JTが2020年6月にスタートさせた地域社会への貢献活動「Rethink PROJECT」。「視点を変えれば、世の中は変わる」をキーワードに、地域の課題解決に向けた取り組みを続けています。なぜ、JTは地域の課題解決に繋がる活動を推進するのでしょうか?
マイナビ編集部員がJT本社を訪れ、「Rethink PROJECT」のこれまでの活動内容や今後の展望などについて聞いてみました!
視点を変えて考える「Rethink PROJECT」とは
まず、「Rethink PROJECT」がどんな活動をしているのか教えてください! |
「Rethink PROJECT」は、JTが全国のパートナーと一緒に行っている地域社会への貢献活動の総称です。「心みたされるよりよい明日の実現」に向けて、「格差是正」「災害分野」「環境保全」の3つを“重点領域”に設定し、地域が抱える課題解決に取り組んでいます。
全国にパートナーがいるんですね。 |
「Rethink PROJECT」として大切にしているのがパートナーシップです。JTは47都道府県に拠点を持っていますが、世の中にはいろいろな社会課題があり、一企業ではとても解決できません。ですから、各地域の企業や自治体、住民のみなさんなど、さまざまなステークホルダーとのパートナーシップを基盤としながら活動しています。
「Rethink PROJECT」という名前の由来はなんですか? |
直訳すると、“Rethink=再考する”という意味ですが、ひとつの見方にとらわれるのではなく、視点を変えて、いろんな角度からどう見えるかを考え直してみる。そうすることによって、これまで見えなかった本質に気付いたり、新たな発想や行動に繋がったり、多様な価値観を認め合う文化が芽生えたりするんじゃないかと考えています。
なぜJTさんが地域社会の課題解決に乗り出すんですか? |
JTグループは自社のパーパス(存在意義)として「心の豊かさを、もっと。」を掲げ、その実現に向けて各事業やさまざまな活動に取り組んでいます。またJTグループが持続的に成長するには、社会の持続的な発展に貢献することが必要不可欠だという考えの下、地域社会の課題解決に向けた取り組みを行っており、「Rethink PROJECT」もその一環となっています。
「Rethink」で本質に気付き、地域社会の課題に向き合う
そもそも、「Rethink PROJECT」をスタートさせた理由について教えていただけますか? |
「Rethink PROJECT」の発足は2020年ですが、それ以前から社会貢献活動に取り組んでいました。しかし世の中の変化に伴い、もっと多様なニーズに向き合っていかなければならないと考え、共通のコンセプトを掲げながら、地域に根差した貢献活動を展開するため「Rethink PROJECT」を立ち上げたんです。
「Rethink PROJECT」を立ち上げて変化はありましたか |
「Rethink=視点を変えて考える」をキーワードに、私たちの取り組みや目指すことが周囲の人たちに伝わりやすくなり、同じように課題を感じている方々からの共感を得ることができるようになったと感じています。繰り返しになりますが、地域に根づく課題を解決するには、地域の企業や団体、行政など、同じ志を持ったパートナーの協力は必要不可欠です。持続的な取り組みを続けていくうえで、パートナーシップはまさに活動の基盤ですね。
地域の災害リスクを見直す「防災ジオラマ」を全国展開
それでは、これまで取り組んできた活動内容を具体的に教えてください! |
全国展開している活動は主に5つあります。1つは「Rethink Creator PROJECT」。クリエイターを育成することで地域創生を目指すプロジェクトです。
2つめが「Rethinkフォーラム」。著名人や有識者と共に、地域の課題に関わるパネルディスカッションなどを開催しています。
3つめが「ひろえば街が好きになる運動」、通称「ひろ街」。自らゴミを拾うことで、ゴミを捨てない気持ちを育てる市民参加型の清掃活動を行っています。
4つめが「JTの森」。一定の期間借り受けた森のお手入れをする森林保全活動で、現在は全国の9つの森で実施しています。そして5つめが、災害分野として実施している「防災ジオラマ」ですね。
「防災ジオラマ」? |
一般社団法人防災ジオラマ推進ネットワークとパートナーシップを組んで、ダンボール製のジオラマを使い、地域の災害リスクを学ぶ防災教育プログラムです。実は、元々JTでは2011年から東日本大震災の復興支援に取り組んできたのですが、取り組みの一環として、2021年には福島県、宮城県、岩手県など東北を中心に防災ジオラマを用いた防災教育プログラムを実施しました。
復興支援活動を通じて培った経験や人との繋がりを活かし、今後は「防災」の取り組みとしてそれを全国に展開しようということで、今年から東京都内や関西などに開催場所を広げ、「Rethink PROJECT」の主要施策のひとつになりました。
これはパッと見でわかりやすそう! どうやって作っているんですか? |
地図データを使ってダンボールに地図を転写し、立体的に組み上げていきます。ダンボールの厚みごとに高低差ができる仕組みですね。
なるほど~。 |
防災ジオラマで街を俯瞰することで、「ここが浸水したら危ないね」「この山は土砂崩れのリスクがあるね」と地形の特徴から想定されるリスクがハッキリとわかり、もしもの時にどう行動をとればいいか考えるきっかけに繋がると思います。防災ジオラマはハザードマップの理解の浸透、防災意識の向上という課題の解決に役立つと考えています。
参加者のリアクションはいかがですか? |
実際に参加された多くの方からは、「自分の行動を考えるキッカケになった」などのお声をいただいていて、防災ジオラマを用いたイベントに参加して良かったと思ってもらえているようです。
大阪の堺市では地域住民の防災意識の向上や情報発信を課題としていて、身近な地域の災害リスクが学べる防災ジオラマに関心を持っていただけました。堺市は沿岸部には津波リスクが、内陸部には川の氾濫リスクがあるなど、ジオラマを通じて複合的な災害リスクを抱える地域ということがわかりやすく伝えられたのではないかと思います。その後もイベントを実施して終わりにせず、ジオラマを堺市へ贈呈し、同市の独自の防災啓発活動へ活用いただいています。
日本遺産へのスマートごみ箱設置に協力、地域とともに持続可能な観光地づくりを目指す
最近はどんなプロジェクトを進めているのでしょう? |
先ほどお話した5つの取り組みは、どれも全国展開しているものですが、それ以外にも各地域の課題に合わせた活動をたくさん実施しているんです。その事例のひとつが、山梨県の昇仙峡で実施した、IoTごみ箱「SmaGO」の設置プロジェクトへの協賛です。
観光地でのごみ問題に課題を抱いていた公益社団法人の日本観光振興協会が主体となり、「観光客受入に向けた環境整備プロジェクト」が発足。第一弾は、秋には紅葉目当ての観光客が増える昇仙峡が舞台となり、Rethink PROJECTも環境保全の一環として協賛することとなりました。
なぜ、IoTごみ箱だったんですか? |
ごみ箱は定期的に管理が必要ですし、人手もかかるんです。昇仙峡のような場所は野生の動物がごみ箱を漁ったりもするので、設置しづらいという事情もありました。オフシーズンは観光客が少ないこともあり、年間を通した日常的な管理には負担がかかります。
「SmaGO」は太陽光で発電しているからバッテリーが切れることもありませんし、満杯になったらごみを自動で圧縮することで、通常の5倍ほどのごみを収容することができます。ごみを回収するタイミングも遠隔で把握できるので、管理者の見回りの手間も減らせます。
昇仙峡周辺を管理する昇仙峡観光協会にとっても、ごみ収集作業の効率化と、ごみ箱の管理負担も抑えられることが期待できるということで、設置実現に至りました。
パートナーシップを大切に、地域に根ざした活動を持続する
「Rethink PROJECT」の今後の展望について教えてください! |
心みたされるよりよい明日の実現に向け、これまでの活動で培ってきたノウハウや関係性を活かしながら、今後も地域社会のニーズや課題に向き合い、より一層「Rethink」の輪を広げていきたいです。どのプロジェクトにも共通して言えるのは、「パートナーシップの大切さ」であり、それぞれの想いや強みを尊重し合って、共に課題解決に取り組んでいきたいと考えています。
最後に、読者のみなさんにメッセージをお願いします! |
「Rethink PROJECT」は一見大きなプロジェクトに見えるかもしれません。ですが、「Rethink」は日頃の生活と密接に関わる発想です。自分の視点だけではなく、相手の視点ではどう見えているかを考えることで、いつもとは違った行動を取れる場面がたくさんあるかと思います。これを機にみなさんの視点を変えて考えるきっかけにもなれたら嬉しいです。
今回紹介しきれなかった活動も沢山ありますので、「Rethink PROJECT」って面白いことをやっているな、と興味を持ってくださった方はWebサイトやXなどでも活動内容を発信しているので、ぜひ覗いてみてください!
「Rethink PROJECT」 公式X(旧Twitter)
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