食べるだけで仕事や勉強のパフォーマンスが向上する食べ物があるなら、食べてみたいですよね?
「仕事に集中できない……」
「簡単なミスが増えた……」
そんなお悩みを抱えている人には、脳機能を高める成分を含んだブレインフードがおすすめです。
実は、意外にも身近な食材がブレインフードとして活用できるんですよ。
今回は研究データにもとづき、おすすめのブレインフードを12個ご紹介します。
ブレインフードに必要な絶対条件とは
そもそもブレインフードとは、脳で有益にはたらく栄養素を含んだ食べ物を指します。
健康によいとされる栄養素は数えきれないほどありますが……これらすべてが脳へ届くわけではありません。
というのも、実は栄養素が脳ではたらくためには『血液脳関門』と呼ばれる脳の関所を突破する必要があるからです※1。
脳は人体の中でも特に重要な器官なので、血中の不必要な成分や病原体などの有害物質が侵入しないように、脳につながる血管でブロックしています。
そして、食事で摂取できる栄養素の中でも血液脳関門を通過して脳に到達できる成分はごく一部なのです。
つまり「ブレインフード」と呼ぶには「血液脳関門を通過して脳ではたらく成分を含む食べ物」であることが絶対条件なのです。
ブレインフードの種類3つ
続いては、ブレインフードの成分が血液脳関門を通過したあとに、どのようなはたらきで脳機能が高まるのかを解説していきましょう。
ブレインフードの種類は大きくわけて3つ。
ここをしっかり押さえておけば、どんなときに何を食べればよいか判断しやすくなります。
1.脳が正常にはたらくための必須栄養素を含む食べ物
前提として、脳を正常にはたらかせるためには必須栄養素であるビタミン類が必要不可欠です。
実際、いくつかのビタミンは脳で重要なはたらきをするため、不足すると認知機能も低下してしまうことがわかっています。
たとえば、脳内にはビタミンDを必要としている細胞が多く存在していることがわかっており、ビタミンDが不足している人は認知症やアルツハイマー病のリスクが高いとのデータもあるんです※2※3。
そのほか、ビタミン類の中でもエネルギーの代謝に必要なビタミンBや、抗酸化作用をもつビタミンC・ビタミンEは血液脳関門を突破して脳で作用することがわかっています※4。
つまり、脳がはたらくために必要なビタミンを豊富に含んだ食材は、それだけでブレインフードとなります。
普段からビタミン不足の自覚がある人や、なんとなく体調がすぐれない、やる気が起きないなどの不調を感じている人は、脳に必要なビタミンを含んだブレインフードを意識して摂取しましょう。
※2参照:The Role of Vitamin D in Brain Health: A Mini Literature Review
※3参照:Low Vitamin D and Its Association with Cognitive Impairment and Dementia
※4参照:The Role of Brain Barriers in Maintaining Brain Vitamin Levels
2.神経伝達物質を増やす食べ物
神経伝達物質とは脳内で情報伝達を担っている物質であり、身体機能や精神現象をコントロールするはたらきをしています。
頭をはたらかせる時の情報のやりとりでも活躍しているので「神経伝達物質」を増やす食材はブレインフードとして機能するのです。
特にドーパミン、セロトニン、ノルアドレナリンは三大神経伝達物質として有名ですが、そのほかにも脳内には20種類ほどの神経伝達物質があるといわれています。
中でも「やる気ホルモン」と呼ばれるドーパミンは、増やすと集中力を高めて認知機能を向上させると研究でわかっているんですよ※5。
ドーパミンは運動したり好きなことをしたりといった方法でも増やせますが、食事やサプリメントで材料を摂取してあげることで、集中力の増加や眠気の払拭など強い体感を得ることができます。
大事なプレゼンがあるとき、絶対に失敗できない試験があるとき、集中して一気にパフォーマンスを発揮したい時など、瞬発的に脳の機能を高めたい人は神経伝達物質を増やす成分を含んだブレインフードを摂りましょう。
※5参照:The Role of Dopamine and Its Dysfunction as a Consequence of Oxidative Stress
3.強い抗酸化作用を持つ食べ物
抗酸化作用をもつ成分で、なおかつ血液脳関門を突破する物質は脳の健康にとって非常に有益です。
人体は酸素を利用してエネルギーを作り出しますが、同時に細胞を攻撃して傷つける有害な活性酸素も発生します。つまり、人間は生きているだけで活性酸素が溜まっていく生き物なのです……。
そして、脳のダメージも脳で発生する活性酸素が原因で起きていることがわかっています。実際の研究でも、アルツハイマー症や脳血管障害、神経障害などの脳の病気は酸化ストレスが原因で起こるとわかりました※6。
通常は体内の酵素が活性酸素を分解して無毒化しますが……活性酸素の量が多いと酵素だけでは間に合いません。
そこで抗酸化作用のある成分を摂取して脳に届けることができれば、ダメージを軽減できるというわけです。
最近では疲労も活性酸素が原因とされているため、抗酸化物質のチャージで脳疲労の軽減まで期待できます※7。
「たくさん寝たはずなのに疲れがとれない……」
「単純なミスが増えた」
そう感じている人は、脳にダメージや疲労が蓄積しているかもしれません……。疲れが溜まりがちな人や長時間頭脳を使う人には抗酸化作用がある成分を含むブレインフードがピッタリなので、積極的に摂取していきましょう。
※6参照:Severe Life Stress and Oxidative Stress in the Brain: From Animal Models to Human Pathology
※7参照:Fatigue May Relay on the Increase of Oxidative Stress
脳機能を高めるブレインフードおすすめ12選
ここからは研究データをもとに、おすすめのブレインフード12選をお伝えします。
すぐにでも食事に取り入れられる食材ばかりなので、ぜひ参考にして脳機能を高めていきましょう!
1.サバ・アジ・イワシなどの青魚
青魚にはオメガ3脂肪酸のうちDHAとEPAが豊富に含まれています。
「DHAやEPAを摂取すると頭がよくなる」というイメージがありませんか? 実は脳のおよそ60%は脂肪でできていて、そのうち半分はオメガ3脂肪酸で構成されています。
つまり、DHAやEPAは脳をつくる材料であり、記憶や学習に欠かせない成分なんです。
実際にアメリカの研究でもDHAが学習・記憶機能を改善し、加齢に伴う認知機能の低下を防ぐことに有益だとわかっています。
研究では、55歳以上の被験者485人を対象に、1日900㎎のDHAを24週間にわたって摂取してもらいました。その結果、DHA摂取グループの血中のDHA濃度は2倍に上昇し、飲まなかったグループと比較して認知能力テストの誤回答が減少したのです※8。
DHAやEPAは加熱すると魚から流れ出てしまうため、お刺身など生の状態で食べるのが最良の摂取方法です。
とはいえ魚を毎日食べるのはなかなか難しいので……手軽に取り入れられるサプリメントもおすすめ。DHAやEPAのサプリメントは比較的安く購入できますよ。
「学生時代と比べて集中力や記憶力が明らかに落ちている」と感じている人は、DHAやEPAが含まれたブレインフードを積極的に摂りましょう。
※8参照:Beneficial effects of docosahexaenoic acid on cognition in age-related cognitive decline
2.くるみ
ナッツ類の中でも、特にくるみにはオメガ3脂肪酸のうちα-リノレン酸、強い抗酸化作用をもつビタミンEが豊富に含まれています。
脳の材料でもあるα-リノレン酸は脳細胞を活性化し、細胞の減少を抑制。そして、ビタミンEは抗酸化作用により酸化ストレスから脳を守ってくれます。
つまり、くるみは高い栄養価を誇り、さらにブレインフードとして役立つナッツの王様なんです。
実際、アメリカ合衆国国民の健康に関するビッグデータを調査した研究でも、くるみが認知機能を向上させると判明しています。
くるみの平均摂取量と認知能力の関係を調査した研究では、平均10.3g/日のくるみを摂取している20〜59歳の人は、摂取していない人と比較して認知機能テストのスコアが大幅に高いとわかりました※9。
一般的に販売されているくるみは1粒あたり3〜5gほどなので、毎日3〜5粒程度食べるだけでOKと手軽なのが嬉しいポイントですね。
おやつ代わりに手間なくブレインフードを取り入れたい人には、断然くるみをおすすめします!
3.アボカド
「森のバター」とも呼ばれるアボカドは、オメガ3脂肪酸のほか、強い抗酸化作用をもつビタミンEやルテインなどの栄養を豊富に含む食べ物です。
ルテインといえば目によいイメージがありますが、血液脳関門を通過するため脳の抗酸化作用にも役立ちます※10。
48名の男女を対象としたアメリカの研究では、6か月間毎日アボカド1個を食べたグループの作業記憶と問題解決効率が大幅に向上したと報告しました※11。
アボカドは加熱調理しなくても、そのままサラダやディップとして手軽に食べられます。
また、加熱しても栄養価はほぼ変わらないため、さまざまな料理にアレンジ可能です。
さらにアボカドには食物繊維も豊富に含まれているので、脳の健康とともに腸活をしたい人におすすめのブレインフードです!
※10参照:Macular lutein and zeaxanthin are related to brain lutein and zeaxanthin in primates
※11参照:Avocado Consumption Increases Macular Pigment Density in Older Adults: A Randomized, Controlled Trial
4.ブルーベリー
ブルーベリーをはじめとする濃い色のベリー類には、非常に強力な抗酸化・抗炎症作用をもつアントシアニンなどのポリフェノールが豊富に含まれています。
そしてベリー系の抗酸化物質は血液脳関門を通過して脳に蓄積すると研究でわかっており、ブレインフードとして脳の健康に役立ちます※12。
イギリスで11件の研究結果を分析したレビューでは、ブルーベリーの摂取が記憶力を高める可能性を示唆しました※13。
たとえば65〜80歳の高齢者122人を対象にした研究では、ブルーベリー粉末または精製抽出物を6か月間摂取させた結果、いずれも記憶能力の向上を確認しています※14。
特に精製抽出物を摂取したグループは3か月で大幅な向上が確認されたため、普通に食べるよりもブルーベリーエキスを配合したサプリメントのほうがより効果的です。
ブルーベリーを食べる場合、アントシアニンは長時間の加熱や長期間の保存で抗酸化作用がどんどん落ちていくので、ジャムなどではなく生のまま食べましょう。
また、冷凍すると抗酸化作用が向上することがわかっている※15ため、冷凍したブルーベリーをヨーグルトに混ぜて食べれば朝食として手軽に取り入れられますよ!
※12参照:Biochemical Properties and Neuroprotective Effects of Compounds in Various Species of Berries
※13参照:Systematic Review of the Effects of Blueberry on Cognitive Performance as We Age
※14参照:Effects of anthocyanin, astaxanthin, and lutein on eye functions: a randomized, double-blind, placebo-controlled study
※15参照:Freezing blueberries improves antioxidant availability
5.ビーツ
栄養価が高く、美容にもよいスーパーフードとして有名なビーツ(ビートルート)には、体内でNO(一酸化窒素)を生成するはたらきをもつ硝酸塩が含まれています。
そしてNOには血流を促進する効果や抗酸化作用があるため、ビーツは脳の健康によいブレインフードといえるのです。
実際にイギリスの研究では、ビートルートジュース450mlを摂取して認知機能のテストを行ったところ、摂取していないグループと比較して認知機能のパフォーマンスが向上したとの報告がされています※16。
ちなみに、認知機能のテストはビートルートジュースを飲んでから90分後に行われています。比較的短時間で効果が得られる点は注目に値しますね。
さらにビーツの赤色はベタレイン色素(ベタシアニン)であり、強い抗酸化作用をもつポリフェノールの一種です。
体の酸化ストレスを取り除き、なおかつNOの血流促進作用により運動パフォーマンスの向上も期待できます※17。
したがって、ビーツは集中力が必要なアスリートにも最適です。
ビーツの栄養を丸ごと摂取するなら、生のままスライスしてサラダに入れる、もしくはジュースにするのがおすすめ。
加熱する場合は、代表的なビーツ料理であるボルシチのように煮汁ごと食べましょう。
※16参照:Dietary nitrate modulates cerebral blood flow parameters and cognitive performance in humans: A double-blind, placebo-controlled, crossover investigation
※17参照:Effects of Beetroot Juice Supplementation on Cardiorespiratory Endurance in Athletes. A Systematic Review
6.玄米
玄米は白米と比べてビタミンやミネラル、食物繊維などを豊富に含み「天然の完全食」といわれるほど栄養満点な食べ物です。
特にビタミンEは白米の12倍、ビタミンB群は2〜5倍と含有量の差は歴然。
また、玄米のみに含まれるγ-オリザノールは米ぬかから発見されたポリフェノールの一種であり、優れた抗酸化作用をもちます。
γ-オリザノールは血液脳関門を通過することがわかっている※18ため、玄米は脳の健康によいビタミン類とポリフェノールを豊富に含んだ優秀なブレインフードといえるのです。
実際の研究でも、高齢者に1日3食の玄米を6か月間食べてもらったところ、食べていなかったときと比較して認知機能テストのスコアが高まったことがわかりました※19。
「玄米って美味しくないんだよな……」と思った方。
玄米の最外層(ロウ)のみを除去した「ロウカット(脱ロウ)玄米」なら、白米のようにふっくら美味しく食べられますよ。
価格はやや高めながら、玄米の高い栄養価はそのまま、食べやすさは通常の玄米と比べて格段にアップしているのでおすすめです。
さらにγ-オリザノールは食欲を抑え※20、体重減少や悪玉コレステロールの減少により糖尿病改善にも効果的であることがわかっています※21。
したがって、脳の健康とともにダイエットを目指したい人にもおすすめです。
※18参照:Brown rice-specific γ-oryzanol-based novel approach toward
※19参照:Efficacy of continuous ingestion of dewaxed brown rice on the cognitive functions of the residents of elderly welfare facilities: A pilot test using crossover trial
※20参照:動物脂肪依存の脳内分子機構と米ぬか由来機能成分γオリザノールの治療的意義の解明
※21参照:Effects of the brown rice diet on visceral obesity and endothelial function: the BRAVO study
7.ターメリックライス
ターメリックライスに使われるウコンには、クルクミンと呼ばれるポリフェノールの一種が含まれています。
強い抗酸化作用をもつクルクミンは血液脳関門を通過することがわかっており、認知機能の向上が期待できるブレインフードです※22。
実際の研究でも、クルクミンがアルツハイマーの原因になるアミロイドベータを除去することで、認知機能向上に効果的である可能性を示唆しています※23。
さらに別の研究では、クルクミンがセロトニンとドーパミンを増加させて気分を改善するため、うつ病の治療と併用することでより効果的な改善が期待できると報告しました※24※25。
ただし、ほとんどの研究では1日あたり500〜2,000㎎の高濃度クルクミンサプリメントを使用しています。
ウコンをスパイスとして利用する場合はクルクミン含有量が3〜6%と微量のため、濃縮されたクルクミンサプリメントのほうがより効果的かもしれません※26。
※22参照:Protective Effects of Indian Spice Curcumin Against Amyloid-β in Alzheimer's Disease
※23参照:A Curcumin Analog Reduces Levels of the Alzheimer's Disease-Associated Amyloid-β Protein by Modulating AβPP Processing and Autophagy
※24参照:Curcumin for depression: a meta-analysis
※25参照:Curcumin in Depression: Potential Mechanisms of Action and Current Evidence—A Narrative Review
※26参照:Biological activities of curcuminoids, other biomolecules from turmeric and their derivatives – A review
8.ダークチョコレート
カカオの含有量が多いダークチョコレートには、カカオポリフェノールが豊富に含まれています。
カカオポリフェノールを構成する成分のうち「エピカテキン」と呼ばれるフラボノイドには強い抗酸化作用があり、認知機能の向上に効果的です。
実際の研究でも、1日あたり50㎎のエピカテキンを摂取させた結果、記憶力と実行能力を高めたと報告しています※27。
また、別の研究では、自然界でほぼカカオのみに含まれるといわれるテオブロミンも血液脳関門を通過し、脳の認知機能を高める可能性が示唆されました※28。
ちなみに、ミルクチョコレートやホワイトチョコレートにはカカオポリフェノールがほとんど含まれていないため、ブレインフードとして食べるならダークチョコレートを選びましょう。
食べる量はカカオの含有量によって異なりますが、ある研究ではカカオ70%のダークチョコレート48gで効果が確認されている※29ので、一般的な板チョコ1枚弱ほどの量が目安です。
ダークチョコレートは甘いものが苦手な人でも食べやすいビターな味わいのため、おやつ感覚でブレインフードを食べたい人におすすめです。
※27参照:Effects of Cocoa-Derived Polyphenols on Cognitive Function in Humans. Systematic Review and Analysis of Methodological Aspects
※28参照:テオブロミンの認知機能向上への可能性
※29参照:Dark chocolate (70% organic cacao) increases acute and chronic EEG power spectral density (μV2) response of gamma frequency (25–40 Hz) for brain health
9.納豆
納豆には大豆レシチンや抗酸化作用の高いイソフラボンが含まれています。
大豆レシチンの中に含まれるコリンは、脳で学習や記憶力を司る神経伝達物質「アセチルコリン」の材料です。
実際の研究でも、食事で多くコリンを摂取するほど記憶力が高まることがわかっています※30。
また、美肌効果のイメージが強いイソフラボンにおいても、中年期にイソフラボンを多く摂取すると晩年期の認知障害を軽減する可能性が示唆されました※31。
中でも納豆は栄養豊富でレシチンの吸収効率が高いため、大豆そのものを食べるより効率的です。
日本の大豆食品代表ともいえる納豆ですから、毎日の朝食で習慣化してみてはいかがでしょうか?
※30参照:The relation of dietary choline to cognitive performance and white-matter hyperintensity in the Framingham Offspring Cohort
※31参照:Midlife Intakes of the Isoflavone Genistein and Soy and the Risk of Late-life Cognitive Impairment: The JPHC Saku Mental Health Study
10.卵
栄養満点な卵にはビタミンB6、B12のほか、卵黄コリンが含まれています。
脳に影響するメカニズムは大豆レシチンと同様で、神経伝達物質のアセチルコリンをつくり、細胞同士の連絡を助けることで学習・認知機能を高められるのです。
実際の研究では、300㎎/日の卵黄コリンを12週間にわたって摂取させたところ、認知機能の一部である言語記憶の改善が確認されました※32。
日本人のコリン平均摂取量は1日およそ300㎎で上記の研究で使用された量と同じですが、推奨摂取量としては女性で425㎎、男性で550㎎なので125〜250㎎不足しています。
卵黄にはおよそ125㎎のコリンが含まれているため、普段の食事に卵を1〜2個追加すれば満たせますね。
卵黄コリンは加熱によって消失することもなくあらゆる調理方法が可能なので、毎日取り入れても飽きずに続けやすいでしょう。
11.緑茶
緑茶にはカテキンやテアニン、カフェインなど、血液脳関門を通過して脳機能を向上させる栄養素が豊富に含まれています。
お茶の苦味成分でもあるカテキンはポリフェノールの一種であり、優れた抗酸化作用をもつ成分です。
睡眠サプリとしても注目されているテアニンは、抗酸化作用をもつほか、脳に運ばれると抑制性の神経伝達物質であるGABAやグリシンの増加を促し、リラックスと集中力の向上をもたらします。
一方でカフェインは覚醒作用があることで知られていますが、ドーパミンなど興奮性の神経伝達物質の活動を助け、集中力や注意力を向上させるのに役立つ成分です。
つまり、緑茶は脳を保護しながら疲労を改善し、なおかつ集中力を高められる優れたブレインフードといえます。
実際に21件の研究を分析したレビューでも、緑茶を飲むことで記憶力や注意力、脳機能が向上すると報告されました※33。
また、別の研究では1日に2杯以上の緑茶を飲んでいる人は、飲んでいない人と比べて認知機能低下リスクが30%も減少するとわかっています※34。
現在ジュースを中心に水分補給しているという人は、ぜひとも緑茶に変えて習慣化してみてくださいね。
※33参照:Green tea effects on cognition, mood and human brain function: A systematic review
※34参照:Green tea and coffee intake and risk of cognitive decline in older adults: the National Institute for Longevity Sciences, Longitudinal Study of Aging
12.コーヒー
コーヒーといえばカフェインというイメージですが、実はカフェイン以上にクロロゲン酸と呼ばれるポリフェノールの一種が多く含まれています。
まずカフェインは、多くの研究で注意力を向上させるとわかっている成分です※35。
実際の研究でも、1日3〜5杯のコーヒーを飲むとアルツハイマー病のリスクが65%低くなるとわかっています※36。
しかし一方で、これまではカフェインが認知機能の低下を抑制するといわれてきましたが、実はクロロゲン酸による効果である可能性が示唆されました。
ある研究では、クロロゲン酸が記憶や学習といった認知機能の低下を抑制するホルモンの一つ「インスリン様成長因子-Ⅰ」の産生を促進すると報告しています※37。
いずれにせよ、コーヒーに含まれるカフェインやクロロゲン酸は脳の健康によい影響を与えるとわかっているので、毎日コーヒーを飲んでいる人にとっては朗報ですね。
ただし、カフェインの過剰摂取は不眠などの原因になるため、飲みすぎには注意しましょう。
※35参照:Cognitive and mood improvements of caffeine in habitual consumers and habitual non-consumers of caffeine
※36参照:Caffeine as a protective factor in dementia and Alzheimer's disease
※37参照:コーヒーポリフェノールの一種であるクロロゲン酸に新規機能性
番外編:ブレインフードよりサプリメントの方が効果的?
ここまで食べ物を紹介してきましたが……毎日の食事にブレインフードを取り入れるのはコストもかかるうえ、栄養価の計算も面倒ですよね。
そこでおすすめしたいのが「スマートドラッグ」と呼ばれるサプリメント。
有効成分が規格化されたサプリメントなら、わざわざブレインフードを用意しなくても手軽に摂取できちゃいます。
それでは最後に、脳機能を高めるためにおすすめのサプリメント3選をご紹介しましょう!
おすすめ成分1.バイオドーパ
バイオドーパは、ドーパミンを高めて集中力を向上させる作用をもつ「ムクナ」を規格化したサプリメントで、有効成分L-ドーパが30%含まれていることが保証されています。
フランスの研究では、L-ドーパを200mg摂取させて処理能力を計測したところ、覚醒レベルが高まり認知機能を大幅に引き上げる効果が確認されました※38。
また、別の研究ではLドーパ100mgを摂取させて学習と試験を行った結果、語彙の獲得や長期記憶の能力が向上したと報告しています※39。
さらにバイオドーパは強い抗酸化作用をもつため、活性酸素から肌細胞を守るはたらきや神経疾患の予防、男性機能にもよい影響をもたらすことがわかっているんです。
バイオドーパの原料であるムクナ豆は副作用のリスクも非常に少ないので、安心して摂取できますよ。
脳機能の向上とともに生活の質を高めたい人には、バイオドーパがおすすめです。
※38参照:Dopamine and human information processing: a reaction-time analysis of the effect of levodopa in healthy subjects
※39参照:Levodopa enhances explicit new-word learning in healthy adults: a preliminary study
おすすめ成分2.バコピン
バコピンは、記憶力や学習能力を向上させる作用をもつハーブの一種「バコパモニエラ」を原料とするサプリメントです。
有効成分はバコパモニエラがわずかに含むバコサイドと呼ばれるサポニンの一種。
そのバコサイドを40%以上の高濃度で保有することを規格化した先端素材がバコピンです。
バコサイドは抗酸化作用によって神経細胞を保護し、記憶力や認知能力を向上させることがわかっています。
実際、オーストラリアで行われた研究では、300㎎/日のバコパモニエラ抽出物を12週間摂取させた結果、記憶力の改善や集中力維持の改善有効性が確認されました※40。
別の研究結果を見てもバコサイドは摂取後1〜2時間で目的の効果がもたらされていますが、認知機能低下を予防する目的では6〜12週間ほどの継続摂取が多くなっています。
しかし、一部の臨床試験では軽微ですが胃もたれや吐き気、下痢などの副作用も確認されているため、すでにほかの薬を服用している場合は医師に相談してから摂取しましょう。
※40参照:Chronic effects of Brahmi (Bacopa monnieri) on human memory
おすすめ成分3.S-アリルシステイン
S-アリルシステインは、熟成ニンニク(黒ニンニク)に含まれる成分でアミノ酸の一種です。
強力な抗酸化作用をもつため、近年では機能性食品素材としてさまざまな分野で注目されています。
実際、脳疲労を改善する効果で機能性表示食品の認証を取得しているんですよ。
臨床試験においては、4週間にわたって2mg/日のS-アリルシステイン抽出物を朝食30分以内に摂取し、パソコン作業をさせたところ、精神的負荷における疲労感や集中力の悪化が軽減されたと報告されています。
さらに、摂取2週間後においてはストレス感ややる気の低下が改善され、頭の明晰さも向上したことも確認されています※41。
まさにデスクワークの多いビジネスパーソンにぴったりの成分ですね!
仕事に集中できない、単純なミスが増えた……とストレスを抱えている人はぜひとも利用すべきでしょう。
そのほかにも睡眠の質や気分の改善、男性機能の向上などさまざまな健康効果が確認されており、やはり生活の質を高めるのに最適なサプリメントであるといえます。
食品から十分な量を摂取するのは難しいので、研究でも用いられている2㎎/日で規格化されたサプリメントがおすすめです。
※41参照:SACによる脳の疲労からくる疲労感の軽減効果
まとめ:ブレインフードを取り入れてパフォーマンスを高めよう
今回は脳機能を高めてくれる優れた成分をもつブレインフードと、より効果的なサプリメントを紹介しました。
どれも魅力的な成分ですから、今すぐにでも試したくなった人も多いはず。身近な食材で脳機能が高められると考えれば、使わない手はありません。
脳機能を高めれば仕事もスムーズになりますし、なにより日々の生活を輝かせることができるでしょう。今回紹介した食材以外にも、ブレインフードと呼ばれる食べ物はたくさんあります。
とはいうものの……実際どんな食材が自分に合っているのか、どのサプリメントを選べばよいのか、迷ってしまいますよね。
そんなときは、ぜひナイトプロテインの無料LINE相談窓口をご活用ください! あなたのお悩みにヘルスケアの専門スタッフが1対1で丁寧にお答えします!
どなたでも無料でお使いいただけますので、お試しの気持ちでぜひお気軽にメッセージをいただけますと幸いです。登録は以下のボタンから可能です。
[PR]提供:ナイトプロテイン