(右)DX本部 DX二部 宮岡 真規人(エキスパート職(IT系))
(左)DX本部 DX二部 田中 翔太(総合職)

三井不動産のDXをリードする「DX本部」では、様々なバックグラウンドを持つ社員が協働してプロジェクトを進めています。今回は、DX本部で「三井でみつけて すまいとくらしウェブ」のリニューアルやAIチャットツール「&chat」の開発などに携わってきた宮岡真規人と田中翔太の二人に、プロジェクトや日々の業務、今後の展望について聞きました。

多様なキャリアを持ち寄り、同じゴールを目指す

—— 最初に、お二人のこれまでの経歴をお聞かせください。

宮岡:私は大学で情報系を専攻しており、2012年に新卒入社した航空系の会社ではWebシステムの構築に携わっていました。この会社では、企画立案の段階から実際に手を動かしてプログラムを書く部分、そしてリリースまで、構築プロセス全体を経験しました。その後、エキスパート職(IT系)として三井不動産に転職したのは2020年のことです。商業施設のお客様向けのアプリや、住宅・ホテル事業用のシステムの開発・改善に取り組んだあと、今はDX本部のエンジニアリングリーダーとして、田中さんたちと共に生成AI活用などのプロジェクトに携わっています。

田中:私は2016年に新卒で総合職として三井不動産に入社しました。最初の配属で三井不動産レジデンシャルの千葉支店に出向し、マンションの開発に従事しました。柏の葉や船橋などのエリアで3年半にわたって開発を手掛けたあと、同じ支店で営業担当になり、自分が開発したマンションを販売することになりました。1年半後、開発に深く関わった「パークホームズLaLa南船橋ステーションプレミア」をすべて完売させて、DX本部に異動してきた形です。以前は主にデータを活用したマーケティング力向上プロジェクトに取り組んでいましたが、現在は生成AIチームで活動しています。

—— 学生時代からキャリアを通してITに携わってきた宮岡さんと、新卒から三井不動産に入社して事業部の現場を見てきた田中さん。お二人の経歴は対照的ですね。

田中:そうですね。私はDX本部に異動が決まったとき、後輩に「DXって何?」と質問したくらい、ITの素養がなかったんです。そこから本を読んだり、現場で教えてもらったりして、必死で学んできました。今も宮岡さんにたくさんのことを教えていただく日々です。

宮岡:生成AIなんかは三井不動産で初めて触れた技術なので、そういう意味では私も田中さんと同じですよ。

田中:そうはいっても私は宮岡さんのようにコードが書けるわけではないので、「IT・技術と実ビジネスを結びつける」ことを自分のミッションだと思っています。各事業部の方々と一緒にユースケースを探索して、どうすればIT・技術を活用して現場を良くしていけるかを探っています。

宮岡:確かに、チーム内でうまく役割分担しながら同じ目標を目指しているのがDX本部の特長ですね。

失敗を恐れない文化があるから、新しい技術を導入できる

—— お二人は「三井でみつけて すまいとくらしウェブ」のリニューアルに携わったそうですね。リニューアルの経緯や、新しいサイトの特徴について教えていただけますか?

宮岡:私と田中さんが初めて一緒に取り組んだのがこのリニューアルプロジェクトでした。キックオフはちょうど1年前頃です。

田中:目的は、三井不動産がアプローチできていなかったお客様との接点を増やすことでした。これまで「マンションを買いたい」「戸建てがほしい」といったニーズが顕在化・明確化している方に対しては三井不動産グループとしてしっかりとアプローチできていましたが、その手前の段階で「すまいのことをどうやって考えていけば良いんだろう」「マンションがいいのかな、戸建てがいいのかな」といったニーズが潜在的であったり、明確化できていない方には積極的にアプローチできていませんでした。そういった方々がふらっと遊びに来られるような場所を作りたいと考えました。このような課題があるなかでお客さまとの接点を持ち、ユーザー理解度の高いすまいとくらしの連携本部と、ITやマーケティングに精通したDX本部が一体となって、プロジェクトがキックオフされました。

—— リニューアルにあたって、工夫した点や苦労した点について教えてください。

田中:「ユーザー目線」という点に徹底的にこだわりました。まずはターゲットを明確化してユーザーインタビューを実施し、ユーザーの声を直接聞くことに注力しました。ニーズの解像度を上げて、それをもとにコンテンツを膨らませることを常に意識していましたね。

宮岡:メタバースや生成AIなどの新しい技術を積極的に取り入れたことも、今回のリニューアルのポイントです。特にメタバースについては、技術的な困難よりも、導入意義を第三者に説明する部分に高いハードルがありました。まだ成功事例が少ない新技術の導入にチャレンジすることの難しさと、面白さを実感しました。

田中:失敗を恐れずにチャレンジできる、両部門の空気感に助けられましたね。上層部も含めて「Fail Fast(はやく失敗せよ)」の文化があるので、新しいことに取り組みやすい雰囲気があります。

生成AI、現場への浸透を目指す取り組み

—— AIチャットツール「&chat」の開発プロジェクトについても教えてください。

宮岡:「&chat」は三井不動産に特化したAIチャットツールで、機密情報を守りながら生成AIを社内活用するために開発したものです。

田中:社内では業務効率化はもちろん、壁打ちやアイデア創発にも活用されています。これまで聞いた事例の中で特に面白かったのは、「7人の個性的な人格を設定し、サステナブルな街づくりについて議論させる」という活用方法です。多様なステークホルダーに対する理解と協調が必要なまちづくりにおいて、社員だけの議論では得られない視点を引き出すことができました。また、社長のインタビューや社内報での発言を学習させて、社長の観点でコメントをもらうという活用事例も面白いと思いました。

—— 順調に活用されていますね。社内への浸透はどのように進めてきましたか?

宮岡:月に1回のペースで研修を実施しています。現場での活用イメージをチームで共有しやすいよう、オンラインではなくあえて対面で実施し、ロールプレイングを取り入れるなど実際の業務に即した内容を心がけています。この研修の中で、参加者から新たな活用アイデアが生まれることも多いです。

田中:昨年の秋と今年の春には、アイデアソンも実施しました。「ITに疎い人でも参加したくなる仕掛けが必要だ」という社長の言葉をきっかけに、魅力的な社長賞を設けたところ、予想以上に幅広い方々が参加してくれました。この企画をきっかけに、「うちの会社は生成AIを積極的に活用していこうとしているんだ」という社内認知が一気に広まったと感じています。

「三井不動産はITに強い会社だ」とみんなが思えるように

—— 三井不動産のDX本部には、どのような魅力があると思いますか?

宮岡:前職では、誰かの要望に合わせてシステムを作るケースがほとんどでしたが、今はDX本部で「何を作ろうか?」という段階からプロジェクトに携われることがとても楽しいです。一般的な事業会社では「IT部門は事業部をサポートする部署」と位置づけられることが多いと思うのですが、三井不動産のDX部門は、自分たちがプロジェクトの起点となって、新しいチャレンジを各事業部に広めていける。これは大きな魅力だと思います。

田中:チームの約8割がプロパー社員ではない中で、多様なバックグラウンドを持つメンバーが集まっているのもDX本部の良いところです。データサイエンスに強い人、マーケティングに強い人、システム開発に強い人など強みも様々で、今までITに馴染みがなかった住宅事業出身の自分もスキルを高めながら働ける環境を魅力的に感じています。

—— 最後に、今後の目標を教えてください。

宮岡:最新の技術や知識をインプットし続けて、皆様の豊かな暮らしをもっとサポートしたいと考えています。そのために、DX本部チーム一丸となって新しい価値を提案し、各事業部の方から「一緒にやってよかった」と思える人材になりたいですね。

田中:ITの力で三井不動産の生産性を倍増させたいです。そのために、社内全体の文化醸成を進めていきたいですね。かつての自分のように「DXってよくわからない」「ITに強い会社じゃないよね」と感じている方々にこそきちんと寄り添って、「三井不動産はITに強い会社だ」と思ってもらえる風土を築きたい。そうすることで生産性だけでなく、お客さまに対する提供価値の向上にもDX本部が積極的に貢献していくのが自分の目標です。

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