男性のパフォーマンス向上に有用なNO(一酸化窒素)を、飲むだけで手軽に増やすことができる『NO系サプリ』の大人気が高まっていますね。

しかし、実はNO系サプリの成分にはいくつかの種類があり、有名なアルギニン・シトルリン以外にもデータが豊富な有用成分が多くあることはあまり知られていません。

今回の記事ではNO系サプリについて効果や種類を徹底解説した上で、おすすめの成分を紹介します。最後はより強い実感を得るための選び方も紹介しているので、この記事だけでNO系サプリの全てを知り尽くすことができますよ。

そもそもNO系サプリとは? 男性に嬉しい3つの効果

NO系サプリとは、摂取することで体内のNOを増やすことができるサプリメントのことです。

NOは血管の伸縮性を高めて血流を改善してくれるため、摂取することで血管と血流に関係する様々なブースト効果を得ることできます。

特に運動や性機能など男性のパフォーマンスに大きく貢献してくれることから、活力を求める男性やトレーニーから大きな注目を集めているサプリですね。

まずはそんなNO系サプリの摂取で得られる3つの効果について簡単に解説していきます。

① 運動パフォーマンスの向上

NO系サプリメントにおいて注目される1つ目の効果は運動パフォーマンスの向上です。

体内でNOが増えると筋肉への血流が増加して、酸素やエネルギーの運搬効率が上がります。

結果として筋力や持久力を高めることができ、スポーツや筋トレで最大限のポテンシャルを発揮することができるわけですね。

研究データを見ても、NO系サプリの成分を摂取することによりマラソンの記録向上筋トレの挙重量増加に効果的との報告が多数なされています。

以上が「スポーツで少しでも強いパフォーマンスを引き出したい」、「筋トレでどうにか扱う重量を増加させたい」という方にNO系サプリがおすすめな理由です。

② 疲労回復の促進

NO系サプリ2つ目の効果は疲労の回復です。

NOは大きく2つのメカニズムで身体に蓄積した疲れの原因を取り除いてくれます。

1つは血流を良くすることで、ダメージを受けている部位に回復させるための栄養を供給しやすくするはたらき。もう1つは、NO自体が疲労による炎症反応を中和させて鎮めるはたらきです。

つまり、健康な方が抱える一時的な疲労について広く効果を発揮してくれます。研究データでは運動後の筋肉疲労にはもちろんのこと、日々の生活から生じる慢性的な疲れに対しても効果的だといわれていますね。

NO系サプリは「早く筋肉痛や運動の疲れをとりたい」「常に抜けない疲労を回復させたい」といった方の要望にも応えてくれそうです。

③ 男性機能の向上

NO系サプリの効果3つ目は男性機能の向上です。

なんといっても男性の下半身は血管の塊ですからね。NOによって血管の伸縮性が増加し血液を集める力が強まると、「勃起」の際にも有利にはたらきます。

結果として、血管の衰えにより生じる立ちの弱さが改善されたり、血流が増加することでサイズにポジティブな影響があったりと男性が喜ぶ効果を実現するんです。

NO系サプリは成分で選べ! 3つの種類とは?

次はNO系サプリの種類について解説します。

NO系サプリはNOを増加させるメカニズムでわけると、以下の3つに分類することができるのです。

「アルギニンとシトルリンしか知らない」「体内でNOが増えるメカニズムが知りたい」という方は必ずチェックしてからNO系サプリを選びましょう。

① オルニチン回路系NOブースター

1つ目のオルニチン回路系NOブースターはやや難しいのですが覚え方は単純。

皆様がご存じのアルギニンとシトルリンを使って、体内に元から備わっているシステムでNOを増やす方法です。

実はNO、体内で発生したアンモニア(毒素)を無毒化して尿にする「オルニチン回路」がはたらく時に、化学反応の副産物でつくられています※1

尿をつくるついでにNOが増えるって、人体は不思議ですね……。それはさておき、もう少し具体的に話をしましょう。

シトルリンとアルギニンは、オルニチン回路の中で交互に入れ替わりつつNOを産生しています。アルギニンがシトルリンに変わる時にNOが分泌され、シトルリンは他の物質と化学反応を起こしてアルギニンになって……を体内で繰り返すわけです。

つまり、アルギニンとシトルリンを摂取することはオルニチン回路でNOが生成される時の原材料を増やすことにつながるため、結果的にアルギニンとシトルリンの摂取はNOを増加させてくれます。

もともとある体内のシステムを利用することから、安全性や確実性が高い点が大きなメリットですね。

なお、アルギニンとシトルリンは1回で800mg〜3,000mg程度と多く摂取する必要があるため、カプセルよりもパウダータイプが向いている成分といえます。

【オルニチン回路系NOブースターのメリット】
  • 原材料が安価でコスパが良い
  • 色々なサプリに入っているので手軽に摂取できる
  • アミノ酸なので安全性の高さが科学的に証明されている

※1参照:シトルリンの代謝と薬効

② ナイトレート系NOブースター

2つ目の種類はナイトレート系NOブースター。

特定の植物に多く含まれる『硝酸塩(NitrateまたはNO3)』を活用してNOを増加させるメカニズムのため、硝酸塩を多く含む植物がナイトレート系NOブースターサプリの原料として使われます。

オルニチン回路よりも複雑なのでザックリ説明しますと……口の中の細菌を利用してNOをつくり出します。

まず、サプリメントで摂取した硝酸塩は血液を通って唾液として口の中に再び戻ってきます。すると、口の中にいる善良な常在菌によって「亜硝酸塩」という物質に変化します。

その亜硝酸塩を唾液と一緒に飲み込むと、胃酸のはたらきによってNOに変換されて体内で利用することができるのです。

シトルリンやアルギニンは体内のシステムでNOを増やしますが、硝酸塩は菌の力を使って増やすという全く別のメカニズムであることがよくわかりますね。

アルギニンやシトルリンの仕組み以外にNOをプラスアルファで増やせる点が大きなメリットです。単純な比較はできないので、ぜひアルギニン&シトルリンとの相乗効果でNOを増やしていきたいところです。

【ナイトレート系NOブースターのメリット】
  • 尿素回路とは別のメカニズムでNOを増やせる
  • 硝酸塩以外の栄養素も豊富な原料が多い
  • 基本は野菜由来のため、より自然的で安全性も高い

※2参照:野菜に含まれる硝酸塩は毒か薬か? 還元的NO合成経路の研究小史

③ フラボノイド系NOブースター

最後は、最新の優れた成分が非常に多いフラボノイド系NOブースターです。

フラボノイドとは、強い抗酸化作用をもつポリフェノールの一種一部の植物に含まれる、NOを大きく増加させる作用があるフラボノイドが注目を集めサプリメントの原料として使われているんです。

特定のフラボノイドはなんと2つのメカニズムで体内のNOを増加させることができます。

1つ目は『eNOs』と呼ばれる酵素の活性化です。

eNOsはアルギニンと合体してNOをつくりだす、いわばオルニチン回路の立役者※3

そのeNOsが活性化すると当然アルギニンとの合成が活発になり、生成されるNOがさらに増えるという仕組みになります。

2つ目は抗酸化作用によるNOの保護

実はNO、身体に溜まっている活性酸素を除去してくれる効果もあるんです。しかし、活性酸素が多すぎると除去で使い切ってしまい、血管の伸縮性を高めるために使う分がなくなってしまうという本末転倒な状態に※4

そこでフラボノイド系NOブースターの出番。抗酸化作用で活性酸素が除去されると、NOが余計なところで消費されないため血管にしっかりと行き届いて求める効果を発揮することができるわけです。

フラボノイド系NOブースターのメリットは、オルニチン回路系のNO生成サポートと、増やしたNOの保護という1人2役をこなしてNO増加の効率を極限まで高めてくれる点ですね。

さらにフラボノイドは少ない用量で効果を発揮する特徴があるので、たくさん摂取する必要がないところも嬉しいポイント。

ちなみに、実は「NOを増やす」という点ではマストな存在なのに、まだNO系サプリの成分としては知名度が低い隠しキャラ的存在なんです。この記事を読んでくださったあなたは、ぜひこれを機に多くの方が知らない最新のフラボノイド系NOブースターにも注目してみてください。

【フラボノイド系NOブースターのメリット】
  • 追加摂取でNOの生成効率を向上できる
  • NO生成のサポートだけではなく抗酸化作用によって増えたNOを維持できる
  • 摂取が少量で済む
  • NO増加以外の健康効果を発揮する成分も多い

※3参照:Endothelial Nitric Oxide Synthase (eNOS) and the Cardiovascular System: in Physiology and in Disease States
※4参照:Role of oxidative stress and nitric oxide in atherothrombosis

NO系サプリおすすめ成分8選

それぞれの種類がわかったところで、NO系サプリのおすすめの成分を8個紹介します。

ほとんどは聞きなれない成分だと思いますが、いずれも臨床試験データが豊富な本物だけを厳選したので注目してみてください。

オルニチン回路系NOブースター3選

まずはオルニチン回路でNOを増やしてくれる成分3選。

定番成分のアルギニンとシトルリンを超えるもう一つの素材には注目です。

① アルギニン

アルギニンはもはや説明不要ですね。アミノ酸の一種で、オルニチン回路でNOを生成する役割を果たす成分です。

実はアルギニン、体内で成長ホルモンの分泌にも携わっているので、肉体的な疲労回復の面ではより効果的にはたらきます。

たとえば、アルギニン1.5g〜3gを4週間摂取させ運動後の疲労を調べた試験では、アルギニンを摂取していなかった時と比べて肉体的な疲労度が大きく軽減されることがわかっていますよ※5

また、シトルリンと同時に摂取すると相乗効果で体内のNOが増加するというデータもあるんです※6

摂取する時はぜひともシトルリンとセットで飲みたい、定番のNO系サプリ成分ですね。

※5参照:Effects of arginine-based supplements on the physical working capacity at the fatigue threshold
※6参照:NO(一酸化窒素)の産生を助ける効果的な摂取方法は?

② シトルリン

シトルリンもオルニチン回路でNO生成に使われるアミノ酸ですね。NO系サプリの鉄板成分といえます。

体内でアルギニンに変換されてはたらくので、アルギニンとシトルリンはどちらを摂取しても結果はほぼ同じです。

しかし、あくまで単体で比べると実はアルギニンと比較して体内に吸収されやすいというメリットがあります※7

また、地味ですがアルギニンよりも味にクセがなくて、パウダータイプでも飲みやすいのがいいですね。カプセルの時はあまり関係ないですが……。

つまり、アルギニンかシトルリン、どちらか1つだけおすすめするならシトルリンが良いでしょう。

実際、シトルリンはアルギニンよりも男性機能の面で良い結果が出ています。ある試験では、50代で軽度のEDを抱える男性に対して1日1,500mgのシトルリンを1ヶ月間摂取させたところ、勃起硬度に対する評価が「軽度ED」から「完全な勃起」へ向上しました※8

先ほどと同様の結論ですが、アルギニンと組み合わせることでさらに強いNO増強効果を得ることができるでしょう。

※7参照:Pharmacokinetic and pharmacodynamic properties of oral L-citrulline and L-arginine: impact on nitric oxide metabolism
※8参照:Oral L-citrulline supplementation improves erection hardness in men with mild erectile dysfunction

③ ランペップ

ランペップは卵白を酵素分解して「ペプチド」の形にし、吸収率を高めた最先端のサプリメント素材

卵白にはアルギニンをはじめとした豊富なアミノ酸が含まれており、それらを凝縮して吸収までしやすくしている科学の結晶ともいえる成分ですね。

最大の特徴は、なんといっても男性機能の改善に関する実績で特許を取得している点です。

具体的には、マカ、亜鉛、ランペップを組み合わせて摂取するとNOが大幅に増加し、EDの改善が認められたとして特許を取得しました※9

推奨量が500mgと、比較的少ないのも嬉しいポイント。

特許も取得していることからアルギニンやシトルリンよりも実績が豊富で、オルニチン回路系NOブースターの中では一番のおすすめ成分です。

特に性機能の面をより高めたいという方は、ランペップにマカや亜鉛が追加されたサプリメントを検討してみてください。

※9参照:ランペップ®の機能性

ナイトレート系NOブースター2選

次はナイトレート系NOブースターのご紹介ですが……実は2種と非常に少ないです。

これは、そもそも硝酸塩を豊富に含む赤紫の植物が少ないことが理由。

希少性が高いナイトレート系NOブースターに注目しましょう。

④ サビート

サビートとは、スーパーフードとして知られる赤い野菜、「ビートルート」を濃縮した素材。世界的に有名なサプリ原料メーカーが製造している商標素材です。

通常のビートルートエキスは生育環境によって素材の栄養素が簡単に変わってしまうのですが、硝酸塩(NO3)が必ず2%以上保有されていると保証されており品質が安定しています。

ビートルートは、効果の面では運動パフォーマンスに関するデータが豊富ですね。

たとえば、6日間ビートルートジュースを摂取しながらベンチプレス3セットを続けた結果、ベンチプレスの総挙上重量がなんと18.9%も向上したというデータがあります※10

さらに、持久力に関するデータも良い報告がされていますよ。自転車競技選手に硝酸塩を豊富に含むビートルートジュースを摂取させた研究では、摂取させていないグループと比較して16.1kmのタイムトライアルの完了時間が2.7%短縮されました※11

素人ならまだしもアスリートの2.7%はすごいです……。勝敗をもわけるほど大きい差を生む貴重なパワーといえますね。

以上のことから、ナイトレート系NOブースターはトレーニーやアスリートにとって特におすすめです。

※10参照:Ingestion of a Nitric Oxide Enhancing Supplement Improves Resistance Exercise Performance
※11参照:Acute dietary nitrate supplementation improves cycling time trial performance

⑤ オキシストーム

オキシストームはほうれん草の仲間である「レッドスピナッチ」を濃縮した素材。

最大の特徴は硝酸塩の含有量。上で紹介したサビートが2%だったのに対して、オキシストームはなんと確実に9%以上の濃度で硝酸塩が含まれています。

単純計算ですが、サビートと比較して4.5倍もNO生成能力が高いともいえますね。

研究データの数値にも凄さは表れており、なんとオキシストームを1,000mg摂取した30分後には血中のNO濃度が54%も増加したという報告もあるんです。

当然オキシストームはサビートよりも高価で希少な成分。しかし、とにかく少しでも多くNOを増やしたいアスリートはオキシストームを選ぶべきでしょう。

※12参照:Differential vascular reactivity responses acutely following ingestion of a nitrate rich red spinach extract

フラボノイド系NOブースター3選

最後はフラボノイド系NOブースターの中でも特に臨床試験データが豊富な3種を厳選してご紹介。

単体で摂取してもよし、他のNO系成分と併用してもよしの万能な成分たちに注目しましょう。

⑥ ピクノジェノール

ピクノジェノールはフランスの海岸で生育されている松の樹皮から抽出される成分。プロシアニジンやカテキン、タクシフォリンといった様々なフラボノイドが含有されており、非常に強い抗酸化作用や抗炎症作用をもつことで注目が集まりました。

NOを増加させることも研究で明らかになっているため、追加で様々な臨床試験が行われています※13

その効果は高血圧の改善や肌の機能保持、神経の保護作用、心臓の健康増進、メタボリックシンドロームの改善、学習能力の向上などまさに万能ともいえるレベル。

特にアルギニンと組み合わせて3ヶ月摂取させたところ、多くの方にED改善の兆しがあったというデータは注目に値します※14
ピクノジェノールはNOの増加に伴う様々な健康効果を得たい方には特におすすめの成分です。

※13参照:Pycnogenol, French maritime pine bark extract, improves endothelial function of hypertensive patients
※14参照:Treatment of erectile dysfunction with pycnogenol and L-arginine

⑦ S7

S7は2018年にアメリカで開発された最新の天然フラボノイド系NOブースターです。

グリーンコーヒー豆やグリーンティーをはじめとし、フラボノイドを豊富に含む7つの植物由来の原料が独自の比率で配合されています。

このS7の研究データはとにかく凄まじいの一言で、なんと50mg摂取後に3時間で体内のNO濃度が最大230%まで上昇したという驚異的な報告がされています※15

さらに、別の研究では体内の酸化ストレスを数値にする指標が75%も減少したというデータも※16

それでいて、推奨量が50mgという超低用量ですから、今回ご紹介した成分の中でも、ポテンシャルはトップレベルです。

まだ新しい成分でデータが少ないのが玉にきずですが……すでに海外ではプレワークアウトなどスポーツ系のサプリメントに採用され人気になりつつあります。

採用されているサプリメントは少なく非常に希少ですが、研究データを見ただけでも試してみる価値が伝わるのではないでしょうか。

※15参照:Oxidative stress or redox signalling - new insights into the effects of a proprietary multifunctional botanical dietary supplement
※16参照:A Double-blind, Placebo-controlled, Randomized, Longitudinal Study on the Effects of a Plant-based Dietary Supplement on Nitric Oxide and Mitochondrial Metabolic Activity

⑧ ブラックVキューブ

ブラックVキューブは、タイで生産されている黒ショウガ(ブラックジンジャー)の抽出物。ブラックジンジャーにはNOの増加をサポートするフラボノイド系が複数、含まれています。

特に、有用成分「ジメトキシンフラボン」を5%以上の濃度で保有しているのが、他のブラックジンジャー素材と異なる優位点です。

男性機能向上が見込めるとして、古くからブラックジンジャーを含有しているサプリメントは大人気。勃起を阻害するPDE5を抑制してくれるという、ED治療薬と同じメカニズムでより安全に男性機能を高めてくれることが研究でわかっています※17

そんな男性機能の向上に定評のあるブラックジンジャーですが……ブラックVキューブは全てのブラックジンジャーサプリを過去の物にするかもしれません……。

NO系サプリの中でもトップクラスに素晴らしく、そしてユニークなデータが報告されているんですよ。

それは……サイズの改善効果です。

研究では平均年齢65歳の男性に対して、2ヶ月の間ブラックVキューブを1日90mg摂取させました。すると、通常時の太さ(周囲径)が約1cm、勃起時の太さ(周囲径)は約2cmも増大したというデータが報告されたのです※18

NOの増加やPDE5の抑制により、下半身の血流にポジティブな影響があったことは間違いないでしょう。

男性機能面に期待してNO系サプリを検討している方には、間違いなくおすすめの成分だといえますね。

※17参照:Kaempferia parviflora, a plant used in traditional medicine to enhance sexual performance contains large amounts of low affinity PDE5 inhibitors
※18参照:Efficacy Assessment of Kaempferia parviflora for the Management of Erectile Dysfunction

より強い効果を実感するために知っておくべきNO系サプリの利用方法

最後に、よりNO系サプリの効果を実感するために必要な3つの利用方法を共有したいと思います。

コレを頭に入れておかないと、せっかく良い成分を知っていても効果を実感できる製品を選べないリスクが出てくるので、しっかりチェックしてくださいね。

① 利用の目的で選ぶ

まず一つ目が、「NO系サプリは利用の目的で選ぶべき」という話。もっと端的に言うと、臨床試験データをしっかりと参照して選ぶべきです。

NO系サプリは様々な目的で使われますが、今回ご紹介したように成分によって得意なジャンルは若干異なることがわかったはず。

たとえば、疲労回復ならシトルリンは非常に有用でデータも豊富でしたね。運動パフォーマンスの向上ならナイトレート系のオキシストームが良いでしょう。男性機能ならやはり最後に紹介したブラックVキューブが注目の的です。

このように、基本的にサプリメントは成分ごとの臨床試験データに着目して選ぶと失敗することがありません。

② 複数の種類を同時摂取する

今回はNO系サプリの成分が3種類に分類できることを紹介しましたが、「どの種類が一番優れているか?」という話はあまり意味がありません。

なぜなら、メカニズムがそれぞれ違いすぎて単純な比較が困難だからです。NOの増加量を比較してどれが優れているか証明したデータもまだこの世には存在しません。

そのような状況でNOを最大限に増やしたいなら、複数のメカニズムからアプローチをかけるしかないのです。

つまり、オルニチン回路系、ナイトレート系、フラボノイド系それぞれの種類を併用した方が、高い相乗効果を見込めるといえます。

実感を強くしたいなら、単純な比較ではなく複数種類の摂取による様々なNOに対するアプローチを試してください。

③ 推奨量をしっかりと摂る

最後は『推奨量』に関するお話。研究データと同じ効果を得るためには、当然ながら同じ量を摂取する必要があります。

しかし、市場に出回るサプリメントでありがちなのが、成分の有用性だけアピールをしておいて、効果を実感するために必要な成分量が入っていない製品……。

たとえば、シトルリンの疲労回復効果は1日1,500mgの摂取で確認されていますが、実際には1日分で1,500mgのシトルリンが入ったサプリメントは少ないのが実情なんです。

では、どのように推奨量を満たした良いサプリメントを見分ければ良いのでしょうか? 簡単なポイントの一つが、『商標成分』と呼ばれる成分を選ぶことです。

商標成分とは、有効成分の濃度が一定に保たれているなど独自に開発された成分に対して、開発した企業が命名している成分。

たとえばですが、同じ『コーヒー豆』のなかでも『ブルーマウンテン』や『モカ』は名前がついており、生産地や生産方法が決まっていますね。

サプリメントでも同じで、『ブラックジンジャー』の中でも『ブラックVキューブ』は有効成分のポリメトキシフラボンを5%濃度で配合している質の高いブラックジンジャーだといえます。

そんな商標成分の優れている点が、入っているものを選ぶだけで確実に推奨量を摂取できる点です。

サプリメント業界の裏話ですが……商標成分はブランド力がさがらないように、必ず推奨量を入れないと成分を使用できないという契約が結ばれるからです。

今回紹介した『S7』を例にしてみましょう。S7は推奨量が50mgとメーカーが定めているため、サプリメントにほんの1mg入れるだけでは「S7を配合している」と言ってはいけない決まりになっています。50mg以上を配合して初めて「S7配合」とアピールできるわけです。

さらにほとんどの商標成分は独自に臨床試験を行っており、その臨床試験で効果や安全性が確認された量を推奨量としています。

まとめると、商標成分が入ったサプリメントを選ぶことで通常よりも実感しやすい成分を、しっかりした量摂ることができるといえますね。

まとめ:NO系サプリは選び方が重要

ここまでNO系サプリの種類や効果、選び方について余すことなく解説してきました。

NO系サプリは男性としてのパフォーマンスを向上させる上で非常に有用なことは間違いありませんが、選ぶサプリによっては十分な効果を実感しにくいリスクもあります。

闇雲に知っている成分を選ぶのではなく、臨床試験の結果や成分の推奨量などをもとにデータドリブンなサプリメントを選ぶようにすると、失敗することがなくなりますよ!

また、もちろんサプリメントの影響は個々の成分との相性や健康状態から個人差が生まれますから、NO系サプリであれば複数のメカニズムにアプローチできるサプリを選ぶのも重要です。

しかし……毎日忙しい中でじっくりと情報を調べ、良い製品を選ぶのも一苦労ですよね。

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