1月30日に行われた「加賀モビリティ・イノベーションに関するラウンドテーブル」で、加賀市の革新的な取り組みに感銘を受けた、えいすけくんとびいたくん。

今回はその第二弾として2月16日開催された「加賀モビリティ・イノベーションシンポジウム ラウンドテーブル」に参加しました。また、加賀市に移住を決めた今村博宣さんに、加賀市の魅力と暮らしの期待について、聞いてみました!

1月30日のイベント記事はこちら

登場人物

えいすけくん
えいすけくん/27歳
東京生まれ東京育ち。びいたくんとは新卒入社で同じ会社に入社した仲のよい同期。前回のイベントで加賀市に興味を持った。
びいたくん
びいたくん/27歳
石川県加賀市出身で地元愛が強い。就職を機に上京をし、現在は都内で勤務をしている。改めて地元の新しい魅力に気づき、故郷に戻ろうかちょっぴり検討中。

1月30日のイベントで、加賀市のAIオンデマンド導入によるタクシー配車やライドシェア、自動運転化の計画や、災害でのモビリティ活用と管理のシステム化など、街の過疎化という大きな課題解決のための先進的な取り組みについて知った、えいすけくんとびいたくん。

加賀市についての関心が高くなった2人は、2月16日開催の第2弾イベント「加賀モビリティ・イノベーションシンポジウム ラウンドテーブル」も参加することにしました。

最新モビリティ・イノベーション技術開発をする6社によるプレゼンテーション

今回の内容は、モビリティ・イノベーションに関わる6つの会社から、モビリティ開発の現状についての紹介と、加賀市との取り組みで期待できることの発表。未来への可能性に、2人も興味津々です。

アメリカで商用されている自動運転タクシーのレポート

まずは、ティッピングポイント株式会社の浦野隆好さんによる、Waymoの試乗体験のレポートから。Waymoとは、Googleの親会社「アルファベット」が運行している無人タクシーサービスのこと。すでにアメリカでの一部では、自動運転のタクシーは商用化されています。

実際に乗っている様子の動画とともに、浦野さんから仕様や感想を説明していきます。

人がいた時は、完全にいなくなるまでちゃんと止まっていたり、減速表示があるところはきちんと速度を落としたりと、無人とは思えない正確な運転の様子に、参加者も感心しきり。

運転に対する不安は少しありつつも、見知らぬ土地でタクシーに乗った時に起こる安全性のリスクが軽減されるなどのメリットも。浦野さんは「確実にテクノロジーは進んでいると感じた」と話していました。

ドライバーの人口不足や移動の不便さが課題の加賀市にとって、自動運転のタクシーは導入すると便利になりそうだね! 僕も無人タクシーに乗ってみたいなぁ

自動運転ゴミ収集車「エコモビ」の開発に期待される最新技術

続いては、新明和工業株式会社の後藤基成さんによる、自動運転に関する取り組みや技術についての発表へ。

創業当時は航空機メーカーだった新明和工業ですが、現在はモビリティ自動車の開発やインフラに関わるものづくりの事業を進めています。

加賀市との接点として期待されているのは、自動運転ゴミ収集車の開発。自動運転の技術開発や、立体駐車場の自動駐車などの技術を活かし、加賀市が進める自動運転ゴミ収集車「エコモビ」の開発や仕様に期待されています。

また、ドローンの技術や無人の航空艇やアプリケーションなどの設備開発など、生活環境の向上と効率化に役立つ技術についての発表もあり、加賀市のスマートシティ化にも欠かせない最新技術を知ることができました。

過疎化によってゴミ捨て場が遠くなってしまった家庭もある加賀市は、自動運転ゴミ収集車の活躍はとても期待されているんだ。最新の技術で、安全な運転と無人でのゴミ収集ができれば、より街が暮らしやすくなるよね!

遠隔モビリティ管理システムが街作りを広く支える役割に

次は、株式会社マクニカの島田真安さんによる、自動運転のシャトルバスと遠隔モビリティ管理システムの開発について。

株式会社マクニカでは、フランスの自動運転シャトルバスの技術を、日本の規制に適合させて導入の支援もしています。車体自体は自動運転レベル4対応の無人運転が可能で、レベル4環境では遠隔操作による監視のみで走行します。

さらに、遠隔モビリティ管理システムの「everfleet」も開発。運転状況の監視や、得た情報を車やドローン、空飛ぶクルマなどと共有すれば、より円滑な交通環境を創ることができます。また、その情報を都市OS(データ連携基盤)としてみんなで共有することで、観光ツールや防災や防犯の管理に役立てることも。交通手段としてだけでなく、街づくりを幅広く支えられるシステムは、スマートシティ化には欠かせない技術なのです。

加賀市でも加賀温泉駅から山代温泉への公道自動運転実証実験を準備しているんだって! 都市OSの確立で、交通の便がよくなって、効率や地域の利便性や安全性も高くなれば、いよいよスマートシティとしての魅力が高まるね

観光客と人口の増加を叶える「空のモビリティ」

4社目は、航空宇宙ビジネスに取り組む、兼松株式会社の石川高太郎さん。ドローンの社会実装の活動についての発表です。

イギリスのSkyports社と資本業務提携をしている他、2021年12月には加賀市と包括的な連携協定を締結し、ドローンの開発と実証実験を進めています。約1年前にはドローンによる医療品輸送実験を行い、すでに医療モビリティ開発の一助となっています。

また、今後加賀市とモビリティの活用を医療だけでなく、物流や観光にも役立てていくため、空飛ぶクルマなどを活用するインフラ作りに力を入れていきたいのだとか。観光客の移動手段の効率化や、病院への医薬品の迅速な運搬など、空のモビリティの強化で「来てみたい」と「住んでいたい」のどちらも叶えるモデルを計画しています。

加賀市の課題の解決に、空のモビリティの充実が一つのポイントになっているんだね! 空から見る加賀市の自然は、とても雄大で美しいだろうなぁ……

安全で正確な自動運転化のために欠かせない「高精度3次元地図」の開発

続いては、アイサンテクノロジー株式会社の福山尚久さんによる、自動運転事業と高精度3次元地図ソリューション事業について。

自動運転車やその社会実装の技術開発を進めながら、自動運転には欠かせない、精密な「高精度3次元地図」を開発。安全で正確な走行のためのデータを作成しています。

イベント当日も名古屋など3か所の都市で、自動運転バスの実証実験を実施中。今後、加賀市でも自動運転の地図製作やシミュレーションに関わっていく予定です。

精度の高い地図は、自動運転はもちろん、震災などの災害時にも役立ちそう! 今年の能登地震でも、加賀市はドローンの3Dマップがあったから、崩落現場も迅速に復旧できたんだよね

ドローン開発に適した加賀市で社会実装を目指す

最後は、ドローンの受託開発をする株式会社ハフトの今村博宣さん。ドローンの社会実装のため、加賀市とともにスマートシティ化を進めたいと考えている1人です。

落ちても安全なドローンの開発を進め、日本初の水素燃料電池の水上ドローンを製作。軽くて静かな水素燃料電池は、ガソリンやリチウム系電池よりも飛行時間が長く、ドローン普及のスピードアップを期待しています。

また、自動運転用のオリジナルロボットの開発も進め、個人の買い物はもちろん、広い農場での作業を効率化するなど、手軽なカートとして使える仕様のロボットの実装化を進めています。

広くて自然が豊富な加賀市は、ドローンの実証実験に最適。ドローン開発に適した土地で、開発から実装までワンストップでのサポートサービスも検討しているんだよ。今村さんは加賀市に移住を決めたと言っていたから、後で、そのきっかけについても聞いてみたいな

デジタルが当たり前の環境は最高の人材育成に。消滅可能性都市でもV字回復できる!

イベントが終わり、加賀市に関わる最新技術の話を聞いて、よりスマートシティ化に期待値がアップしたえいすけくんとびいたくん。さらに、登壇者の一人で加賀市への移住を決めた今村さんに、加賀市の魅力について伺いました。

Q.今村さんは加賀市への移住を決めたと伺ったのですが、なぜ移住することにしたんですか?
初めて加賀市に来たのは、2023年の7月。元は千葉県の柏市で関わっている事業の『柏の葉スマートシティ』について、加賀市の方が見学にいらしたところから接点ができ、ドローン開発のイベントがあるということで伺ったんです。 自然がいっぱいで先進的な発想に魅了され、その後8月に再び妻と一緒にプライベートで加賀市を訪れました。妻も温泉や加賀市の教育に対する考え方に魅力を感じて、すぐ2人で『ここに住もう!』と決めました【今村さん】
Q.即決だったのですね! 加賀市で最も魅力的な所はどんなところだと思いますか?
すべての環境が私たちにマッチしたところですね。私はドローンやロボットの開発をしていますが、広い土地と広大な自然はドローンの試運転に最適です。また、自治体が自動化に対して意欲的な考えを持っているので、子どもたちが小さな頃からロボットやドローンを日常的に捉えられます。自動化の便利さはもちろんですが、あるのが当たり前の環境ならエラーや対処の仕方まで自然と覚えられますし、未来の人材としてとても素晴らしい教育ができる環境だなと感じました【今村さん】

たしかに、子どもの頃から最新鋭の技術が当たり前に存在すれば、将来その知識を役立てられる人材になるし、産業も生まれそうですよね

そうですね、長いスパンをかけて子どもたちがいい環境で学べば、消滅可能性都市でも2040年には逆転V字回復を狙えると真剣に考えています。その一役を担えればと思いますね【今村さん】
Q.先ほどご自身のお仕事が環境にマッチしたとのことでしたが、加賀市に移住されたらどんなことをしたいとお考えですか?
ドローンを開発して飛ばすだけでなく、もっとトータル的に役立つ社会を作っていきたいですね。狭いエリアだからこその面白さがあって、変えていける可能性があると感じます。たとえば、先ほどのイベントでも出た『都市OS』という考え方。効率的な農業を指す『スマート農業』がありますが、ドローンを使うなどという狭い範囲でなく、データを活かしてもっと広くスマート化を目指せたらと思います。【今村さん】
小学校ではプールの授業のために毎日水温を図りますが、現在は学校や保護者だけにそのデータが共有されます。でも都市OS化が進めば、水温のデータを農業事業者も共有され、その日の畑や田んぼの温度を把握できるんです。これが本当のスマート農業ですよね。他にも、ロボットや自動運転車の移動場所をアプリで追えるシステムがあれば、幼稚園バスがどこにいるかもわかるようになるはず。そうすれば、寒い日や暑い日も、子どもを外で待たせる必要がないですよね。私が一番やりたいのは幅広い情報を住民で共有し、デジタルトランスフォーメーションで暮らしやすい環境にすることですね【今村さん】

おお! それこそがスマートシティですよね

Q.これから地方移住を考えている人になにかアドバイスはありますか?
まずは気になる場所があれば、行ってみることですね。私も加賀市を訪れてみて、ホームページで見た情報をリアルに感じることで、より『なるほど』と理解し納得できました。空飛ぶクルマの飛行場は、実際に見たら感動しましたね。教育や人材育成にも力を入れているので、お子さんがいる方にも加賀市を知ってほしいです。まずはぜひ、ご家族と一緒に、加賀市の温泉に入ってみてください【今村さん】

僕も加賀市の取り組みや温泉に感動した一人。来て分かることってたくさんありますよね! 本日はありがとうございました。

加賀市の取り組みは日本社会の発展の一助に! ともに盛り上げたいなら移住もアリ!?

今回のイベントで、最新のモビリティ・イノベーション技術を知ることができました。この技術を活かした取り組みを加賀市が率先することで、同じように人口減少が進む市町村にも解決のヒントになりそう。日本社会すべての発展のためにも、期待値が高い取り組みと言えそうです。

また、スマートシティ化を進める加賀市は、新しい取り組みにチャレンジしたい人にも最適な場所。知識や技術を活かして一緒に加賀市を盛り上げたいなら、移住の検討もアリかもしれません。

仕事をしながら広大な自然や温泉、新鮮な海の幸を楽しみ、のびのびと暮らす生活は、憧れる方も少なくないはず。今後も最新鋭の技術を活かした加賀市の取り組みに注目です!

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災害に関するモビリティ・イノベーション
2024年の元旦に発生した能登半島地震により、有事に関する課題も浮き彫りとなった加賀市。災害をきっかけに活用や開始されたモビリティ・イノベーションもあります。
空飛ぶクルマやドローンの実証実験を積極的に行っている加賀市が持つ3Dマップのデータは、崩落現場の復旧に役立ちました。また今後は、空の移動や輸送が災害時に有効な活用ができると期待されています。
そして二次避難者を多く受け入れている加賀市は、避難所の管理のデータベース化を実施。避難者や物資の在庫など、効率的な管理が可能になりました。
有事の対策は、安心安全な暮らしの基盤として大切なポイント。スマートシティ化を進める加賀市だからこそ、最新技術を活用して迅速に対応できるのです。

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