はじめまして、NR・サプリメントアドバイザーの関川と申します。

今回はビタミンDとテストステロンの関係がテーマの記事です。

ビタミンDは「医師が飲む、長寿に欠かせないサプリ」「不足するとテストステロンが低下する」といった触れ込みで有名雑誌やメディアでも取り上げられる存在。健康リテラシーの高い人ほど気になっているはずです。

特に最近は筋トレブームや男性更年期障害に対する理解が広がっていることもあり、ビタミンDを積極的に摂取してテストステロンを増やしたいと考える方も多いのではないでしょうか。

しかし、本当にビタミンDのサプリを摂取するだけでテストステロンが増えるのか、気になりませんか?

ビタミンDはきのこ類や魚類、卵などに多く含まれているので、食事でも摂取できます。でも、きのこや魚、卵をたくさん食べることでそんなにテストステロンが高まるのでしょうか?

また、ビタミンDはサンシャインビタミンとも呼ばれており、日光に当たると体内で生成できることが知られています。つまり、日光に当たれば当たるほどテストステロンが増えるということでしょうか?

さらに、ビタミンD以外にもテストステロンを高めるといわれているサプリはいくつか存在します。他の成分と比較するとビタミンDはどうなのでしょうか?

今回の記事では、研究データを基にビタミンDサプリを摂取するとテストステロンが増えるのか? 他の成分と何が違うのか? という点を解説します。

最後までお読みいただければ、ビタミンDを摂取した時の正しい期待値テストステロンを増やすにはどんな栄養を摂取すべきかについてご理解いただけます。

ビタミンDとテストステロンの関係性とは

まずはなぜビタミンDがテストステロン向上に効果的といわれるのかを解説します。

理由はシンプル。ビタミンDはテストステロンの合成に必要不可欠な物質だからです。

男性がもつテストステロンの95%程度は、脳からの指令をもとに睾丸で作られています。より具体的には、睾丸の中にある「ライディッヒ細胞」がテストステロンを作り出しているのです。

そしてビタミンDはライディッヒ細胞が正常にはたらくための材料であることがわかっています※1

たとえるなら、ライディッヒ細胞はテストステロンの生産工場であり、ビタミンDという作業員がいないとテストステロンが作られないわけです。

実際、ライディッヒ細胞の機能が体内のビタミンD濃度によって影響を受けることは、いくつかの研究結果でも示唆されています※2

他にもビタミンDがもつカルシウム濃度の調節抗炎症作用などのメカニズムはテストステロンにポジティブな影響を与えると考えられていますが、直接的な材料になることが最も大きな要因といえるでしょう。

まとめると、有名雑誌や医師監修のメディアで語られる内容は正しく、ビタミンDはテストステロン生成に重要な存在と考えられているのです。

※1参照:Vitamin D receptor and vitamin D metabolizing enzymes are expressed in the human male reproductive tract
※2参照:Effects of vitamin D on sex steroids, luteinizing hormone, and testosterone to luteinizing hormone ratio in 307 infertile men

ビタミンDサプリを飲むことでテストステロン値は本当に増えるのか?

ビタミンDがテストステロンにとって重要な存在であることは事実。ただし、ビタミンDサプリを摂取すればテストステロンを増やすことができるのかは別問題です。

たとえば、海外製品だと推奨摂取量を大幅に超えた製品もありますが……もしテストステロンに効果的なら量が多ければ多いほど良いのでしょうか? 研究データを基に確認しましょう。

試験① ビタミンD欠乏症の男性が1年間継続摂取した場合

まずはビタミンD欠乏症の男性が長期間摂取したケースのお話です。

欠乏症とは、身体の正常な機能が維持できないほど血中ビタミンD濃度が低下した状態。基準量的には以下の通り定義されています。

  • ビタミンD欠乏症:50 nmol/L 未満
  • ビタミンD不足:50〜75 nmol/L
  • 適正量:75-125 nmol/L

では、全く基準値に満たないビタミンD欠乏症の男性がビタミンDを摂取すると、テストステロンはどう変化するのでしょうか?

研究では35歳以上でビタミンD欠乏症(平均濃度約38 nmol/L)の男性を対象に、十分量のビタミンDを1年間摂取させました。すると、参加者は1年後の計測で総テストステロン値が約28.33%増加したことが報告されています※3

つまりビタミンD濃度が適正量の半分にも満たない男性は、ビタミンDサプリを摂取するとテストステロンが大幅に増加する可能性があるのです。

日本の大学が行った研究では、東京都で健康診断を受けた人のうち78.5%がビタミンD欠乏症に該当していたというデータも報告されています※4

大幅な不足のしやすさを考えると、食生活が乱れがちだと感じる方や、日光に当たる機会が全くない方はビタミンD欠乏対策でサプリメントに頼るのも良いかもしれません。

※3参照:Vitamin D treatment improves levels of sexual hormones, metabolic parameters and erectile function in middle-aged vitamin D deficient men
※4参照:Determination of a Serum 25-Hydroxyvitamin D Reference Ranges in Japanese Adults Using Fully Automated Liquid Chromatography-Tandem Mass Spectrometry

試験② ビタミンD不足気味の男性が3ヶ月摂取した場合

次は欠乏症までいかないものの、ビタミンDが不足しがちな男性が摂取したケースを見てみましょう。

オーストラリアの研究では、ビタミンDがやや不足している状態(平均濃度56 nmol/L)の男性を対象に、約3ヵ月間ビタミンD入りオイルを摂取させました。3ヶ月後に計測を行ったところ、テストステロン値には変化がなかったことが報告されています※5

つまり、不足の度合いが軽い場合にはビタミンDを摂取してもテストステロンを増やせるとは限らないといえるでしょう。

※5参照:Effects of vitamin D supplementation on androgens in men with low testosterone levels: a randomized controlled trial

試験③ 複数の研究をまとめた総合的な判断

勘の良い方ならもうおわかりかもしれませんが……最後に2つの研究を紹介します。

まずは男性1,362名のビタミンD濃度と遊離テストステロン量の関係性をたしかめた研究から※6

もしビタミンDが体内で増えるほどテストステロンも高いなら、ビタミンDをたくさん摂取した方が良いことになりますが……結果は以下の通りです。

図を見ると、正常値の範囲(75 nmol/L以上)になってからは、ビタミンD濃度が高まっても遊離テストステロン量が増えていません。

つまり、不足していない健康な男性がビタミンDサプリを摂取しても、それ以上テストステロン値を増やすことはできないのです。

さらに追い討ちとなる2つ目の研究があります。ビタミンDを摂取させた複数の試験を評価した論文では、ビタミンDを補給することでテストステロンが向上するという明確な証拠はないと結論づけられました※7

総じて、大幅に不足している人以外はビタミンDサプリを摂取してもあまり有益な効果が見込めないことがわかります。

ビタミンDはテストステロン生成にとって重要な役割を担ってはいるものの、とにかくビタミンDサプリを飲めば良いわけではなさそうです。

※6参照:Association between plasma 25-OH vitamin D and testosterone levels in men
※7参照:Reviewing the Evidence on Vitamin D Supplementation in the Management of Testosterone Status and Its Effects on Male Reproductive System (Testis and Prostate): Mechanistically Dazzling but Clinically Disappointing

他のテストステロンブースターサプリと比較してビタミンDは効果的なのか?

テストステロンに関してデータが豊富なサプリはビタミンD以外にも複数あります。類似の効果をもつとされるサプリの中で、ビタミンDはどのような立ち位置なのでしょうか?

そもそも、ビタミンDはタンパク質脂質ミネラルなどと同じで、身体の正常な機能を維持するために必要な「必須栄養素」です。

不足していると身体が通常通りにはたらかないため、当然テストステロンの生成も減少します。そして不足分を補うとテストステロンが正常値まで回復するため、広義ではテストステロンを増やすサプリとして広まっているのです。

しかし、ビタミンDなどの必須栄養素はあくまで不足しないように必要量を補給することが大切なのであり、ビタミンDだけをたくさん摂取してテストステロンを増やすという目的で使用すべきものではありません。

また、日頃から意識していれば食事や日光に当たることでも十分な量を補給することができるため、必ずしもサプリで摂取する必要はないのです。

ビタミンDのような身体の機能維持に必要な必須栄養素を補うサプリは「ダイエタリーサプリ」と呼ばれています。

その他にも不足するとテストステロンの減少が確認されている成分としては、タンパク質や脂質、ミネラルなどが挙げられます。いずれも食事で積極的に摂取すべき成分です。

一方、すでに健康な状態の人が摂取しても明確な体感を得やすい「エルゴジェニックエイド系サプリ」と呼ばれている成分も存在します。

一番わかりやすい例は「カフェイン」でしょう。集中したい時や運動の前に飲むと、一気に覚醒感が高まりパフォーマンスの向上を実感することができます。

そしてテストステロンを増やすサプリの中にも、必須栄養素をしっかり摂れている人が追加で摂取することで、テストステロンを大幅に高めてくれるサプリがあるのです。

たとえば2020年に登場した最新のテストステロンブースターである『テスノア』は、2ヶ月間継続摂取することで健康的な男性のテストステロン値を48%増加させる機能が確認されています※8

ダイエタリーサプリとエルゴジェニックエイド系サプリはどちらもテストステロンを増やす可能性はありますが、利用目的は全く異なるといえるでしょう。

もし普段からきのこ類や魚をあまり食べない、日光に当たらない生活ということであれば、機能回復に役立つビタミンDは有益です。ただし、今よりさらにテストステロンを増やして悩みの改善や目標の達成に役立てるなら、テスノアなどのエルゴジェニックエイド系も検討すると良いでしょう。

ちなみに、エルゴジェニックエイド系のテストステロンブースターは「LJ100」「テストフェン」などいくつかあり、細かいメカニズムが異なります。

疑問点があれば、私を含めた専門家が常駐している弊社のLINE相談窓口も利用可能です。記事の最後で紹介しているので、興味があればご覧ください。

※8参照:A Proprietary Herbal Blend Containing Extracts of Punica granatum Fruit Rind and Theobroma cocoa Seeds Increases Serum Testosterone Level in Healthy Young Males: A Randomized, Double-Blind Placebo-Controlled Study

ビタミンDは不足だけ注意すればテストステロンには問題なし

今回の記事では、ビタミンDを摂取するとテストステロンを増やせるのか? という疑問にお答えしてきました。

データを参照する限りでは、不足していない人が摂取してもテストステロンを高めることは難しいでしょう。

ただしテストステロン生成に不可欠である点や、日本人が不足しやすいという点から、常に意識すべき重要な栄養素であることは間違いありません。

可能であれば、日々の食事や日光浴など、より自然な方法で十分な量を補うことが理想ですね。もし不足しがちだと感じるなら、真っ先にケアすべき成分であるといえます。

加えて、もし積極的にテストステロンを増やしたい男性は基礎栄養素に追加で『テストステロンブースター』を活用するのがおすすめです。

健康的な男性のテストステロンを高めてくれる機能があるため、今以上に男性としてのパフォーマンスを高めたいなら有益な選択肢となります。

ただし、テストステロンブースターは実感力の高い成分ほど価格帯もハイエンドになるため、もし肉体や男性機能の衰え、活力や意欲の低下など、明確な悩みがなければコスパが悪く感じてしまうかもしれません。

男性としての具体的な悩みが特に思い浮かばなければ、無理して摂取をする必要もないでしょう。

なお、テストステロンブースターは海外では主流になりつつありますが、日本ではまだ認知度の低い製品なので正しい情報も一般的なメディアには広まっていません。

もし情報が上手く出てこなくてお困りの場合は、弊社のLINE無料相談窓口にご質問可能です。

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