ロードバイクに乗り始めてしばらくすると、次のステップとして「レースに出てみたい!」と思う方は少なくありません。

とはいえ、実際に出るとなると「初心者はどの種目を選べばいいの?」「どんな装備を揃えたらいいんだろう?」「レースに向けての練習方法は?」など、疑問が尽きないもの……。

  • シマノ鈴鹿ロード

本企画は、まさにそんな状態のマイナビニューススタッフTが、今年の夏にモータースポーツの聖地・鈴鹿サーキットで開催されるロードレースの祭典「シマノ鈴鹿ロード」に出場するまでの過程に密着!

連載の第1回目で装備を揃え、第2回目でトレーニング方法をプロから教わったTが、ついにレースに初挑戦しました。最終回の今回は、8月19日と20日に開催された「シマノ鈴鹿ロード」本番の様子をレポートします。

連載第1回目、2回目の記事はこちら

>ロードバイク初心者がシマノ鈴鹿ロードに出るまで#1 ~エントリー・装備準備編~

  • 連載1回目

>ロードバイク初心者がシマノ鈴鹿ロードに出るまで#2 ~練習・当日までの準備編~

  • 連載2回目

いざ、鈴鹿サーキットへ!レース前の準備は入念に!

Tが出場した「1時間サイクルマラソン」は、19日の午前中に行なわれました。「1時間サイクルマラソン」とは、1周3.475kmのコースを1時間走り続ける種目。決められた時間の中でより多くコースを周回する「エンデューロ(耐久レース)」の競技です。初心者からベテランライダーまで、さまざまなレベルの参加者が出場します。

  • レースの様子

当日、宿泊していたホテルを出発し、事前に予約していたサーキット前の交通教育センター内駐車場に到着したのは、朝6:00。早朝にもかかわらず、すでに大勢のライダーが全国から集まり、自転車を車から降ろしたり、ウェアに着替えたりと、慌ただしく準備をしていました。

ロードバイクを押しながら少し歩いて入場ゲートをくぐり、まずは受付へ。参加確認証と同じ色の受付に並び、順番を待ちます。受付では、バイクナンバーとボディナンバー、計測チップの3点が提供されました。

  • 受付の列に並ぶ

    受付があるのがモータースポーツで作業を行う「ピット」の中。こういった点で鈴鹿サーキットでのイベントだということを実感します。

バイクナンバーは、フレームの左側やサドルの下など、左側からよく見える場所に固定するのが正解です(ちなみに、Tは間違ってフレーム中央寄りに付けてしまいました)。

  • ナンバー取り付け

ボディナンバーはウェアの背中側に縦に留め、計測チップは結束バンドでフロントフォークに装着します。

  • 計測チップ取り付け

これらの取り付け方については、受付時にもらえる案内用紙に記載されています

  • ボディナンバー

準備が終わったら、ピットを通っていよいよサーキットへ。

  • ピットを通過していざ試走へ

6:15になるとサーキットが開放され、試走ができるようになりました。試走は、すべてのライダーに推奨されています。続々と走り始めるライダーたち。その波に乗ってTもサーキットに飛び出し、初めての鈴鹿サーキットでの走行を体験しました。

  • 試走開始

    サーキット側に出ると、モータースポーツでおなじみの鈴鹿のメインストレート。

まだ涼しい時間帯、ロードバイクのコンディションを確かめつつ、転倒・衝突しないように周囲に気を配りながらゆっくりと走るのは、準備運動としても最適です。ブレーキや変速機に何ら問題ないことがわかり、胸を撫で下ろしました。

  • 試走

    現地について驚くのが、思っている以上にコースの起伏が激しいこと。メインストレートは上り坂になっており、はじめは不安を感じるでしょう。

なお、試走の時間は7:00までの45分間。6:45以降は新たに周回できなくなっていました。また、競技の種類によっては、本番で走るコースが試走と異なります。本番でどのコースを走ることになるのか、あらかじめチェックしておくと良いでしょう。

  • 試走

試走後は、初心者向け講習会まで、しばし休憩。周囲を見渡すと、ライダーはさらに増えていて、バイクラックには立てかけられたロードバイクがずらり。その数の多さを目の当たりにすると、日本最大級のロードレースの祭典であることを強く実感しました。

ピットビル1Fでは、「シマノレーシング50周年記念」展も。日本のサイクルスポーツの発展拡大に取り組む自転車ロードレースチーム「シマノレーシング」の歴代のロードバイクやユニフォームが展示され、子ども向けには無料のぬり絵コーナーが併設されていました。

  • シマノ自転車博物館展示

ピットビル2Fに上がり、7:40からは初心者向け講習会に参加。転倒・衝突が起きやすい場所や、急ブレーキをかけなければいけないときのテクニック、チェーン落ちを防ぐ方法など、20分間の講習会は初心者のための有益な情報が盛りだくさんでした。

  • 初心者講習会

「今日の目標は、安全に楽しくゴールすること」「出走前は、深呼吸をして緊張を集中に変える」「とにかく落ち着いて行動する」。講師からのアドバイスは、レースに臨むうえで大事なことばかり。胸に秘めてスタンバイを進めていきます。

  • 初心者講習会

レース本番まで残り50分。セルフメカニックコーナーで、タイヤに空気を注入しました。もしもの場合も、シマノテクニカルサポートが有償で整備・点検をしてくれるので、安心です。

  • テクニカルサポート

8:00を回ると、気温が急上昇。雲間から差し込む日差しは強く、立っているだけでも体力を奪われます。熱中症を防ぐためにもエネルギーと水分補給は欠かせません。「パワープロダクション」を水で溶かし、スポーツドリンクとともに用意。念のため、エナジージェル「Mag-on」もウェアの後ろポケットに入れ、スタンバイは完了です。

  • ドリンクの準備

いよいよ出走!相棒のロードバイクに乗って1時間の激走!

時刻は8:20。ヘルメットをしっかり被り、アイウェアと手袋を装着して、春から一緒に過ごしてきた相棒のロードバイクとサーキットに向かいます。レースを待ちわびて列をなす出場者たち。その光景に「鈴鹿の名物風景が帰ってきました」と、スピーカーから興奮気味の声が聞こえてきました。

  • 1時間サイクルマラソン待機列

スタート1分前からのカウントダウン。30秒前、10秒前。否応にも緊張感が高まります。

  • スタートライン

号砲が鳴ると、車輪の音が唸りを上げました。1時間にわたる戦いの始まりです。

  • スタート直後

ホームストレートからのスタートですが、走るのは西コースと呼ばれるエリア。

  • 1時間サイクルマラソン

レース中は速度帯に応じていくつかの集団が形成されます。スピードの速い集団が通過するさまは圧巻です。

  • 1時間サイクルマラソン

レース終盤になると、周囲のライダーも暑さの影響もあり疲れが出てきます。

  • 1時間サイクルマラソン

結果、Tは8周を走り切りました。猛暑の中、大健闘です。

  • 走り終えたT

キツい上り坂に何度も心が折れそうになりましたが、観客の方々や一緒に走るライダーの方々に応援していただけたおかげで、何とかがんばれました!しんどかったですけど、1時間あっという間で楽しかったです!


年齢や性別を問わず、子どもから大人まで参加できる「シマノ鈴鹿ロード」では、親子や友だち同士が自転車を介して交流し、健闘を讃え合い、絆を深めている様子が会場の至るところで散見されました。

レース終了後は、計測チップを外してチップ回収所に返却。計測チップを持ち帰ってしまう人がいるそうですので、返すのを忘れないようしましょう。

  • 計測チップ取り外し

“ライダーのための夏祭り”!屋台や自転車関連用品の物販ブースも!

その後、会場内を散策。カレーライスや唐揚げ、かき氷などの屋台や、ヘルメットやウェア、ホイールといった自転車関連用品の物販ブースが軒を連ねていて、お祭りの雰囲気が漂っていました。まさに“ライダーのための夏祭り”です。

  • 各社のブース

大会を主催するシマノのブースも盛況。

ビンディングシューズ「SPD-SL」「SPD」の全サイズを試着できる「シマノシューズエクスペリエンスコーナー」が鈴鹿に出張。シューズフィッティングを実施していました。

  • シマノブース

LAZERのヘルメットも多くのモデルが試着できます。

  • シマノブース

ロードバイク初心者でも、ロードレースに挑戦できる!

これにて、春から始まったTの挑戦は無事に幕を閉じました。ロードバイク初心者でも、装備を揃え、トレーニングを積めば、ロードレースに出場できる。そして、日常では味わえない充実感を得ることができます。そのことをTは証明してくれました。

  • レースの様子

「また出場したい!」と、すっかりロードレースの虜になってしまったT。挑戦は、まだまだ続くのかもしれません。

  • T

シマノ鈴鹿ロードについて詳しくはこちら

【大会前日談……】
ちなみに、実は大会1週間前にパンクが発覚し、直前にタイヤ交換を行ったT。当日発覚したらどうしようもなかったので、バイクのチェックは欠かせないと再認識しました……。

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シマノは、世界中の自転車を愛する人の感動に寄り添いたいと願い、品質にこだわった本当に信頼されるものづくりを目指しています。
今までもこれからも「こころ躍る製品」を皆様にお届けしてまいります。

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photo:photographer_eringi

[PR]提供:シマノセールス