「JOGMEC」(ジョグメック)という組織を知っていますか。正式名称は独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構で、日本社会のために資源・エネルギーを安定的かつ経済的に供給していく使命を持った組織です。日本の資源・エネルギーの安定供給確保とカーボンニュートラル社会の実現に向けて幅広い事業を推進することで、私たちの暮らしを下支えしています。
そんなJOGMECには、どのような人が所属し、どのような想いを抱いて仕事をしているのでしょうか。 今回はJOGMECの若手職員に日々の仕事内容や働き方、やりがいなどについて聞きました。
2004年に独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構として設立され、2022年の法改正に伴って正式名称が「独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構」に変更されました。主な事業分野は、石油・天然ガス、金属鉱物、石炭、地熱、洋上風力、水素・アンモニア、CCS(Carbon dioxide Capture and Storage)の7分野です。また、各事業分野においてカーボンニュートラルの実現に向けた取り組みも実施しています。
英語や調査・研究の経験を生かして日本のエネルギー供給を支える仕事に就く
――まずは現在の仕事内容について教えてください。
レアメタルの需給動向や価格動向について情報収集を行い、内外に発信するのが仕事です。現在は東南アジア地域におけるニッケルとコバルト(どちらもレアメタルの一種)を担当しています。
JOGMECが民間企業から要請を受けて出資・債務保証支援している、オーストラリアなど海外での石油・天然ガス開発プロジェクトの進捗管理を行っています。プロジェクト管理を通して日本の石油・ガス権益を確保し、ひいてはエネルギー安定の供給に貢献しています。
金属資源にまつわる調査研究を行っています。かつて開発され、現在は操業されていない休廃止鉱山から出る坑廃水の処理方法について、微生物など自然の力を使った自然回帰型坑廃水処理技術(パッシブトリートメント)による処理を目指しています。
JOGMECが2023年度からの新たに取り組む洋上風力事業(洋上風力発電は、海洋上に設備を作り、風力を使ってブレードを回転させて発電する発電方法)において、調査仕様・計画の立案や調査の監督業務、調査データの取りまとめなどを行っています。
――皆さんがJOGMECに就職しようと思ったきっかけは何だったのでしょうか。
大学院では東日本大震災をテーマに報道の研究を行っていて、就職活動ではエネルギー業界を中心に検討していました。大学でJOGMECの説明会に参加した際、偶然にも現在所属する調査課の経験者の方からお話を聞く機会があり、報道情報を基に情報収集、発信する調査課の業務に興味を持ったのがきっかけです。
就職活動では英語を使う仕事で日本社会を支えたいという想いを持っており、さまざまな業界を見ていく中で、エネルギー業界にたどりつきました。エネルギー業界には民間企業もたくさんありますが、JOGMECは日本への安定的なエネルギー供給を目指していること、多様な資源に携われることが魅力に感じました。
「環境」を軸に就職活動をしており、大学での研究分野に近い選鉱や坑廃水処理に携われるところが魅力でした。また、JOGMECは独立行政法人なので、利益にならなくても社会に必要とされる事柄に積極的に取り組めるところにも惹かれました。
洋上風力発電のセントラル調査(案件形成の初期段階から政府が主導的に関与する仕組み)に携われることや、国の主導する先進的なプロジェクトを行ったり、海外の政府や機関とも交流できたりと、民間企業にはない大きなスケールの事業に取り組めることが就職を決めた理由です。
フレキシブルな働き方が魅力、年齢や職位に関係なく協力し合う
――JOGMECには事務系総合職と技術系総合職があり、五十畑さん、練馬さんは事務系、近藤さん、梶原さんは技術系とお聞きしています。それぞれどのような役割を担っているのでしょうか。
事務系と技術系の役割や関わり方は部署によっても異なります。エネルギー開発金融部では、1つのプロジェクトに対して事務系と技術系が関わり、それぞれが役割を分担して連携しながら進めています。例えば、石油や天然ガスプロジェクトでは、お金や契約、法律の話は事務系の担当になります。一方、地下に眠る石油・天然ガスの埋蔵量や、現場での作業の話は技術系の担当です。
――皆さんの普段の働き方について教えていただけますか。
JOGMECでは出社がシフト制になっていて、一番早いと「朝8時出社・16時半退社」です。そこから30分刻みで調整が可能で、一番遅いのが「朝9時半出社・18時退社」となります。私の場合、午前中はメールの返信や打ち合わせ、午後は外部の企業の方との面談やレポート作成をすることが多いです。比較的リモートワークしやすい部署ということもあり、同じ部署の職員の多くが週2くらいで在宅勤務をしています。
私はだいたい週4日出社して週1日在宅勤務という働き方にしています。対面での打ち合わせが入っているなら出社して、集中して自分の作業を片付けたいときは在宅勤務にするという感じですね。
――事務系の方は基本的に社内にいらっしゃるか、在宅勤務が多いということですね。リモートワークもしやすく、30分単位で勤務時間が選べるシフト制など、自由度が高い印象です。
たしかに働き方は柔軟です。たとえば、「この日だけシフトを変えたい」ということも簡単にできるんですよ。その日の予定に合わせて、午前中だけテレワークで午後は出社する、みたいな調整もできます。
――技術系の皆さんの働き方はいかがですか?
私が所属しているのは研究所なので、今は大規模な実証実験を担当しており、毎週月曜日の午前中は試験場に行って採水を行い、午後は研究所に戻って分析及びデータ整理、資料作成などを行います。出張も月に1回くらいはあります。
私は外勤や出張、イベント参加などで出ていることがほとんどです。調査のデータ整理や来期の調査計画作成、契約関係の書類作成などの仕事をする時は本部に戻ってきます。例えば、今年の夏は1カ月以上、北海道に滞在していました。そういった飛び回る働き方が好きな方にはすごく楽しい部署だと思います。
――皆さん、部署によって本当に多様かつ柔軟な働き方をされているのですね。独立行政法人ということで、もっと堅いイメージを抱いていました。
私も入構する前はカチッとした印象なのかなと思って緊張していたのですが、実際には皆さんすごく柔軟だし、穏やかな人ばかりです。自分の課だけじゃなく、他の課の人に対してもすごく親身になって接してくれますし、コミュニケーションがとりやすい組織風土だと思います。
オンラインも活用して普段から積極的にコミュニケーションをとろうとする組織風土があると感じますね。また、私が担当している洋上風力は今年から始まった事業で、機構内の知見もまだまだ少ない状況です。そのため、年齢や職位に関係なく常に皆で協力し合おうという雰囲気があります。
若手のうちからスケールの大きな仕事にチャレンジできる
――若手のうちからすでに責任ある仕事を任されて活躍されていますが、研修など成長を後押ししてくれる制度はあったのでしょうか。
JOGMECでは総合研修と専門別研修があり、働きながらさまざまな専門分野の知識を身に付けることができます。例えば、石油部門の技術系職員であれば、民間の石油開発企業と一緒に受ける業界合同研修があり、機構の先輩職員が講師になって資源開発の基礎から応用まで幅広く教えてくれます。
金属系の技術職だと、研究所近くの研修施設で企業の方も参加して合同研修を行いますね。研修の最後には海外の現場に実際に行ってみるところまでサポートしてくれます。この研修は入社して5~6年目くらいまで自由に参加できるのもいいところです。私もまだ海外には行っていないので、今後参加したいですね。
海外研修は私も受けました! 1週間ほどオランダ・アムステルダムに行き、石油・天然ガスプロジェクト管理における多様なリスク評価手法を学びました。
――そうしたお仕事の中で、皆さんがやりがいを感じるのはどんなときでしょうか。
やはり、国の事業である洋上風力という大きなスケールのプロジェクトに携われることですね。洋上風力はまだ技術的に確立できていない部分も多く、試行錯誤しながら進める必要があります。私は入構して1年目の新人ですが、すでにそうしたチャレンジングな仕事に携われており、とてもやりがいを感じています。
私もスケールの大きなプロジェクトに関われていることにやりがいを感じます。日本は天然資源に乏しく、海外から輸入する必要があります。私が関わっているプロジェクトはそこに直接関係していて、日本のために働いているという実感が持てるんです。もちろん、桁違いのお金が動くため責任も大きいですが、そこはプロジェクトを一緒に管理している部署の方が事務系、技術系といるので心強いですね。
私は研究職としてのやりがいを感じています。「実験の条件をこう変えたらおもしろそうだな」とか、自分で考えて実験を進められるのは楽しいです。もちろん、その研究自体は私1人でやってきたものではなく、先人たちが積み重ねてきたものではありますが。責任はありながらも、やりたいことを楽しくやれているという充実感があります。
私は主にニッケルやコバルトといった金属について情報収集し、レポートにまとめて公開しているのですが、その反響が大きかったときは特にやりがいを感じていますね。また、最近ではカーボンニュートラルの文脈で金属がすごく注目されるようになって、海外での国際会議や意見交換をする機会も増えてきました。そういった場に参加できたときは、自分のやっている仕事のスケールの大きさを感じられました。
カーボンニュートラル社会の実現へ向けた新たな挑戦
――2022年11月に法改正があり、機構の名称が「独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構」に変わりました。またJOGMECには資源エネルギーの安定供給に加えてカーボンニュートラル社会の実現という新たなミッションが加わったとお聞きしています。この点について皆さんの業務に変化はありましたか。
私が入構したのは2023年なので、すでに法改正と名称変更はされていました。私が携わっている洋上風力事業自体がまさに法改正によって生まれた領域なので、そういう意味では私が一番影響を受けていると言えるかもしれませんね。
私の部署では出資・債務保証の支援スキームが石油と天然ガスだけではなく、水素・アンモニア、CCS(二酸化炭素を分離改修し、地中などに貯留する技術)事業まで広がりました。水素・アンモニア、CCS事業はカーボンニュートラルに貢献する新しいエネルギーとして国際的に注目されており、個人的にもこれから勉強しなければならないと考えています。新しい挑戦という点で、とてもやりがいを感じています。
カーボンニュートラルで私個人の業務は大きく変わりません。ただ、私の研究対象である坑廃水の処理方法はエネルギーコストを下げる効果があるため、実は間接的にカーボンニュートラルに貢献できるんです。業務でやること自体は変わらないけれど、自分の仕事に新たな意義が生まれたことは嬉しいですね。
私も仕事内容が大きく変わるわけではないですが、情報収集の内容が追加されたり、ESG(環境、社会、ガバナンス)や資源循環に関する調査や報告を求められたりする機会は増えてきています。今後は少しずつカーボンニュートラルに即した業務内容に変わっていくのかなと思います。
――皆さんが今後挑戦してみたいことについて教えてください。
大学では元々、海底地質研究が専門でした。ただ、JOGMECで洋上風力に携わるようになり、さらにカーボンニュートラルの視点も加わったことで、再生可能エネルギーにも興味が出てきました。今後も洋上風力をはじめ、再生可能エネルギーを突き詰めていきたいと思います。
JOGMECは元々、開発探査などの上流分野に強い組織なのですが、私の研究対象である坑廃水の処理は下流分野にあたります。私は今後も下流分野に知見を持っていきたいと思っています。
私はもっと石油・天然ガスプロジェクトの案件管理を通して、多様化・大規模化していく案件をマネジメントできる人になりたいと思っています。また、どこかに出向・留学する機会があれば、チャンスを逃さずにトライしたいですね。
私は入構したのが2020年でちょうどコロナ禍だったため、一度も海外の現場を見たことがありません。できれば今後、機会があれば海外の現場を見てみたいですね。
――最後に読者にメッセージをお願いします。
チャレンジングな仕事がしたい方はぜひJOGMECへ!
JOGMECはいろいろなことをやっていて、若手から責任ある仕事を任せてもらえる組織です。やりがいのある仕事ができるので、ぜひ一緒に働きましょう!
JOGMECの仕事は日本のエネルギーの安定供給に直結しています。そうした、社会を根幹から支えることに私は魅力を感じており、同じように思ってくれる方がいたらこんなに嬉しいことはありません。
JOGMECは日本にとって重要な仕事ができる場であり、いろいろな人が活躍できる組織です。興味を持った方はぜひお待ちしています!
柔軟な働き方でやりがいある仕事ができるJOGMEC
日本社会のために資源・エネルギーを安定的かつ経済的に供給していく使命を持った組織であるJOGMEC(独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構)。独立行政法人という名称で堅いイメージを持つ人が多いかもしれませんが、実際には個人を尊重し、柔軟な働き方ができる組織です。一方で研修制度も充実しており、若手のうちから専門性を生かして責任ある仕事に携われます。
エネルギーや資源に関する仕事や、カーボンニュートラルの推進に関心のある方は、ぜひJOGMECの採用ページをチェックしてみてはいかがでしょうか。
[PR]提供:独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構