端末やアプリを活用した授業が一般化しつつある近年。 とはいえ、どのように活用するのかと気になっている人もいるのではないでしょうか。そこで、今回はICT教育に力を入れている学校のひとつ静岡県の常葉大学附属橘中学校・高等学校の教員と生徒にインタビューを実施。1人1台の端末とカシオの「ClassPad.net」を活用している様子を紹介します。アクティブラーニングや生徒に寄り添った取り組みは必見です。
今回お話を伺った同校は、「より高きを目指して~Learning for Life~」を建学の精神に掲げています。
「今後の社会は、グローバル化が急速に進んで行き先がみえなくなってしまうと私は考えています。そんな発展し続ける社会のなかで、生徒たちが自らICTツールを活用して学んでいくことは重要なことになると思っています」と関本和彦校長は説明します。
ICTツールを導入するにあたり課題になっていたのは、活用方法について教員がしっかり把握すること。そのような課題を解決し、生徒の学びをサポートできるようなアプリを導入するべく、いろいろと検討するなかでClassPad.netにたどり着きました。ClassPad.netは、オンライン辞書機能、デジタルノート機能、双方向授業を活性化する授業支援機能、数学・英語ツール機能の特徴を備えたカシオのオールインワンICT学習アプリ。様々な機能が備わっているだけでなく、オンラインのため自宅でも学校でも使えるところが魅力です。
関本校長「辞書機能、意見の集約、課題の配信、提出作業など、総合的に鑑みてClassPad.netの導入を決定しました。授業をよりよくするツールとして、生徒の学びを促進できるのではないかと期待しています」
しかし、新しいツールを導入するには費用がかかります。保護者からすれば費用負担については気になるところ。同校では、電子辞書購入予算をClassPad.netの導入にあてることで、保護者の理解を得たとのこと。
関本校長「生徒や保護者に経済的な負担をかけないようにしつつも、生徒の学びをサポートしていきたいです。そのため、今ある資金を有効利用しながら新しいことも積極的に取り入れていきたいと思っています」
しかし、ICTツールを取り入れた授業は教員も初めてなので、どのようにして活用するのかは試行錯誤が必要だったそう。そのため、ClassPad.netの活用にあたり、同校ではICT担当の教員を中心に各教科担当の意見を取り入れながら進めています。実際にどのように取り組んでいるのか、先生と生徒にお話を伺いました。
まずは3年生の数学Ⅲ授業を担当する稲葉梨乃先生に話を伺いました。数学の授業では、ClassPad.netを使って宿題の提出・返却をするほか、グラフの作成、授業の振り返りなどをしています。
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稲葉先生「最近の授業では、ClassPad.netを通じて提出してもらった宿題を教室のスクリーンに映し、クラス全体に問題の解き方を共有しました。そうすることで、全員で問題の解答を考えることができるほか、別の解き方を生徒に発言させることもできます。また、ClassPad.netを導入したことで、全員に答案をみられるという意識からか、生徒たちがきれいな字で答案を書くようになったのは意外な変化でした」
提出・返却機能を活用することで生徒それぞれの答案を細かくみることができるため、それぞれの生徒にあった指導につなげられることもClassPad.netを活用するメリット。ほかにも、ClassPad.netには様々なツールがあることもひとつの魅力です。数学の授業では、グラフ作図機能が役立っているそうです。
稲葉先生「たとえば、空間ベクトルの単元では黒板に書いても理解できないという生徒もいます。そんな生徒たちにも理解をしてもらえるよう、ClassPad.netのグラフ作図機能の活用をしていますよ。この機能を利用することで、動く図形やグラフが簡単に書け、理解を深められることができています」
ClassPad.netを活用している教師に話を伺うと、多くのメリットがあることがわかります。では、授業を実際に受けている生徒さんの皆さんはどのように考えているのでしょうか。
授業で投影されるスライドが先に進んでしまっても、手元の端末で見返すことができるので常に授業についていけて安心です。また、提出箱機能は、提出物がすぐに返却されたり、自分の解いた問題を共有できたりするので便利だなと思います
今までは辞書などが重くて、学校へ持っていかないこともありました。でも、今は端末ひとつを持っていけばいいので、助かっています。また、自宅学習でわからない問題があるときはClassPad.netを使って先生に質問すると、直接解説を返してくれるので、問題を理解しやすくなりました
続いて、3年生日本史Bを担当する小澤祐太先生にお話を伺いました。授業では、ClassPad.netを使って宿題のレポートを返却するほか、優れた答案を共有し、評価のポイントを解説しています。
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生徒主体のアクティブラーニングに力を入れているという小澤先生。生徒が提出した課題に対してフィードバックしたり、他の生徒の考えを共有したりするのにClassPad.netが便利だとか。
小澤先生「ClassPad.netを活用することで、意見交換や課題の提出の手段が増えました。オンラインで提出でき、パソコンを使ってすぐにフィードバックできるので、私自身も使いやすいです。今までは、グループワークなどをしたとき、授業中に生徒が書いたものを全部みきれないこともありましたが、ClassPad.netは写真を提出することができるので、書いたものをすぐにチェックできます。授業をがんばった子の意見を聞くことができたり、社会が得意な子以外にフォーカスをあてたりすることができ、授業内容の幅も広がっていますよ」
さらに、ClassPad.netを使うと生徒がやる気になるようです。
小澤先生「たとえば日本史の復習問題をClassPad.netで出題すると、生徒からの解答が先着順で表示されるため、早押し大会のようになります。ゲーム感覚で生徒の学習意欲アップにもつながるのかなと思っています」
課題をすぐに端末で確認し、そのまま提出できるので、先生とのやり取りがしやすいです。辞書機能もわからない単語や用語をすぐに調べられるので勉強もはかどります。紙の辞書を使わないので重くないですし、調べたいデータがすぐでてくるので気に入っていますよ
1人1台端末を持っているので、自粛期間のオンライン授業は時間を有効に活用できました。課題を提出する機能では、授業中に終わらなかった課題を、自宅で提出するというようなこともできます。美術など課題の製作に時間がかかる授業では、製作途中の写真を先生にみせ、その都度フィードバックをもらって作業を進められるので効率がいいです
1年生「英語コミュニケーション」を担当する谷一輝先生。英語コミュニケーションは、英語の長文を読んで内容を理解していく授業です。授業では、辞書機能を使って新出単語を調べるほか、テキスト(ふせん機能)を使って考えを可視化するのにClassPad.netを活用しています。
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授業で教員からの問いかけをしても、従来はなかなか生徒から意見を聞くことができなかったと話す谷先生。ClassPad.netを使うことで、意見発表のハードルが下がったそうです。
谷先生「ClassPad.netのテキスト機能と提出機能を使うことで、生徒の考え、文法の間違いを授業のなかでチェックできるので重宝しています。生徒が何を考えているか、生徒は何を理解していないのかがわかるので、授業展開の助けになっています。生徒も、自分の考えをテキストにすることで、考えを発信しやすくなります。そこから生徒同士のコミュニケーションも広がるので、授業の雰囲気もいいです」
今後は、生徒が主体となり、ClassPad.netを活用して自分たちの意見をだしあってレポートにまとめるグループワークなどを考えているそうです。ほかにも、谷先生が授業でよく使う機能としてあげたのが辞書機能。
谷先生「ClassPad.netの辞書機能を授業で使うことで、わからないことを調べるくせがつきます。自宅学習においてもわからない問題がでてきたときにすぐに辞書を活用しているようです」
ClassPad.netのチェックマーク機能で、自分の提出物状況を確認できるので、提出忘れがなくなりました。また、先生に直接渡すのではなく、ClassPad.netで渡せるので場所や時間を問わずに提出できるので楽です。先生が授業後に使ったデータをClassPad.netに送ってくれるので、授業内容を振り返りやすくて便利です
ICTツールを使った授業のメリットは、学習者の能動的な参加を取り入れた授業を可能にすることです。同校ではClassPad.netの機能を活用し、生徒が積極的に参加できるような工夫がされています。生徒からはClassPad.netを使うことで「重い辞書を持ち歩かなくていい」、「わからないときにすぐに先生に質問でき、先生も優しく教えてくれる」、「課題を自宅などからでも提出できる」といった声もあり、生徒にとっても日々の学習のサポートになっていることがわかりますね。また、授業の配布物やノートなどを記録できるため、自宅ですぐに復習できることから、生徒だけでなく保護者からも好評だそうです。
ClassPad.netは、現場の先生とのやり取りをしつつ、「教わる側・教える側の負担を減らし、授業効率が上がるように」とどんどん進化しています。学びの深い理解や探究学習をサポートできるので、生徒たちの夢の実現を後押ししそうですね。ClassPad.netが気になった方はぜひチェックしてみてはいかがでしょうか。
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