし、僕自身も思っていました。

  • 杉玉の看板メニュー。これがポテトサラダ?という見た目に驚くこと間違いなし

※1日の販売数に限りがあります。

――実際に完成したものの特徴を伺えますか?

髙木さん:マヨソースを混ぜ込んでない塩気を効かせて温めたマッシュポテトをベースに、オニオンススライス、塩辛、カラスミ、マヨソース、たくあんと特に日本酒の肴になりそうな具材を添えて、お客さま自身に混ぜていただくものになっています。

城野さん:今、サラって言いましたけど、カラスミって今回のポイントだからね?

髙木さん:そうでしたね。日本酒も杉玉の魅力なので、肴にあったポテトサラダにすることで、リピートしてくださるお客さまに頼んでもらえるんじゃないかなと思っています。様々な具材を混ぜる不均一さが特徴なので、食べる箇所で味わいが若干違うところを楽しめるのもポイントです。

城野さん:塩辛が好きだったら多めのところを選んだり、そういう楽しさもありますし、髙木が言ったように、日本酒との相性がすごく今回は重要になってくるんじゃないかな?

――具材を聞いただけでも日本酒が恋しくなります。

城野さん:間違いなく合うと思います!温度にもこだわりがあって、ジャガイモって冷やしすぎると甘さが飛んでしまうんですよ。少し温めることで香りと甘さが出てホクホク感も増すので、それもまたポイントですね。

――『大人専用ポテトサラダ』の開発エピソードを聞かせてください。

城野さん:日本酒などお酒に合うメニューをもっと増やしたいっていうのが、今回のグランドメニューの中であったんですよ。「はやいの。」っていうカテゴリーで、小鉢の塩辛や鯵のなめろうとか、寿司ならではっていう日本の珍味系のものを用意したんですね。塩辛やカラスミがメニューに加わったことから、今回の『大人専用ポテトサラダ』が成立しました。それまでずっと苦しんでたもんね。

髙木さん:なかなか杉玉らしいポテトサラダっていうのは難しくて……。

城野さん:杉玉らしいって、2つの捉え方があると思ったんですよ。

――酒蔵の軒先に吊るす杉玉の捉え方ということですね。

城野さん:そうそう、見た目の杉玉らしさと、「新酒ができました」という杉玉本来の意味の角度。見た目が杉玉っぽいのが従来の『杉玉ポテトサラダ』で、意味に沿ったものが今回の『大人専用ポテトサラダ』になります。見た目で言ったら、今の以上はもう作れないですよ。

――クラッカーで屋根つけるとか吊るすことくらいしか浮かばないです。

城野さん:今度は吊るして出してみましょう!

――吊るされたポテトサラダを見てみたいです。色々な珍味が入った新・杉玉のポテトサラダの味わってほしいポイントを改めて聞かせてください。

髙木さん:混ぜ加減で変わる味わいの不均一さですね。日本酒と一緒に食べてもらいたいです。旨味も強いので、辛口の日本酒の肴にしてもらえたらと思っています。

――ありがとうございます。最後のメニュー、お願いします!

城野さん:最後の一品は『メニュー開発に1年以上もかかってしまった、杉玉のアヒージョ』です。

※1日の販売数に限りがあります。

――えっと、商品名ですよね?

城野さん:もちろん、正式な商品名です!本当に大変だったので、ただ単に「杉玉のアヒージョ」っていう文字数だけに収めるのが悔しくて、周りにアピールしようと僕が勝手に命名しました。

――その訴えたくなるくらい力を入れた商品なんですね。

城野さん:これまでもいろんなアヒージョがグランドメニューにあったんです。「おいしいアヒージョを開発したい」との想いから開発が始まり、最初は王道のアヒージョを作ったんですけど、実はアヒージョって火の入れ方とか塩加減がすごく難しいんですよ。各店舗で再現するにはハードルが高く、味の安定や具材選びで何回も試作を重ねて、ようやく出来上がったのがこちらのアヒージョです。

――それはもう名前で語りたくなりますね。実際に商品化したアヒージョの特徴を教えてください。

髙木さん:ニンニクとアンチョビをベースにしたオイルに、ベビー帆立と赤貝のひも、糸かつお、あおさなどを入れて、杉玉らしさを出しました。

城野さん:あおさを入れると一気に磯の香りが爆発するんですよ。魚を取り扱う居酒屋さんで出すアヒージョということで、海のものがメインになっています。みなさんがあまり召し上がったことない味だと思いますよ。

――商品化に1年以上かかったということは相当な苦労があったのでは?

髙木さん:「ちゃんとしたアヒージョを食べたい」というところからはじまってるので、どうやって現場(店舗)で再現するのかが最初の課題でした。オイルの塩気の決め方は感覚的なので、安定してできる作業ではないんですよ。そのためにまずは、定量で調整できる塩味の効いた液体の出汁を作りました。素材選びの段階では、食感の良し悪しなどいろんな素材を試して、何回もプレゼン重ねて、最終的にシンプルだけどうまいっていうところに落ち着きましたね。

城野さん:価格もだいぶ苦労しました。海鮮系を入れれば入れるほど、旨味がどんどん出てくるんですけど、当然値段上がっちゃうので……。手が出しやすい価格設定で杉玉の顔になる旨いものをと、何回も作り直してましたね。

――やっとの思いで商品化したこのアヒージョの特に注目してほしいポイントを教えてください。

髙木さん:たくさんの素材が入って、オイルに旨味が凝縮されてるので、是非オイルまで味わってほしいですね。最後まで味わってもらうため、別オーダーで『油そば』という食べ方も用意しています。

城野さん:アヒージョを注文したお客さまだけがオーダーできる裏メニューの『油そば』があるんですよ。裏メニューって言いつつ、メニューに載ってますけどね。アヒージョを食べてる時は別売りのバケットに乗せて召し上がっていただいて、残ってしまった一番美味しいオイルを『油そば』にかけて絡ませて食べると幸せですよ。

  • 残ったオイルをたっぷり絡ませると、まるでパスタのような味わいに

※1日の販売数に限りがあります。

――今後開発していきたいメニューがありましたら教えてください。

城野さん:杉玉の顔になるようなメニューはまだまだ欲しいですね。今のメニューで言うと『杉玉ポテトサラダ』もそうですし、人気の『ねぎまぐろとオリーブオイルの素敵すぎる出逢い。』 とか、『杉玉と言えば、飲めるサーモン』のようなものを開発しなきゃと思っています。

  • 人気メニューのひとつ。本当に出逢ってくれてありがとう

※1日の販売数に限りがあります。

髙木さん:まさにそうですね。目指すは『杉玉ポテトサラダ』に並ぶものを作り上げないといけないんだろうなと考えています。

――最後にマイナビニュース読者へのメッセージをお願いします。

城野さん:いろんなお酒もありますし、杉玉って寿司を注文しなくても楽しめる居酒屋っていうのも1つテーマにしてやっているので、例えば生魚が苦手っていうような方でも楽しめますし、デートの時に使っていただくなんてこともいいかもしれないです。

お店の名前とか渋いかもしれないですけれど、どちらかというと20〜30代の方でも楽しんでいただけるような商品名や店内の絵など、そういうのも用意してますのでぜひ、お待ちしています。

髙木さん:メニューの特徴とか簡単に説明しましたけど、現場(店舗)で再現するのは難しい料理が多いんですよ。同じ価格帯の居酒屋さんで、なかなかここまでをこの店舗数でやってる店っていうのは多分ないのではと思っています。そういった他では味わえない部分が杉玉にはあると思うので、是非、確認しにいらしていただきたいですね。

――ありがとうございました!

リニューアルしたグランドメニューを食べに行こう

新しくなった杉玉のグランドメニュー。今回はリニューアルした約20種類うちの4種類を紹介しましたが、いずれもよりお酒に合う味わいになっていて、ついついお酒が進んでしまう美味しさでした。

是非、この機会に新しくなったメニューをお近くの店舗で楽しんでみてくださいね。

今回紹介した商品

 

「赤海老 他人の子持ち TypeⅡ」 290円(税込319円)
 ※1日の販売数に限りがあります。
 ※ランプフィッシュキャビアを使用しています。


「中とろ・塩雲丹・いくら・キャビアの超ご褒美包み」 390円(税込429円)
 ※1日の販売数に限りがあります。
 ※ランプフィッシュキャビアを使用しています。


「大人専用ポテトサラダ」 490円(税込539円)
 ※1日の販売数に限りがあります。


「メニュー開発に1年以上もかかってしまった、杉玉のアヒージョ」 450円(税込495円)
 ※1日の販売数に限りがあります。

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