近年、「資産運用」や「投資信託」という言葉を耳にする機会が以前より多くなりました。そこで今回は、投資信託を生み出す資産運用会社、「農林中金全共連アセットマネジメント株式会社(NZAM)」の社員3名にインタビューし、資産運用会社の仕事内容やNZAMという会社について詳しく教えてもらいました。
資産運用会社って知ってますか?
2024年1月から始まった新NISA制度や日本政府が掲げている資産運用立国など、“資産運用”という言葉がますます身近に聞かれるようになりました。 ところで、みなさんは“資産運用会社”って知ってますか?
その名の通り「資産を運用する」会社のことを指しますが、一般的には投資信託をはじめとする金融商品を開発・設定し、投資家から預かった資産を運用している会社なんです。いわば、投資信託のメーカーのような役割を担っています。
投資信託はファンドとも呼ばれていて、さまざまな投資家から集めたお金を一つの資金としてまとめ、運用会社の運用の専門家が国内外の株式や債券などに投資・運用する商品です。その運用成果が投資家の投資した金額に応じて分配されます。
投資信託には、資産運用会社のほか販売会社(証券会社など)、受託会社(信託銀行など)と3つの会社が関わっています。それぞれの専門機関が役割を分担することで、厳正かつ効率的な運営が行われています。
「農林中金全共連アセットマネジメント株式会社」は、JAグループの信用事業の領域を担う農林中央金庫と、JAグループの共済事業の領域を担う全国共済農業協同組合連合会を株主とする、JAグループの資産運用会社です。
農林中金全共連アセットマネジメント(Norinchukin Zenkyoren Asset Management)の頭文字4文字をとって、NZAM(エヌザム)という略称で呼ばれています。
2023年2月には東京都千代田区九段南の九段会館テラスへ移転しており、約250名が一つのフロアで業務を行っています。
「中の人」を直撃!資産運用会社の仕事とは?
業務知識の幅広さに感銘を受け、信託銀行から資産運用会社へ
―資産運用会社を知ったきっかけや、NZAMに入社された経緯を教えてください。
新卒で入社した信託銀行で資産運用会社の方と働く機会があったのがきっかけです。私は信託銀行における資産運用会社の事務受任業務を担当していたのですが、その際に資産運用会社の方たちに色々と教えてもらい、業務知識の深さや幅広さに感銘を受け、「私も資産運用業界でプロとして働きたい」と思うようになりました。
事務だけでなく企画や運用、営業など業務の幅が広がる可能性があるため、資産運用会社で働いてみたいと思いNZAMに転職しました。
―NZAMの職場はどのような雰囲気ですか?また、入社前後のイメージ・働き方のギャップや、前職と現職の違いがあれば教えてください。
私が所属する基準価額(投資信託の値段)を算出するチームは、限られた時間で業務をこなす必要があり、信託銀行など外部とのやり取りも頻繁に発生するので、電話がよく鳴っています。また、少しでも早く基準価額算出の処理を終わらせるため、コミュニケーションを密に取りながら業務をこなしています。他の部署と比べると比較的にぎやかな雰囲気ですね。
前職も同じ仕事内容でしたので、働き方に対するギャップはありませんでした。ただ、NZAMに来て驚いたのが、商品が企画されてから設定されるまでの期間が短いことです。扱ったことのない新しい商品だとしても、いかにそれを扱えるようにするか、いかに円滑に設定できるか、各部署が考えながらスピーディーに動いていく仕事の早さに驚きました。
―どのような時に仕事のやりがいを感じますか?
入社した当時は、資産運用会社の特殊な業務や処理に慣れず、自分の業務だけで手いっぱいでしたが、現在は上司から案件を頼まれたり、イレギュラーな処理が発生した時に他の社員の方に頼っていただけたりするので、それがやりがいになっています。
―NZAMをあえて一言で表すとどのような言葉になりますか?
「個性と調和が共存する会社」ですね。当社は新卒だけでなく中途社員もいますし、直接採用の社員だけでなく親会社から出向してきた社員や、システム関連の会社からいらっしゃって常駐されている方もいます。
さまざまなルーツの方がいて、ビジネスマインドや仕事に対する考え方をそれぞれが培ってきています。一方で、お互いの考え方を尊重し、「NZAMをより良い方向に」という一つの目標に対して協働しているところが当社の特徴だと思っています。個性は大事にしつつも、全社員が同じ方向に向かっている会社、というイメージを持っています。
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株式トレーダーが語る「今、日本で1番働きやすい会社」
―資産運用会社を知ったきっかけや、NZAMに入社された経緯を教えてください。
私は前職が証券会社でしたが、その時は「セールストレーダー」という立場にいて、資産運用会社がお客さまでした。そして、資産運用会社の注文を市場に取り次ぐという仕事をしていましたので、資産運用会社の存在は入社前から知っていました。
転職活動をする中で、NZAMは自分のやりたいことが実現できそうだということ、これから成長していく会社というところに魅力を感じました。その後、現在の上席の者と話していく中で、「ここなら面白い仕事ができそうだな」と思い入社を決めました。
―NZAMの職場はどのような雰囲気ですか?また、入社前後のイメージ・働き方のギャップや、前職と現職の違いがあれば教えてください。
入社後は良い意味でのギャップがありました。私の所属するトレーディング部は、「自分たちの組織はこうありたい」という目標のようなものを部署独自で作成し、特に「みんなの考え、意見を尊重すること」を大事にしています。そのため、自分の意見を言いやすいですし、アットホームな雰囲気です。何かを行う際には、協調的な行動をとり自発的にお互いをサポートする傾向にあります。
NZAMの特徴かもしれませんが、トレーディングのノウハウなどを含めて質問すると包み隠さず色々と教えてくれる人が多く、変なストレスがかからずに働けると感じています。休暇については、連日での取得や午前休・午後休、1時間単位など柔軟に取得可能です。オフィス勤務とテレワークを組み合わせて業務効率、生産性、ワークライフバランスの向上を図れますので、この会社は「今、日本で1番働きやすい会社」だと思っています。
―どのような時に仕事のやりがいを感じますか?
トレーディング部はマーケットにアクセスして実際に株式や先物の売買を行うため、その準備にとても時間を費やします。どれがお客さまにとってベストな執行になるのか事前に色々考えるのですが、実際にやってみて自分たちが想定した以上に有利な価格、状況で売買できた瞬間は、やはりお客さまの利益に貢献できますので、やりがいを感じます。
また、基本的には1人でトレードしますが、難しい案件は2~3人で手分けして行うこともあるので、うまくいったらみんなで褒め合い、お互いにフィードバックをし合う時にもやりがいを感じますね。それと、執行に際してファンドマネージャーの方から事前に相談をいただくなど、頼りにしてもらっているのも嬉しいです。
―NZAMをあえて一言で表すとどのような言葉になりますか?
「国内屈指の金融機関の安定感とベンチャー気質を持ち合わせたチャレンジング企業」だと思います。NZAMの親会社は大企業としての安定感がありますが、当社はまださほど大きくない会社ですのでフットワークが軽いですし、未来に向けて成長を描こうとしている最中でもあります。
今後、NZAMは運用資産額がますます大きくなり、社員数も増えていき、資産運用会社として大きく発展していく会社だと思っています。
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30歳でキャリアを再考、専門性を求めて運用の世界へ
―資産運用会社を知ったきっかけや、NZAMに入社された経緯を教えてください。
前職は系統中央金融機関に勤めており、マーケット関連部署を経験する中で投資信託や資産運用会社のことを知りました。新卒で入社した当時は、ちょうど一般NISAの開始を控えた時期で投資が世間でも話題にもなっていたので、投資信託には強い興味を持っていました。
転職したきっかけは、年齢が30歳にさしかかり、今後のキャリアプランを考える中で自分の武器となるような専門性を身につけたいと思ったことです。資産運用会社は一つの部門の所属年数が比較的長くマーケットに関する高い専門性が身に付けやすいと考え、転職しました。
―NZAMの職場はどのような雰囲気ですか?また、入社前後のイメージ・働き方のギャップや、前職と現職の違いがあれば教えてください。
私の所属する運用部は、風通しが良く、立場に関係なく意見を言える環境です。私は国内債券の担当ですが、日本の金利を分析するうえでは海外経済や金利の動向も理解する必要があります。海外アセットの担当者に話を聞いて勉強する機会が多々あるのですが、目上の方であってもこちらの質問に丁寧に教えてくれます。物腰の柔らかい人が多いため、コミュニケーションがとりやすい職場だと思います。
ギャップとしては、転職活動を行う前は、ファンドマネージャーというとどっしりと腰を据えて、日々、市況や経済分析を行うイメージがありました。しかし実際は、非アクティブの海外債券ファンドなども含めたマネジメント業務があるほか、お客さまからの照会対応や新ファンドが立ち上がった際の運用体制構築など多様な業務があり、かなりスピード感を持って業務に取り組まなければいけないと感じました。
私たち資産運用会社は、お客さまから預かったお金を運用しているため、「お客さまのために」という思いがより一層強くなり、その分責任の重さを感じています。
―どのような時に仕事のやりがいを感じますか?
アクティブファンドのマネジメント業務は、結果がはっきりしているところが魅力の一つかなと思っており、自身の分析によりベンチマーク(運用の指標にしている基準)を上回る「アクティブリターン」を得ることができた時はやりがいを感じます。また、お客さまに向けて自分の分析内容を説明して役立ててもらえたとの声をいただけたときも非常にやりがいを感じます。
―「NZAMあるある」があれば、教えてください。
NZAMでは職位を問わず、社員を呼ぶ時に役職名を付けずに「さん付け」で呼ぶという決まりがあります。そのため、目上の方であっても距離感が近く、気さくに接しやすいような雰囲気があり、風通しの良さや上下関係を感じさせないところにつながっていると思います。
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目まぐるしく変化する資産運用業界でそれぞれがチャレンジ
昨今、資産運用業界は目まぐるしい変化の最中にあります。資産運用会社で働く3名は、どのような変化を肌で感じ、日々業務にあたっているのでしょうか。
―最近の資産運用業界の動きを見て、何か変化を感じますか?
河野さん:政府が「資産運用立国」の実現を打ち出していますが、その中の一つに、私が今担当している基準価額の「二者計算の廃止」が課題として挙げられています。運用会社と信託銀行で基準価額を算出して照合することは、正確性という点では優れていますが、海外ではこうした二者計算をしていないため、日本への投資運用業の新規参入障壁になっている部分もあるからです。自分の業務に大きく関わる課題ですので、真剣に向き合っていきたいです。
三枝さん:私はNZAMで4社目になりますが、前回転職活動をした2021年頃、資産運用会社の求人件数はけっこう多く、また最近は小さな資産運用会社が立ち上がるという動きもあり、業界自体の規模が大きくなっているのではないかと思っています。また、業務の面では昨今電子化が進んでいるので、現時点ではマニュアルでやっている部分も、今後どんどん電子化が進んでいくと感じています。
長友さん:政府が「資産運用立国」を掲げ、2024年からは新NISAも始まりますし、資産運用会社の社会的意義は今後さらに高まっていくと思います。私たち債券グループでも、さまざまな人に活用してもらえるような公募ファンドにも目を向けて、より取り組んでいく必要があると感じています。その際は、ファンドマネージャーとしてより堅牢な形で運用を行い、より丁寧な情報発信が必要になると思っています。
―最後に、この記事を読むまで資産運用会社をよく知らなかった方や、資産運用会社に関心を持った読者の方に一言メッセージをお願いします。
河野さん:資産運用に関わる業務は奥が深く、知れば知るほど学びたくなるような業界です。資産運用業界でプロフェッショナルを目指したい方には最適な会社だと思っています。
三枝さん:「貯蓄から投資へ」という大きな流れの中で、NZAMはその流れに乗り、資産運用会社として今後大きく成長しようとしています。私たちと一緒に資産運用のプロ集団としてお客さまの利益に貢献していきましょう!
長友さん:ファンドマネジメント業務を行ううえで経済・金融市場の見通しを立てる必要がありますが、これらはいくら分析してもし尽くすことはできず、奥が深いものとなっています。それでも、自分なりの解答を見つけ出し、それがお客さまの役に立てたときは非常にやりがいを感じることができます。金融市場に興味のある方や分析が好きな方は、資産運用会社を職業の選択肢の一つにしてもらえればと思います。
1985年10月に設立されたNZAMは今年で39周年を迎えようとしています。2021年4月には、JAグループにおける資産運用ビジネス強化の取組みにより、運用資産総額も約15兆円超となりました。
今後さらなる飛躍を遂げようとしているNZAMについて、興味を持たれた方は公式サイトをチェックしてみてはいかがでしょうか。
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