会議や商談、テストやプレゼン……大事なことがあるのに「集中力が沸かない」「モチベーションが上がらない」と感じる時はありませんか?

それは脳内のドーパミンが不足しているからなのです。目には見えないドーパミンのせいでモヤモヤが積み上がり上手くいかないとしたら……そんな悲しいことはありませんよね?

しかし、どうかご安心ください。ドーパミンは出し方さえ知っていれば意図的に増やすことができるのです。

今回は研究データをもとに、効果的なドーパミンの出し方を10個ご紹介します。

ドーパミンを増やしてモチベーションを爆上げし、高いアウトプットを引き出しましょう!

ドーパミンの出し方はあくまで自然であることが重要

そもそもドーパミンとは「やる気ホルモン」や「幸せホルモン」とも呼ばれる神経伝達物質のひとつであり、感情や意欲、思考、運動、学習などに関連が深い物質です。

ドーパミンが適度に分泌されるとやる気や集中力が向上するため、目的の達成に役立ちます。反対に、不足すると無気力・無関心になって運動機能や学習機能が低下することに……。

では、どのように増やせばよいのでしょうか?

実はアルコールやタバコなど刺激が強いものを使うとドーパミンを大量に出せるのですが……それでは普段ドーパミンが正常に分泌されなくなるリスクがあります。

また、不自然な方法で過剰に分泌されすぎても、脳が過覚醒状態となり幻覚、妄想、依存などの症状があらわれる恐れも……。

したがって、あくまで健康的な習慣……たとえば栄養素の摂取や日常的な行動によって自然に増やすことが好ましいのです。

今回ご紹介するのは、すべてデータに基づいた健康的なドーパミンの出し方なので安心してください!

自然なドーパミンの出し方10選

それでは研究データをもとに、自然なドーパミンの出し方を10個ご紹介します。

継続することで集中力やモチベを高め、高いパフォーマンスを発揮していきましょう!

① コーヒーを飲む

コーヒーに多く含まれるカフェインに覚醒作用があることは多くの方がご存じの事実。しかし、飲むだけでドーパミンも増やせることは知っていましたか?

カフェインは、眠気を起こす「アデノシン」と呼ばれる物質のはたらきを抑えて覚醒作用を引き出しています。

アデノシンは眠気を起こすだけではなく、ドーパミンの放出を少なくするので、カフェインでアデノシンを抑え込むとドーパミンは増えるのです。

実際の研究でも、カフェインの摂取によってドーパミンの受容体が約5.6%活性化することがわかっています※1。受容体が活性化する=脳内ではたらくドーパミンが増えることになりますね。

つまり、コーヒーをただの眠気覚ましに使うだけではもったいないのです! アイデアを引き出す時や行動するモチベーションを高めたい時にも積極的に飲んでみてください。

※1参照:Caffeine increases striatal dopamine D2/D3 receptor availability in the human brain

② 日光浴をする

こちらも超簡単! ドーパミンは日光に当たるだけでも出すことがでるんです。

人間の体内では、日光を浴びることでビタミンDを生成したり、幸せホルモンのセロトニンを分泌したりと、意外と多くの変化が起きています。

ついでにドーパミンも増えて、日光に当たると何となく気分が良くなりやる気に満ちるわけですね。

気のせいではなく、研究でもしっかりとドーパミンの関係性が確認されていますよ。ある研究では、日光を多く浴びるグループとそうでないグループの2つにわけて調査したところ、日光を多く浴びるグループのほうがドーパミン受容体の活性が7.6%高くなるという結果となりました※2

部屋にこもって集中したい時やアイデアを引き出したい時でも、まずは日光を浴びてドーパミンを出してから挑んでみてはいかがでしょうか。

※2参照:Sunshine-exposure variation of human striatal dopamine D(2)/D(3) receptor availability in healthy volunteers

③ 瞑想をする

一見するとあまり関係なさそうな瞑想も、ドーパミンを出すために効果的であることがわかっています。

瞑想は自律神経を整えることで、ドーパミンを含む脳内物質のバランスを調整してくれるからです。

実際の研究データでも、参加者に1時間の瞑想をさせたところ、ドーパミンの放出が65%も増加しました※3

なお、研究では仰向けに寝た状態で行う「ヨガニードラ(眠りのヨガ)」が採用されています。眠りのヨガといっても実際に眠るわけではなく、眠りにおちるギリギリの状態で瞑想するのが特徴です。

モチベーションを高めたい時は、寝ないように気をつけつつ瞑想してみてはいかがでしょうか?

※3参照:Increased dopamine tone during meditation-induced change of consciousness

④ マッサージを受ける

マッサージも手軽にドーパミンを増やすのに最適な方法です。

ドーパミンは快感を司るホルモンでもあるため、マッサージで気持ちいいと感じると分泌が活発になります。

実際の研究でも、マッサージを受けるとストレスホルモンのコルチゾールが低下して、ドーパミンが平均31%増加するとわかりました※4

休日にゆっくりと仕事のアイデアを考えたい時は、まずマッサージを予約してからでも遅くないでしょう!

※4参照:Cortisol decreases and serotonin and dopamine increase following massage therapy

⑤ 好きな音楽を聴く

好きな音楽を聴いているとき、自然に口ずさんだり体がリズムをとったりしてなんだかいい気分になりますよね。

理由は、好きなこと・楽しいことをして脳が刺激を受け、ドーパミンが分泌されているからです。

つまり、集中したい時やモチベを引き上げたい時は先に好きな音楽を聴くのが効果的!

実際にカナダの研究でも、音楽を聴いているときの情動的興奮がピークに達したときにドーパミンが放出されると報告されています※5

一方、好きではない音楽を聴いているときにはドーパミンの活性化は見られませんでした。

仕事で疲れたらちょっと休憩して好きな音楽を聴いてみましょう。ドーパミンが分泌されて、やる気や集中力が復活しますよ!

※5参照:Anatomically distinct dopamine release during anticipation and experience of peak emotion to music

⑥ 性行為をする

実は性行為を行うこともドーパミンの分泌に効果的なため、日常的な集中力&モチベーションの維持にとっても欠かせません。

研究でも、性行為を行うと脳内でドーパミンを分泌する「線条体」と呼ばれる器官が活性化するとわかっています※6

つまり、定期的な性行為は、ドーパミンの濃度を維持して物事へのモチベーションや集中を高めてくれるわけです。

仕事や勉強が大切なのはわかりますが、思い詰めているとパフォーマンスも低下してしまいます。

普段のモチベーションを高めるためにも、定期的に性行為を行いリラックスする時間も欠かさないようにしてくださいね!

※6参照:Sex differences in dopamine release regulation in the striatum

⑦ 寝不足を解消する

寝不足になると頭がボーっとして集中できなかったり、やる気が湧かなかったり……さまざまな悪影響が出ますよね。

これはドーパミンが減少し、脳内の神経伝達物質のバランスが乱れているからです。

アメリカの研究でも、睡眠不足になるとドーパミンD2/D3受容体の利用率が低下することがわかりました※7

つまり、寝不足の状態ではいくら集中したくても脳内のドーパミンの減少により本来の力が発揮できなくなるわけです。

直近で差し迫った課題がある人も、睡眠だけは削らないように注意してください。

※7参照:Evidence That Sleep Deprivation Downregulates Dopamine D2R in Ventral Striatum in the Human Brain

⑧ 有酸素運動をする

運動をするとさまざまなホルモンが分泌されますが、トレーニングで汗をかいた後にスッキリ爽快な気分になるのはドーパミンのはたらきが関係しています。

運動をして達成感ややりがいを感じるとドーパミンが分泌され、幸福感が得られるためです。

実際、多くの論文を分析した信頼性の高い研究でも、運動によってドーパミンが放出されることがわかっています※8

特に有酸素運動はしっかり酸素を取り込んで脳を活性化し、よりドーパミンが放出されやすくなるためおすすめです。

また、有酸素運動の中でも屋外でのウォーキングやジョギングは日光浴が同時にできてセロトニンも増えるので一石二鳥!

ジムに通う時間がない人は、今までより早く起きて30分ほどウォーキングやジョギングをしてみましょう。

最初は億劫かもしれませんが、運動をしてドーパミンが分泌されるとモチベーションが上がるので、やみつきになるはずです。

※8参照:Bidirectional Association between Physical Activity and Dopamine Across Adulthood—A Systematic Review

⑨ チロシンが豊富な食べ物を摂取する

ドーパミンは食事からとれる栄養素によっても増やすことができます。

具体的に、ドーパミンを増やす栄養素は「チロシン」というアミノ酸です。

チロシンは体内で「L-ドーパ」と呼ばれる物質に変化し、L-ドーパがドーパミンになります。つまり、チロシンはドーパミンを作るために必要な原材料になるわけです※9

実際、食事から摂取するチロシンが不足すると脳内のドーパミンが減少してしまうこともわかっていますよ。

チロシンは肉、魚、大豆など、どのタンパク質源にも豊富に含まれています。

そのため、毎食タンパク質を意識的に摂取すればドーパミンをしっかりと分泌できる状態を保てるでしょう。

※9参照:Tyrosine Hydroxylase and Regulation of Dopamine Synthesis
※10参照:Dietary tyrosine/phenylalanine depletion effects on behavioral and brain signatures of human motivational processing

⑩ ドーパミンを増やせるムクナサプリを摂取する

ムクナは、インドで古くから男性機能改善自律神経の調整を目的に摂取されてきた豆科の植物です。

食事でなかなか摂取できないので、基本的にはサプリメントとして摂取することになります。

そんなムクナには、脳内でドーパミンに変換されるL-ドーパが高濃度含まれているので、摂取することでドーパミンを直接増やすことができるのです。

実際の研究でも、150名の男性にムクナを1日5g摂取させたところ、血中のドーパミン濃度が平均で約52%増加したという驚異的なデータが出ています※11

ムクナは飲んですぐに体感を得やすいのも嬉しいポイント。ネット上でも「ムクナを飲むと集中できる」「モチベーションが湧いて元気になる」といった声を見つけることができます。

手軽にドーパミンを出したい方は、ムクナが入ったサプリをストックしておくのもおすすめです。

ちなみにムクナサプリを選ぶ時は、同じムクナの中でも有効成分の『L-ドーパ』が多く入っている製品を選びましょう。

たとえば、「バイオドーパ」と呼ばれるムクナの抽出物はL-ドーパが30%以上必ず含まれていると保証されています。L-ドーパが豊富な分、ただのムクナサプリよりも効率的にドーパミンを増やせるのです。

※11参照:Mucuna pruriens improves male fertility by its action on the hypothalamus-pituitary-gonadal axis

まとめ:健康的な生活習慣でドーパミンを増やそう

ここまでドーパミンの出し方について紹介してきました。

もしかしたら「ほとんどは日常生活において当たり前のことでは……?」と思った方もいるかもしれませんね。

実はその通りで、健康的な生活習慣を送りつつストレスをケアしてあげるとドーパミンは勝手に身体が作り出してくれるのです。

……プラスアルファでより高めたいなら、サプリの活用もアリ、といったところでしょうか。

とはいえ、具体的にどんな運動をすれば良いのか、どうすれば質の高い睡眠が取れるのか、どうやってストレスをケアできるのかなど、まだまだ疑問点は尽きないはず。

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