入社後に後悔しない就活をするためには、“企業選び”が重要。しかし数ある企業の中から、自分が働きたいと思える場所を見つけるのは簡単ではありません。「どんな働き方をしているのか」、「将来どんな生活ができそうか」などを判断するためにも、情報収集は非常に大切です。

「情報収集は就活だけでなく、入社後の生活を考える上でも重要」と語るのは、SNSや就活コミュニティなどで多くの就活生のサポートをしているFラン卒サラリーマンさん。今回は「後悔しない就活の進め方」と題して、就活を始めたばかりの大学生お二人と、就活を終えて働き始めたばかりの新卒社会人も交えて座談会を実施し、就活で大事なポイントや情報収集の進め方を教えてもらいました!

※座談会は9月初旬に実施しております

参加者はこちら!

 Fラン卒サラリーマンさん
新卒で日系大手企業に就職。現在は起業し、就活コミュニティ事業や企業SNS運営支援などを行っている。 X(旧Twitter)のフォロワー数は掲載時点で6.8万人、就活コミュニティではこれまでに約4,000人の就活生をサポートした。座談会にはリモートにて参加。

 はまださん

大学3年生。専攻は英文学。秋以降のインターンに向けてエントリーシートを作成中。

 よしはらさん
大学3年生。専攻はメディア社会学。自己分析を進めつつ、長期インターンに参加している。

 うえたけさん
2023年4月に広告会社に就職。企業の広告業務などに携わっている。
大学時代の専攻は教育学。

就活だけでなく入社後にも影響⁉ 「情報収集」がカギとなる理由

――大学生のお二人は、いつから就活を始めましたか?

6月頃から就活を始めました。今は自己分析を自分なりに進めながら、気になった会社のインターンに参加しています。


5月から合同説明会に参加し始め、夏休み前からはサマーインターンへの応募を始めました。今も秋以降のインターンに向けてエントリーシートを書いています。


――就活の悩みや不安はありますか?

企業を早い段階で絞りすぎていないかな、と不安になっています。勤務地や福利厚生などを見て「これはちょっと……」と思う点が見つかるとすぐに候補から外してしまって……。この方法で進めても大丈夫なのでしょうか?


情報収集って、難しいですよね。どこまでやればいいのかも、どう進めればいいのかもわからなくなります。


――Fラン卒サラリーマンさんにお伺いします。そもそも企業の情報収集は、必要なものなのでしょうか?

  • 就活コミュニティ事業や企業SNS運営支援などを行うFラン卒サラリーマンさん

そうですね。企業の情報収集は、2つの観点から大事だと思います。
1つ目は就活の選考対策のため。選考前にきちんと情報を集めておくことで、ほかの就活生と同じスタートラインに立てます。2つ目は入社後のギャップを最小限にするためです。ギャップが大きいと、入社後に後悔する場面が増えてしまうかもしれません。


――よしはらさんとはまださんが普段企業の情報収集をするときの手段を教えてください。

就活を始めた当初は、学生向けの就活サイトを見ていました。でも、その情報だけでは足りないと感じることが多くなって……最近では、X(旧Twitter)で直近のインターンや選考の情報を集めたり、就活体験談が集まるサイトを見たりしています。


私もまずは就活サイトで目星をつけてから、気になった企業のホームページや新卒採用のサイトを見ることが多いです。企業説明会に参加したときは直接質問することもあります。あとはInstagram。就活情報を発信しているアカウントをフォローしています。


私も就活用にXのアカウントを作って、情報を集めていました。


Fラン卒サラリーマンさんも採用や選考に関する情報をたくさん発信してくださるので、いつも助けられています!


ありがとうございます!(笑)。


――Fラン卒サラリーマンさんとうえたけさんは、就活で「やっておいてよかった」と思った取り組みはありましたか?

企業の名前や採用スケジュールなど、チェックした情報をスプレッドシートにまとめていたのが役立ちました。就活サイトやSNSによって載っている情報も違いますし、何回もサイトを見比べるのは面倒です。だから、ひと目見てわかる形にまとめていました。


いちいち検索をしていると、時間がかかってしまいますよね……。


しかも知らない間に説明会が終わっていた、ということも珍しくありません。就活は情報戦だと感じているので、効率よく情報収集をすることが大切だと感じました。


僕はOB・OG訪問をかなりやりましたし、やってよかったと思っています。企業説明会ではわからないことを質問でき、また、エントリーシートをチェックいただいて、社会人の視点でフィードバックをいただくこともあったのでとても助かりました。


それはやってみるしかないですね!でも、社会人の先輩が僕に会ってくれるのだろうかと、つい身構えてしまって……。


僕も社会人の方がボスキャラに見えて怖かったです(笑)。だから慣れるまでは、友人と2人で会いに行きました。


学生の本音は「いい情報だけじゃなく、本音の情報が知りたい」

――大学生のお二人は、もしOB・OG訪問をしたらどのような質問をしたいですか?

いいイメージのある情報だけではなく、給料や職場の環境に対する本音も聞きたいです。


自分がしたい仕事が本当にできるのか、なぜその方は入社を決めたのかなど、なかなか表には出てこない情報を聞いてみたいと思いました。


みなさん深く考えていて素晴らしいですね。僕は今でこそ就活サポートをする立場になりましたが、学生時代は「自分のやりたいことができる大手企業に行ければいい」という考えだったので、入社後に後悔がたくさんありました。


――それはどういった後悔だったのでしょうか?

僕はお酒に弱いのですが、新卒で入社した企業は飲み会が多くて……。企業の体質のようなものは、事前に知っていればよかったな、と思いました。


たしかに!


あとは勤務地です。僕はずっと東京育ちなのですが、入社後に地方勤務になってしまい……。周りにコンビニがないなど、初めて経験する環境が予想以上に辛かったです。勤務地が全国にあることはわかっていたのですが、就活当時は「自分は大丈夫だろう」という謎の自信があって(笑)。


わかります!私も総合職で勤務地が東京以外になる可能性はあったのですが、なぜか「大丈夫だろう」と思っていました(笑)。地方転勤など自分にとってのリスクも考えて、慎重に企業を選んだほうがいいかもしれません。


僕は企業選びで大事にしたいポイントをあまり明確に持っていなくて……。業界も企業もまだ絞れていません。「自分の芯がなくて不安」という気持ちは、3年の夏休み時点で抱えていても大丈夫なのでしょうか?


よしはらさんのように、気になった会社を幅広く調べてみるのは正解だと思います。社会を経験していない学生がいきなり「どんな仕事をしたいか」を見出すのは難しいはずです。企業研究をするうちに社会を知ることができますし、むしろ最初は業界を絞りすぎないほうがいいと思います。


そうなんですか⁉


最初から業界を絞ってしまったために、内定がなかなかもらえないという人を何度も見てきました。でもそんな人も、ほかの業界を受けてみると、思いのほか自分の興味と近かったり、そこから内定がもらえたりするものです。だから最初は視野を広く持って、会社を幅広く調べていくことが大事だと思います。社会を知るなかで軸を決めていく、そして少しずつ候補を狭めていくといいかもしれません。そして、ある程度軸に当てはまっていたら、業界に関係なく企業説明会やインターンシップに参加してみてもいいと思います。


軸って何ですか?


「有給休暇を取りやすい職場がいい」、「残業が少ない」など、働く上で大切にしたいポイントです。具体的な仕事の内容だけでなく、職場に求める条件も軸になります。


たしかに、有給取得のしやすさは気になりますね……。


企業選びの「軸」は人それぞれです。自分が働く上で何が譲れないのかを考えた上で就活を進めると、とてもスムーズに企業選びができるはずです。


「軸」を決めたら情報収集!

ここからは、Fラン卒サラリーマンさんに教えてもらった「軸を決めてから企業の情報収集をする」という方法で、大学生が企業調べに挑戦することに。今回は厚生労働省が運営する情報サイト 「女性の活躍推進企業データベース」を使い、軸に合う企業を見つけていきます。

今回情報収集に使った
サイトはこちら!
女性の活躍推進企業データベース
厚生労働省が運営する企業情報サイト。女性活躍推進法に基づいて企業が公表した社内制度や働きやすさなどに関する情報を、会員登録不要・利用料無料で閲覧できる。2023年9月10日時点のデータ公表企業は29,109社、行動計画公表企業は39,900社。

情報収集の手順1:自分が働く上で、譲れないポイントを考える

まずは就活の軸となる、「自分にとって譲れないポイント」を洗い出します。

こだわりたいポイントがありすぎて、迷ってしまいます……。


私は「実家から通える職場」が譲れない軸でした。ほかにも軸はありましたが、全部の条件に当てはまる企業はなかなかないので、優先順位を決めておくといいと思います。


たしかに優先順位は大事ですね。物件選びと一緒で、こだわりが強すぎると候補がなくなってしまいます。「これだけは外せない!」という軸を決めて、それ以外は「当てはまっていると嬉しい条件」のように考えてみてはどうでしょうか?


ラン卒サラリーマンさんは、就活で「ここも軸にしておけばよかった」と思ったポイントはありましたか?


先ほど話した勤務地のように、自分にとって何がリスクかは考えるべきだったと思います。あと、社会人の基礎ができていないと仕事をする上で大変なので……個人的には、研修制度が充実しているかどうかも軸として入れるのがおすすめです。


アドバイスを受けて、軸について改めて考えるお二人。熟考の末、情報収集でとくに注目したい軸を書き出しました。

有給休暇取得率を軸にしたいです!


普段は忙しくてもいいのですが、休みたいときにきちんと休める会社がよくて。旅行が好きなので、社会人になっても休みが取りやすいと嬉しいです。


プライベートとの両立を軸にしました。


僕はフラッグフットボールというスポーツに取り組んでいて、社会人になっても続けたいと思っています。練習や試合にもきちんと参加したいので、希望日に休みが取りやすかったり残業が少なかったりといった、プライベートと両立しやすい職場が理想ですね。あと、将来もし結婚して子どもができてからも働けるように、男性育休などの制度も充実しているとよいですね。


情報収集の手順2:軸に当てはまる企業を名前 or 条件で検索!

軸が決まったら、さっそく情報収集スタート! 「女性の活躍推進企業データベース」の「企業情報の検索」ページにアクセスし、軸に当てはまりそうな検索条件を設定します。特定の志望企業がある場合は、企業名でも検索可能です。

「年次有給休暇取得率」、「男女別の育児休業取得率」、「一月当たりの労働者の平均残業時間」、あとは「プラチナくるみん認定」と「イクメン企業アワード」にチェックを入れました。所在地は「東京都、神奈川県、千葉県」で検索してみます。


「くるみん認定」は、「子育てサポート企業」として厚生労働大臣の認定を受けた証。子育てをする社員が働きやすい職場を判断する指標のひとつです。「プラチナくるみん認定」は、すでに「くるみん認定」を取得しており、より高い水準で両立支援の取り組みをしている企業に認められます。「イクメン企業アワード」は、男性社員の育児と仕事の両立に力を入れている企業への表彰です。

「女性の活躍推進企業データベース」で掲載している認定マークの一例

私は「フレックスタイム制度」、「年次有給休暇時間単位取得制度」、「教育訓練・研修制度」、「年次有給休暇取得率」にチェックを入れました。所在地は「関東、甲信越・北陸、東海・近畿、中国・四国」で調べてみます。


検索してみると、条件に当てはまる情報を公開している企業が次々とヒット。有名な大手企業の名前もあれば、初めて知った企業もあるようです。

今までは人材・広告・航空のあたりを見ていましたが、名前を聞いたことがない、電気・化学系の企業も軸に当てはまって驚きました。あと、これまではあまり気にしていなかったのですが、育休を長めに取得できる会社もあるんですね!


法律上は原則1年、最長2年までですが、会社独自の制度で3年ほど育休を取得できる企業もあります。


僕は男性ですが、女性の労働環境も知りたかったのでありがたいです。育休取得後に復帰しやすい制度がある職場は、男性も女性も気になると思います。


たしかに!


男性が多そうな一次産業でも、男性の育休取得率が高い企業があって意外でした。これまでの調べ方では見落としてしまっていたものの、実は自分の軸に合っていた企業ってたくさんあるんですね!


  • 希望の条件を入れて検索をしてみると、事業内容や企業規模、所在地だけでなく、女性社員の割合や平均残業時間、有給休暇の取得率などさまざまなことが調べられる

育休や働きやすい制度作りなどを当たり前に取り組んでいる会社は、わざわざアピールしないケースも多いですよね。そうした目に入りにくい情報を掘り起こしていくと、候補に入れたい企業が増えそうです。


あと、「男女の賃金の差異に関する実績」という項目を見つけたのですが……これはどんなことがわかる情報なのでしょうか?


男性の給料を100%とした場合、女性の給料は何%なのかがわかります。数値が100に近いほど、男女の賃金格差が少ないです。


女性が活躍できるかどうかを考える上では、重要な項目ですね!


自分の条件に合った企業を探してみる

女性の活躍推進企業データベース

情報収集の手順3:気になった企業をお気に入り登録&比較!

「女性の活躍推進企業データベース」には、気になった企業をお気に入り登録する機能も。さらに複数の企業を選択し、比較表示できる機能もあります。

お気に入り機能や比較機能を使うと、企業の候補を絞りやすくなりますね。私も就活していた当時に知っていたらよかった……!


各企業の取り組みを一覧で見られるので、とても便利です!


「信頼できる情報がまとまっている」「新たな企業に出会える」
厚生労働省が運営する情報サイトの利点

――「女性の活躍推進企業データベース」を使ってみた感想を教えてください。

情報がとても詳しいですし、検索条件も細かくて使いやすかったです。


情報量が充実していて、従来ならOB・OG訪問をしないとわからなかった部分が調べられるのが嬉しいですね。


これだけ働き方に関して具体的な情報がまとまっているサイトは少ないと思います。個人的には、認定マークで検索できるのも便利だと感じました。自分が社会人になってから、第三者からの評価の重要性を感じるようになりました。認定マークはその会社の取り組みを周りが評価している証拠なので、信頼に値すると思います。


女性の活躍推進に関するデータをどの程度公表しているのか、という点もひと目でわかって驚きました。「全データ公表」と書かれている企業は、とくに働きやすい環境づくりに力を入れていそうです。


しかも今回は軸を決めた上で検索をしたので、いい企業に出会えました。エントリーしてみたいと思う企業もたくさんあったので、最初のきっかけにぴったりだと思います。もしまだ軸が定まっていなくても、検索条件の項目を選んでいるうちに「自分が大事にしたい軸はこれかもしれない」と気づけそうです。 「女性の活躍推進企業データベース」という名前を聞いたとき、一見女性向けなのかと思いましたが、男性の自分でもとても役に立つ情報が得られたので、友達にも紹介したいです。


就活の軸が見つかる!

女性の活躍推進企業データベース

座談会を終えて……

――最後に、座談会の感想を聞かせてください。

自分の就活時代を思い出して懐かしくなりました。私も候補を最初から絞りすぎたり、情報収集の方法がわからなくて悩んだりしていたので、見逃してしまった企業がたくさんあったかもしれません。情報収集の大切さや便利なサイトを知ることができて、タメになりました。


「女性の活躍推進企業データベース」は自分が就活していた頃に知りたかった、素晴らしいツールです。今後就活をする人にも紹介したいと思います。


サイトを見ていると、社会人になった自分ですら注目していなかった新しい観点に気づけました。たとえば男女の賃金の差異からは管理職の女性比率だけでなく、仕事を正当に評価してもらえるか、出世がしやすいかも推測できます。ただ、たとえば元々女性が少ない会社が新卒女性の採用を積極的に進めている場合、逆に男女の賃金の差異が生じることもあります。 「女性の活躍推進企業データベース」の男女の賃金の差異に書かれている「注釈・説明」でその辺りも説明されていますので、あわせて読んでみてほしいです。


「就活は情報戦」といわれているように、今は情報の量がとても多く、出所がわからない情報もあふれています。一方で 「女性の活躍推進企業データベース」は情報の信頼性が保証されていて、安心感がありました。友達にも薦めて、みんなで無事に就活を終えられたらと思います。


社会人の方のお話も聞けて有意義な時間でした。実際に 「女性の活躍推進企業データベース」を使ううちに、「結婚や出産を経ても仕事を続けたい」という自分の中に隠れていた軸にも気づけてよかったです。「女性の活躍を応援している」といっても、具体的にはどのような取り組みがあるのか、実績としては何が伴っているのかは企業によって異なります。そうした細かい部分まで検索できていいな、と思いました。


がむしゃらに情報を集めるのではなく、軸を決めてから情報収集に取り組んでみた大学生たち。改めて、企業選びでこだわりたいポイントが見つかったようです。

さらに 「女性の活躍推進企業データベース」で職場の環境を知ることで、候補にしたい企業に出会えて視野が広がった様子。後悔しない企業選びができそうだと、手応えを感じていました。

現在29,109社が登録中!

女性の活躍推進企業データベース

個人情報の登録不要・利用料無料!女性の活躍推進企業データベース

厚生労働省が運営する 「女性の活躍推進企業データベース」は、利用料無料で誰もが閲覧できるサイトです。会員登録不要なので、検索前に余計な手間もかかりません。

厚生労働省が運営しているとあって、信頼できる情報が集まっているのも魅力的です。PCからはCSVデータで各企業の最新情報がダウンロードできるので、じっくり企業を調べたいときにも便利です。

また、女性の活躍推進に力を入れている企業は、ダイバーシティーやワーク・ライフ・バランスを重視している傾向があるため、働きやすい職場選びにも役立ちます。男性の育児休業に関する情報なども掲載されており、女性のみならず男性の企業研究にもおすすめです。

さらに各企業の女性活躍に関する数値目標や取組方針などが盛り込まれている「女性活躍推進法に基づく一般事業主行動計画」をあわせて見ることで、職場の現在だけでなく、将来の姿を思い描くこともできます。

「自分らしく働ける会社か」、「やりたいことが実現できそうか」など、さまざまな観点で検索してみてはいかがでしょうか?

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※掲載時点での情報となります。あらかじめご了承ください。

[PR]提供:厚生労働省