コンビニや薬局で買える、ギラギラとしたドリンク精力剤。

行為の前に飲んで即効で精力チャージができる製品として人気ですが、本当に効果があるのか疑問に思う方も多いのではないでしょうか? 今回はそんなドリンク精力剤について……

  • サプリメーカー勤務
  • サプリメントアドバイザーの資格保有
  • 年間50万円分サプリを購入&消費
  • 普段から海外の論文を読み漁るサプリオタク

の私が科学的な根拠やデータに基づいて徹底解説します。

いつも「なんとなく効きそうだから」と手にとっている人や、「気になっているけど効果あるの?」と疑問に思っている人は特に要チェックですよ!

ドリンク精力剤は人々が求める即効性&効果と実態にギャップがある?

ドリンク精力剤は体内での吸収スピードが速いという特性があるので、もし効果的な成分が入っているなら即効性も期待できます。

しかし、Web上の口コミを見ていると「みなぎる感じがする」と愛用している人がいる一方で、「勃起力が全く向上しなかった」などの酷評もよく見られるのが実情……。

どちらかが嘘をついているのでしょうか……? いいえ、私はそうは思いません。満足できない人が出てしまう理由は、ドリンク精力剤の効果について過度な期待を抱いている人が多いからだと考えています。

そもそもですが、サプリやお薬の効果を得るための大原則として、臨床試験で効果が認められている成分を試験と同じ量摂取することが必要です。

しかし、市販のドリンク精力剤には、ED治療薬のような即効で性機能を劇的に改善する成分は含まれていません。残念ながら人々がイメージする「飲めば即効でビンビン」のドリンク精力剤はこの世に存在しないのです。

では、いったいドリンク精力剤にはどんな効果をもった成分が含まれているのでしょうか?

次はコンビニや薬局で買えるドリンク精力剤に入っている成分と効果を実際に調べてみましょう。

コンビニや薬局のドリンク精力剤によく入っている成分はどんな即効性があるの?

それでは、実際にコンビニや薬局のドリンク精力剤に含まれている成分を徹底分析していきます。

多くの方がドリンク精力剤に求めている「性機能に関する効果はあるのか?」にフォーカスしているので注目です!

① カフェイン

まずは多くのドリンク精力剤に入っているカフェイン。眠気覚ましに使う人も多いと思いますが、詳しい作用性機能に及ぼす効果を知っていますか?

カフェインには即効性のある覚醒作用があり、疲労回復や性欲向上に一役かってくれる可能性があるのです。

人間はエネルギーを消費すると、脳内に「アデノシン」と呼ばれる物質がたまります。このアデノシンが蓄積すると人々は疲労を感じて眠くなるのです※1

そしてカフェインはアデノシンのはたらきをブロックする作用があるので、疲労感が軽減されて研ぎ澄まされた覚醒感を得ることができるわけですね。

それだけではありません。カフェインはアデノシンが抑え込んでいた脳の機能を解放させることで、快楽やモチベーションを引き出すホルモン「ドーパミン」の活性化を促してくれるのです。

ドーパミンは性欲を司る男性ホルモンのテストステロンを活性化させる作用や、性欲を抑える女性ホルモンの「プロラクチン」を抑え込む作用があるので、カフェインは間接的に精力を引き出すことができるといえます※2

実際の研究でも、カフェインの摂取でドーパミンの受容体が平均5.6%活性化することが報告されているんです※3

上昇幅はわずかですが、疲労回復の効果と相まってみなぎる体感があるのは納得ですね。

ただし、勃起力に深く関わる血管や血流に作用してくれるわけではありません。あくまでも気持ちの部分をサポートしてくれるだけなので、身体の機能自体が衰えている人は効果を感じにくいでしょう。

※1参照:An update on the mechanisms of the psychostimulant effects of caffeine
※2参照:NCBI - Dopamine
※3参照:Caffeine increases striatal dopamine D2/D3 receptor availability in the human brain

② 糖類

お次は、ドリンク系精力剤にほぼ100%入っているマルトデキストリンや果糖ブドウ糖液糖などの糖類。

「ただの砂糖に何も効果はないでしょ?」と思ったら大間違い。意外と性機能に影響を与えているかもしれないのです。

まずはエネルギーのチャージによる疲労回復効果について。ドリンクで飲んだ砂糖は素早く血糖値を上げるので、身体にエネルギーとしていきわたり一時的に疲労感が軽減されます。

さらに、糖類を摂取すると脳内でドーパミンが増加するのです※4。カフェインと同じで脳内のドーパミンが活性化するので、一時的に性欲やモチベーションが引き出される可能性は十分あるわけですね※4

ただし、高血糖の状態が続くと血管はダメージを受けるので、性機能にとって常用はマイナス……。実際、常に高血糖の状態が続く糖尿病になると、EDになるリスクが3.5倍増加することもわかっています※5

カフェインと同じで一時的な疲労緩和やみなぎる感覚を得られるかもしれませんが、飲み過ぎは性機能にも悪影響なので注意したいところです。

※4参照:Daily bingeing on sugar repeatedly releases dopamine in the accumbens shell
※5参照:Erectile dysfunction and diabetes: A melting pot of circumstances and treatments

③ マムシやスッポンなどの動物系素材

マムシやスッポン、コブラやサソリなど……精力剤に入っている動物系の素材はいかにも即効性が強そうでワクワクしてしまいますよね。

しかし、残念ながら動物系の素材が性機能に効果もたらすことはありません。

なぜなら、動物系の素材にはビタミン、ミネラル、アミノ酸など基礎的な栄養素しか含まれていないからです※6

栄養素的には普段わたしたちが食べている豚肉や鶏肉とほとんど変わらないので、当然ですが性機能に関して特別な効果を得ることはできません。

実際、健康に有用であるとして研究が進んでいるのは、ポリフェノールやサポニン、アルカロイドなど特殊な植物由来の成分であることがほとんどですよね……。

もちろん栄養価が高いことには変わりないので、エネルギーの補給には効果的かもしれません。

※6参照:文部科学省 - 食品成分データベース - すっぽん

④ マカ

マカも古くから性機能向上に有用だとされて、精力剤として人気の成分。

ただし、ドリンク精力剤で摂取するだけでは、イメージより残念な結果になるかもしれません……。

たしかに、マカには「ベンジルグルコシノレート」と呼ばれる有効成分が含まれており、性機能に関してポジティブな影響を与えるというデータがあります。

しかし、研究データを見るといずれも摂取量が多く、継続して摂取した時に効果をもたらすとされているのです。

実際のデータを見てみましょう。ある研究では8週間のあいだマカを1,500mg摂取させたところ、性欲が向上したとのデータが報告されています※7。また、別の研究では2,400mgの摂取を12週間続けたところ、参加者の多くが軽度のEDを改善したというデータが出ました※8

いずれも長期間摂取した結果なので、ドリンク精力剤で摂取して即効性があるとは限らないのが残念なところ。

さらに注目してもらいたいのが配合量。マカが1,500mg以上含まれているドリンク精力剤は市場になかなか無いのが実情です。

以上のことから、マカは残念ながら即効性を求める成分として期待できないと考えられます。

※7参照:Effect of Lepidium meyenii (MACA) on sexual desire and its absent relationship with serum testosterone levels in adult healthy men
※8参照:Subjective effects of Lepidium meyenii (Maca) extract on well-being and sexual performances in patients with mild erectile dysfunction: a randomised, double-blind clinical trial

⑤ 亜鉛

亜鉛は身体のシステムをさまざまな面から支えている必須のミネラルです。

性機能に大きく関係する男性ホルモン「テストステロン」の生成に携わっているため、性機能を向上させる成分として期待されています※9

しかし、実際はただ摂取するだけで人々に期待されているほどの劇的な効果をもたらすとはいえません。

なぜなら、亜鉛は不足すると性機能に支障が出ますが、十分にある状態で補給しても追加で機能が高まることはないからです。

実際の研究では、37名の不妊男性を対象に亜鉛の補給をさせました。すると、テストステロンがもともと低かった人は亜鉛の摂取で向上しましたが、もともと高かった人には特に影響がなかったというデータが取れています※10

たしかに亜鉛は不足しがちな栄養素であり、現代ではサプリメントでの補給もメジャーです。しかし、不足してたまに飲む精力ドリンクに効果を感じている人がいるなら、食事を改善した方がより効果的な気がします……。

※9参照:Manipulation of Dietary Intake on Changes in Circulating Testosterone Concentrations
※10参照:Effect of zinc administration on plasma testosterone, dihydrotestosterone, and sperm count

⑥ タウリン

タウリンはアミノ酸の一種。ギラギラした精力剤だけではなく栄養ドリンクでもよく見かける成分ですね。

そんなタウリンはエネルギーの代謝に大きく携わっており、摂取すると体内に取り入れた糖分を効率よくエネルギーに変換してくれるのです※11

ドリンク精力剤に入っている糖分と併せて摂取することでより身体で使えるエネルギーが増えて、疲労回復やみなぎる感覚が得られそうですね。

ただし性機能に関して具体的な実感があるかは話が別……。残念ながら、性機能に関して有効であるというデータはありません。

エネルギーをチャージする成分として活用した方が良さそうです。

※11参照:Taurine is Involved in Energy Metabolism in Muscles, Adipose Tissue, and the Liver

⑦ ローヤルゼリー

ローヤルゼリーは働きバチから女王蜂に献上される高栄養価な物質。女王蜂が他の蜂より大きいのはローヤルゼリーのおかげといわれていますね。

古くから栄養豊富な食料として重宝されてきましたが、現代では特殊な糖タンパク質と脂肪酸を含むことで注目を集めているんです。

研究でも強い抗酸化作用が確認されており、性機能の分野でも一部研究が進んでいます※12

データ上では、身体活動の少ない男性が1,000mgのローヤルゼリーを15日摂取したところ、男性ホルモンのテストステロンが約12%増加する結果となりました※13

テストステロンは性欲や勃起にとって重要なホルモンなので、ロイヤルゼリーは性機能向上に効果的な成分といえます。

ただし、試験と同じようにテストステロンを安定して増加させるには15日継続する必要があり、即効性の面は期待しない方がよいでしょう。

※12参照:Antioxidant Potential of Propolis, Bee Pollen, and Royal Jelly: Possible Medical Application
※13参照:The effect of short-term royal jelly supplement on testosterone levels in sedentary and healthy individuals

⑧ 高麗人参

高麗人参は古くから性機能向上のために用いられてきた素材ですね。

現代では性機能に関して研究が進んでいます。早速データなのですが、ED患者30人に対して、高麗人参1,000mgを12週にわたり摂取させたところ、66.6%の患者が明確に勃起力改善を実感したことが確認されました※14

高麗人参は性機能改善において有用だといえますが、研究の期間は約3ヶ月となかなか時間がかかっています。

やはり安定して性機能を改善させるには、継続が大切だといえますね……。

※14参照:Study of the efficacy of Korean Red Ginseng in the treatment of erectile dysfunction

⑨ アルギニン&シトルリン

アルギニンとシトルリンも精力剤の定番成分ですね。どちらも全く同じメカニズムではたらくので、どちらかが優れているわけではなくほぼ同じと覚えてOKです。

正体はアミノ酸の一種であり、どちらも体内でNOと呼ばれる物質を増加させる作用があります。

NOは血管の伸縮性を高めて血流を促進させてくれるので、性機能の分野でも注目されているのです。

実際の研究でも、1,500mgのシトルリンを1ヶ月間摂取し続けた結果、参加者の50%が中程度のEDから改善を実感する結果となりました※15

やはり血流の改善は直接的なメカニズムなので、勃起力向上などに期待がもてます。

アルギニンやシトルリンは筋トレ前のプレワークアウトサプリとして摂取する人も多く比較的早く作用をもたらす成分なので、ドリンク精力剤との相性もよいといえます。

とはいえ、やはり研究では1ヶ月の摂取で有用性をたしかめているので、過信は禁物。安定して効果を実感するには長期的な目線で考える必要がありそうです……。

※15参照:Oral L-citrulline supplementation improves erection hardness in men with mild erectile dysfunction

⑩ トンカットアリ

トンカットアリはマレーシアに原生する植物。古くから現地の人に性機能向上に関する効果を見込まれ、民間療法として使用されてきた実績があります。

現代になり詳しく分析してみたところ、特殊なサポニンやアルカロイドが男性ホルモンのテストステロンを向上させ、性機能改善に効果的なことが実証されたのです。

研究データでは、トンカットアリを100倍濃縮したサプリメント200mgを4週間摂取させたところ、参加者のテストステロンの値が平均37%向上しました※16

テストステロン37%の向上は凄まじい効果ですね。実はテストステロンを明確に向上させてくれる素材は数少なく、トンカットアリは精力剤として使用される成分の中でも貴重なエビデンスを備える素材なのです。

……とはいえ、ここまで読んだあなたならもうお気づきですね。試験データは約3ヶ月の期間で計測しているので、強い即効性を見込んで良い成分ではありません。

※16参照:Effect of Tongkat Ali on stress hormones and psychological mood state in moderately stressed subjects

本当に効果がある精力剤の条件3点

ドリンク精力剤によく含まれる成分を紹介しましたが、残念ながら即効で性機能向上に効果的なものはほとんどありませんでしたね……。

研究データを基に考えると、性機能にとって良い影響をもたらす成分でも一定期間の継続が必要なことがわかります。

また、いくら効きそうな製品でも、本当に良い製品かどうかは自分でたしかめるしかありません。

そこで最後に、本当に効果がある精力剤の条件を3つご紹介します。

① 主成分の配合量を明記している

1つ目の条件は、主成分の配合量を明記していること。市販の精力剤にありがちなのですが、配合成分が記載されていても量は一切非公開という製品が多いのです……。

しっかりとした効果を得るには研究データに基づいた摂取量を満たす必要がありますが、配合成分量がわからないと効果が期待できるか判断のしようもありませんからね。

そして、基本的に配合成分量を書いていない素材はごくわずかな量しか入っていないと考えて良いでしょう。もし本当に効果が見込める量を配合していたら、量をアピールしない理由が一切無いですから……。

本気で性機能の改善を求めているなら、パッケージや広告の「効きそうな感じ」という印象よりも、「成分がしっかりした量入っているか?」を主軸に製品を選んでみてください。

② 血流とテストステロンに関する臨床試験が行われている成分を採用している

2つ目の条件は、成分のメカニズムについて。男性機能を改善するために大切な要素はズバリ、「血流」と「テストステロン」を高めることです。

勃起は下半身に全身から血流が送りこまれて起きるので、やはり勃起力を高めるには血流を促進する必要があります。

また、テストステロンは性欲や勃起を司るホルモンなので、不足するとEDのリスクも高まってしまうのです。ただし、残念ながら年齢を重ねるごとに毎年1%〜2%ずつ減少するため、ケアが必要になります。

精力剤の中には、単に健康に良い成分やエネルギー補給に効果的な成分もよく含まれていますが……性機能を高めたければ、血流とテストステロンにアプローチをかける成分を選ぶべきなのです。

③ 成分の吸収率を上昇させるサポート成分も入っている

最後はより効果の高い精力剤の見分け方です。「吸収をサポートする成分が含まれているか?」をチェックしてみてください。

具体的には、「バイオペリン」と「アストラジン」が該当します。

バイオペリンは黒胡椒から抽出される素材で、同時に摂取する成分の吸収率を向上させることが研究でわかっているんです※17

アストラジンは漢方で使用されてきたキバナオオギとデンシチニンジンを組み合わせた素材ですが、バイオペリンと同様に多くの成分と同時摂取で吸収率を向上させることが明らかになっています。

いくら同じ成分量を摂取していても、吸収をサポートする成分が入っているのといないのとでは実感も大きく異なります。

最近ではハイエンドなサプリに標準搭載されている素材なので、ぜひ入っているかをチェックして質の高い精力剤を選んでみてください。

※17参照:Clinically Demonstrated to Significantly Increase the Absorption of Amino Acids, Peptides, Vitamins, and Other Nutrients in Intestinal Cells to enhance the Nutritional Value of Targeted functional Foods and Supplements
※18参照:A systematic review on black pepper (Piper nigrum L.): from folk uses to pharmacological applications

結論:コンビニや薬局の精力剤で求めている即効性を期待するのは難しいかも……

ここまでコンビニや薬局で買えるドリンク精力剤について詳しく解説してきました。

カフェインや糖類のチャージにより、エネルギーを補給して行為に備えるためには使用するのもアリかもしれませんね。

ただし、成分の臨床試験を考慮すると、ドリンク精力剤で即効性のある性機能改善を期待するのは現実的ではない気がします。

もし性機能に関するお悩みを改善したいなら、しっかりと効果がある成分を研究データ通りの用量と期間摂取することが大切。

そして精力剤だけではなく、日頃から性機能をケアするための生活習慣も重要になってきます。

しかし、どのように悩みを解決していけば良いのか、1から自分で調べて実践するのは骨が折れる作業ですよね。

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