持続可能な社会の実現に向け、世界中が行動を求められる昨今。アウディは2026年以降に発表するすべてのモデルをBEV(電気自動車)にし、2033年に内燃エンジン車の生産を終える計画を発表するなど、脱炭素社会の実現・再生可能エネルギーの利用に向けた積極的な姿勢を見せています。
さらに2023年7月には、鹿児島県熊毛郡屋久島町と「屋久島の持続可能な未来の実現に向けた包括連携協定」を締結。その一環として、11月29日に屋久島高校の生徒5名を愛知県豊橋市にある本社に招待しました。
「環境学習機会の提供」のひとつで実施された、今回の校外学習。屋久島高校の生徒は、“未来”についてどう考えたのでしょうか?
アウディ×屋久島! 持続可能な未来の実現に向けた提携
アウディが掲げる経営戦略「Vorsprung 2030」。この戦略では、電動化、デジタル化、サステイナビリティにフォーカスを置いて、2026年以降にアウディが新たに発表するモデルはすべてBEVとし、2030年までにバリューチェーン全体でのCO2排出量を2018年との比較で40%削減することを目指して段階的な脱炭素化を進め、持続可能な社会に貢献していくことを示しています。
取り組みを進めていく中でアウディが注目したのが、「脱炭素に一番近い島」と世界からも高く評価されている屋久島。島の電力のうち99.6%が、島内の豊富な水資源を利用して発電する水力発電でまかなわれています。
そこでアウディは屋久島と包括連携協定を締結。アウディの電気自動車「e-tron」を使ったレンタカー事業の支援や公用車への利用、BEVを充電できる8kW普通充電器7基の寄贈、そして屋久島の生徒に対する学習機会の提供を約束しました。
包括連携協定の内容を発表した2023年7月には、さっそく屋久島高校でアウディ ジャパンが出張授業を実施。CO2削減に向けたアウディの取り組みを、高校生たちに紹介しました。
学習機会の2回目となる今回は、屋久島高校の1~3年生の希望者から選ばれた5名がアウディ車やスペアパーツの物流機能を有するフォルクスワーゲングループジャパン株式会社豊橋本社(以下VGJ)を訪問。本社施設見学やインターン生との交流、高校生によるプレゼン、SDGsへの理解を深めるワークショップなど、盛りだくさんな充実した1日を過ごしました!
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ドキドキの本社見学! 初めて目にする埠頭やカーサイロに感激
グループアフターセールス本部 ディレクター ハイコ ラツニ氏による挨拶から始まり、午前中は同社にインターン中の大学生とともに本社施設を見学。
車両整備に携わる販売店スタッフが研修を受ける「トレーニングセンター」、車のスペアパーツを保管・出荷する中央部品倉庫(パーツデポ)などを、VGJ社員による解説を聞きながら見ていきます。
パーツデポではドイツに返品する部品の一部がリサイクルされていることなど、環境に配慮した取り組みも紹介。高校生たちはときおり驚きの表情をのぞかせながら、熱心に話を聞いていました。
ひときわ大きな歓声が上がったのは、アウディをはじめとするフォルクスワーゲングループの輸入車がずらっと並べられた専用埠頭。広大な敷地に、約8,500台の車が停まっています。初めて目にする光景に、「おおー! 」「すごい! 」と、高校生は大興奮です。
修理や出荷前のチェックを行う「テクニカルサービスセンター」では、車を保管している立体駐車場(カーサイロ)も見学。注文や修理の要望が入った車をコンピューター管理で出し入れしているため、普段は社員もなかなか入れない場所だそうです。
巨大なカーサイロは薄暗く、金属製の階段を歩くたびに「カーン」と高い音が響きます。高校生たちは「映画の中みたい! 」とドキドキしながら足を進めていました。
高校生のアイデアが光る! アウディ×屋久島で実現する“持続可能な未来”
本社見学後は、お待ちかねのランチタイム。午前中のプログラムを終えて緊張が解けたのか、高校生たちの表情が柔らかくなっていました。
高校生の自己紹介を兼ねて始まったのは、「アウディ×屋久島で実現する持続可能な未来」をテーマにしたプレゼン。高校生ひとりひとりが考えた、環境問題解決や持続可能な社会の実現に向けた取り組みを発表します。
たとえば屋久島の交通事情改善のために、「自動運転による電気自動車を走らせる」というアイデア。電気自動車をマイクロバスとして運用することでCO2排出量を削減し、自動運転で人件費を削減しつつも運行本数を増やして利便性を図る、アウディと協力するからこそ実現できそうな課題解決策を示しました。
屋久島の海洋ごみの多さを問題視した高校生も。まずは環境問題を「自分ごと」として認識してもらうことが大切だと語ります。「エコを心掛けた暮らしを送っている屋久島の高校生がデザインしたエコバッグなどをアウディが生産し、多くの人に届けて環境を考えるきっかけにしてもらおう」と提案していました。
「アウディといえば車」ということで、屋久島の名産品と車を組み合わせたアイデアも多数登場。「ポンカンやタンカンを使った芳香剤をアウディの車に使用する」「屋久杉を使って誰もが手に取りやすいキーホルダーやエコを意識できるマイボトルを作る」など、屋久島住民ならではの観点で、地元の魅力やアウディとの取り組みをPRしようとしていました。
「18分の1スケールで屋久杉製のアウディ車ミニカーを作ろう」と提案したのは2年生の鹿島くん。父親が屋久杉の工芸品職人をしているため、「実際に作る場合はどれくらい費用がかかりそうなのか」「そもそも技術的に実現可能なのか」まで聞き取り調査をしてプレゼンに反映させたそうです。
「商品として販売すると高額になりすぎるので1台をアウディ本社に展示して、屋久島との取り組みを来客にPRするシンボルのような役割にできたら」と、最後は自分なりの結論を導き出していました。
大人顔負けのプレゼンに、インターン生やアウディ社員も興味津々。屋久島らしい文化や高校生ならではの観点もあり、刺激を受けているようでした。
続いてはアウディ社員から、大学生などを対象にしたインターン制度の紹介が。「予測困難な状況を克服する鍵は多様性」だと、若い世代を積極的に受け入れる意義を語りました。
さらに実際にインターンをしている大学生が、普段の業務内容やインターンへの参加理由をプレゼン。たとえ別の会社に内定が決まっていても社会人としての実務経験を積ませてもらえる、大学で学んだ語学などを活かせるなどの理由から、アウディでのインターンを志望した学生が多く見られました。
イベント業務や販売店のサポートなど、実際に取り組んでいる仕事は社員とほぼ同じ。インターン生もアウディの仲間として、よりよいサービスをめざして協力していることが伝わってきました。
最後は環境やSDGsについて、NPO法人「UMINARI(ウミナリ)」代表の伊達ルークさんがワークショップを実施。海洋プラスチック問題解決に向けて大学時代から活動を始めた伊達さんが、海に関心を持つまでの経緯や環境問題の現状などを語ります。
また、持続可能な未来に向けたアウディの取組として、川の清掃活動や使用済み部品のアップサイクルなども紹介。先進的な技術を使った車の生産だけでなく、環境改善に向けた活動をしていることを高校生たちに伝えました。
ワークショップ内では、2回のディスカッションも実施。1回目は「自然の恵みとは」をテーマに、2回目は「『私たち』が環境を守るためにできること」について、2チームに分かれてホワイトボードにアイデアを書き出します。
「『私たち』が環境を守るためにできること」として高校生が書いた「ごみの分別」をきっかけに、チーム内で議論が深まった一幕もありました。屋久島は全国的に見てもごみの分別項目が多いのだと知り、高校生もインターン生もビックリ! 分別の厳しさには地域差があると気づき、屋久島が環境保護を重視している地域なのだと改めて実感したようです。
ディスカッションのあとは、各チームの高校生がイチ押しのアイデアを発表。「製品が何から作られているかなど、身近なものの特性を知ることが大切」や「環境問題を他人ごとだと思わず、まず自分たちが知って周囲に広めていく」と、どちらのチームも持続可能な未来を築いていくうえで重要な考えにたどり着きました。
最後は「アウディ! 」と声を合わせ、参加者全員で記念撮影。満面の笑みで1日を締めくくりました。
「アウディに来てよかった! 」高校生の記憶に残った1日
学びが詰まった校外学習を終えた屋久島高校の生徒たち。2年生の鹿島くんに感想を聞いてみました。
――とくに印象的だったプログラムを教えてください。
本社見学で訪れたテクニカルサービスセンターがとても印象的で、「車がかっこいい! 」と率直に思いました。 |
――鹿島くん自身もプレゼンに挑戦していました。発表してみて、いかがでしたか?
一流企業の大人たちに自分の考えを見てもらえるいいチャンスだと思ったので、できる限りの準備をしました。口ごもったり原稿通りに読めなかったりと反省点もありましたが、プレゼン後にアウディの社員さんから「ぜひ作ってほしい」と言われたので、自分の気持ちが伝わったことがわかってうれしかったです。 |
――プレゼンでこだわったポイントを教えてください。
僕は工業系を志望しているので、「ものづくり」の観点を絶対に入れたいと思いました。木で何かを作りたい、という発想からスタートして、大好きなミニカーや車の模型を屋久杉で作れたら、と。好きなこととやりたいこと、そしてやらなければいけないことをかけ合わせて、アイデアを練りました。 |
――最後に、今日の校外学習の感想を教えてください。
一番感じたのは新鮮さです。高校の中にいたら絶対にできない体験がたくさんできました。学びがとても多くて、豊橋に来ることができてよかったです! |
ほぼすべての電気を水から生み出し、自然と人間が共存するエコな環境で育った屋久島高校の生徒たち。今回初めて見た景色、同年代との交流、環境に関するワークショップなどを通して、持続可能な社会について考えを深められたようです。
[PR]提供:アウディ ジャパン