日々ハードな人生を送っていると、夜中に目が覚めて眠れないときもありますよね。
「でも睡眠薬は怖いし、かといって眠れず日中に眠気と戦うのも限界だし……」とお悩みの方も多いはず。
ですがご安心ください。実は日中~寝る前や夜中に起きてしまったときにできる最善の行動を知っておけば、悪循環を断ち切ることが可能です。
今回の記事では夜中に目が覚めて眠れない原因を紹介した上で、再びすぐに眠るための対策とそもそも目が覚めにくくなる予防策を一挙に紹介します!
夜中に目が覚めて眠れないときに起こっている3つの不足とは
まずは夜中に目が覚めて眠れないとき、身体の中では一体どのようなことが起こっているのか知っておきましょう。
睡眠のメカニズムは複雑ですが、原因がわかれば対処法も飲み込みやすくなります。
① リラックス不足
夜中に目が覚めて眠れないとき、最も不足しているといっても過言ではないのが「リラックス」した状態。
イメージしやすいと思うのですが、生き物は本能的にリラックスしているときしか眠れない仕組みになっているんです。(野生動物の場合、戦闘時に眠くなったら命の危機ですからね……。)
そんな戦闘とリラックスを司るのが自律神経。戦闘態勢の「交感神経」と休暇態勢の「副交感神経」が自動的にバランスをとって活動しています。
しかし、人間がストレスや不安を感じると交感神経が強くなりすぎてしまい、身体と脳が警戒するため、ついでに眠れなくなってしまうわけですね。
さらにタチが悪いことに、眠れない悩みはそれ自体がストレスになり、さらに眠れなくなってしまうと研究でもわかっています※1。
普段から寝つきに苦労している人や、眠れない不快感でさらに眠れなくなった経験がある人は、今すぐにリラックスする方法を学びましょう。
※1参照:A cognitive model of insomnia
② メラトニン不足
メラトニンは睡眠ホルモンと呼ばれており、1日のリズムの中で私たちが眠るタイミングを調整する役割をもっています。
実際、メラトニンは寝つきを良くして、睡眠の質向上と睡眠持続時間の増加を引き起こすことも研究でわかっているのです※2。
反対にメラトニンが不足すると「なかなか寝つけない」「途中で起きる」「夜中に目が覚めた後も眠れない」といった悩みに陥ることに……。
ただでさえ年齢とともにメラトニンの生成能力が衰えてしまうのですが……そのほか、夜中に目が覚めてしまったときにやってはいけないことをすると分泌がピタッと止まり、なおさら寝つけなくなってしまうリスクもあります。
メラトニンは不足させない&夜中に起きても分泌を止めないための行動が必要です。
※2参照:Effects of exogenous melatonin on sleep: a meta-analysis
③ 睡眠圧不足
睡眠圧とは、ずっと起きていると眠くなるという睡眠に対する欲求のこと。
近年では睡眠欲に関する正体もわかってきました。生き物はエネルギーを使うと脳に「アデノシン」と呼ばれる物質が溜まっていき、一定以上貯まると睡眠圧が高まることがわかっているんです※3。
アデノシンはエネルギーを使うと発生するため、頭をはたらかせたり、運動したりすると多く蓄積します。そしてぐっすりと夜に眠れるわけですが……不足すると夜中に目が覚め、その後も眠れない事態が発生する原因にもなりうるのです。
つまり、朝まで長く深い眠りにつきたかったら、日中にしっかりとアデノシンを蓄えておく必要があります。ぐっすり眠るためには意外と多くの努力が必要ですね。
※3参照:Adenosine: a mediator of the sleep-inducing effects of prolonged wakefulness
夜中に目が覚めて眠れないときの対処法は2種類
次は、具体的な解決策を紹介する前に、夜中に目が覚めて眠れない状態になったときの2種類の対処法をそれぞれご説明します。
夜中に目が覚めてもすぐに眠る方法
まずは皆さんがイメージしている通り、起きてもすぐに寝る方法ですね。
起きてしまった以上は再び眠りたいので、寝つきを良くするための即効性のある行動をとる必要があります。
しかし、起きてもすぐに眠る方法は、あくまでその場しのぎ。根本的な対策をしなければ繰り返し起こってしまうので、もう一つの予防策も重要です。
そもそも夜中に目が覚めにくい状態を作る方法
次は夜中に目が覚めて眠れないことがあったら、翌日から試したい予防策です。
「途中で起きてしまう3つの原因」にアプローチをかける行動をとれば夜中に目覚めにくくなり、さらにはもし覚めてもすぐに眠れるようになります。
夜中に目が覚めて眠れないときの対処法5選
まずは夜中に目が覚めて眠れないときにすぐにでも眠れる対処法を5つ紹介します!
① 起きてしまっても光をシャットアウト
夜中に目が覚めてしまったとき、スマホを見てトイレに行き電気をつけて用を足す……なんて具合で、光を浴びていませんか? 今日からは起きてしまった時は絶対に光をシャットアウトしてください。
なぜなら、本来寝ている時間に強い光を浴びると、メラトニンの分泌が止まって再び眠る力が失われてしまうからです。
実際の研究データでも、睡眠時間中に部屋の明るい光を浴びてしまった場合、メラトニンが50%以上抑制されると明らかになっています※4。
基本的には起きてしまっても真っ暗な状態のままトイレを済ませ、再び床につくのがベストです。もし暗すぎて見えない場合は目に入る刺激が少ない暖色系のライトで照らしましょう。
スマホについても、時刻を見てしまうと起きてしまったことや残りの睡眠時間に対するストレスが強くなり、余計眠れなくなる悪循環に陥るため厳禁ですね。
光を浴びないだけで再び眠りにつく成功率は格段に上がりますよ!
② アロマを準備しておき香りに集中
光を浴びずにトイレから帰ってきたら試して欲しいのが、入眠に効果的とされるアロマです。
アロマは嗅覚から脳をリラックスさせ、眠りにつきやすい状態にしてくれることが研究でわかっています。
たとえば、シダーウッドに含まれるセドロールと呼ばれる成分は、嗅ぐだけで入眠までの時間を平均16.8分から9.3分に短縮するとのデータがあるんですよ※5!
しかも1分以上のハッキリとした中途覚醒も減少するとわかっており、夜中に目が覚めて眠れなくなる現象を抑制する効果も期待できちゃいます。
また、万が一起きてしまったときも「アロマがあるから次もすぐ眠れる」という安心感があると、ストレスも軽減されて自然に寝つけること間違いなし!
ただし、効果を得るにはできるだけリラックスできる匂いを選び、嗅覚に集中することが大切です。
シダーウッド以外ではラベンダーやベルガモットの香りも就寝に良いとされているので、ぜひお好みの匂いを選んでください。
夜中に目が覚めてしまったときにだけアロマを使うと決めていれば、むしろ起きてしまったときが楽しい時間に変わるかも?
※5参照:香気成分セドロールが睡眠に及ぼす影響
③ 筋弛緩法で脱力リラックス
夜中に目が覚めて眠れないとき、どうしても不安な気持ちや焦りで身体に力が入ってしまうものです。だからこそ、『筋弛緩法』をつかって脱力しちゃいましょう!
筋弛緩法とは、一定時間筋肉に力をグッと込め、時間が来たら一気に脱力をしてリラックスする方法です。
この筋弛緩法は寝つくために有効であることが知られており、米国の研究機関がリラクゼーションテクニックとして紹介しています※6。
トイレから布団に戻ったら、まず深呼吸しながら手足にグッと力を込めて、5秒間待ちましょう。そして5秒経ったら一気に脱力し、すーっと力が抜けていく瞬間を意識してみてください。
何回か行うことで適度なリラックスが生まれ、身体からうまく力が抜けた状態でスッと眠りにつけますよ。
※6参照:Relaxation Techniques: What You Need To Know
④ 翌日やることのToDoリストを作る
お次はアロマや筋弛緩法で眠れなかったときに試してみたい対処法です。
どうしても眠れないときは一度ベッドから出て、テーブルに座りましょう。そして明日やるべきことをまとめたToDoリストを作ってみてください。
人間はまだ終わっていないタスクを常に考える性質があるため、あえて脳内のことを書き出してあげると脳をリラックスさせやすくなるんです。
実際の研究でもToDoリストの作成による効果は証明されています。不眠症を抱える参加者に対して、寝る前に5分間で未完了のタスクについてToDoリストを作ってもらう実験を行ったところ、参加者は平均で16分も早く眠りにつくことができました※7。
仕事のことを考えてなおさら眠れなくなってしまう場合は、家事や楽しい週末の予定を書き出すのも良いかもしれませんね。
きっと未来のやるべきことが明確になって、意外とあっさりと眠りに戻れるかもしれませんよ?
⑤ 逆に「絶対寝ないで朝まで起きてやる」と考える
最終手段は逆転の発想。「こうなったら朝まで絶対に起きてやる」と考え、目をつぶったまま全力で起きようとしてください。
実はコレ、単なるヤケクソではなく逆説療法と呼ばれる意外と有効な方法なんです。あえて「起きる」という真逆のことを考えると、眠らなくてはいけないプレッシャーや焦りが軽減され、結果的に再び眠りにつきやすくなるという仕組み。
実際、逆説療法は不眠に対する有効な認知行動療法の一つとして研究されています※8。
夜中に目が覚めて眠れないときの最終手段として知っておくだけでも、気持ちを落ち着かせてリラックスしやすくなること間違いなしですよ!
※8参照:Psychological and behavioral treatment of insomnia:update of the recent evidence (1998-2004)
夜中に目が覚めて眠れない状態にならないための予防策5選
次はそもそも夜中に目が覚めて眠れない状態を起こさないための予防策。
日中の行動でしっかりと夜の対策をしていきましょう!
① 週2回、30分の運動で睡眠圧を蓄積させる
1つ目の予防策は運動。夜中に目が覚めて眠れない日が続く場合は、30分の運動を週2回、頑張ってみましょう。
運動によりエネルギーを消費するとアデノシンが蓄積し、睡眠を深くして中途覚醒を減らすことができるからです。しかも運動にはストレスを軽減する効果があるので、やるまでは億劫でも行うだけで夜のリラックスが加速します!
実際の研究データでも、普段座りがちで運動習慣のない人が週2回の運動プログラムを約3ヶ月間行ったところ、総睡眠時間が50分も増加し、途中で起きている時間も17分削減されたと顕著な結果が出ているんですよ※9!
眠れない状態での運動が辛い気持ちはよくわかりますが、何もしない限りは夜中に目が覚めて眠れない現象が止まることはありません。
負の連鎖を断ち切るためにも、少しずつ運動を取り入れていきましょう。
※9参照:Exercise training improves sleep quality: A randomized controlled trial
② 睡眠に必要な基礎栄養素が足りていないかチェック
運動の次は食事内容の見直しを進めましょう。夜中に目が覚めて眠れないときは、睡眠に必要なビタミンとミネラルが不足していないかを振り返ってみてください。
実はいくつかのビタミンはメラトニンの合成や自律神経の調節に関わっており、不足すると夜中に目が覚めて眠れない体質になる可能性があるからです。
特に以下のビタミンとミネラルは睡眠に不可欠とのデータがある必須成分になります※10。
- ビタミンB6:メラトニンの合成に使われる
- ビタミンD:メラトニンの合成に使われる
- マグネシウム:ストレスによる炎症を軽減し自律神経の調整をサポートする
- 亜鉛:メラトニンの合成やリラックスをサポートする物質を活性化に関与している
それぞれ以下の食材に多く含まれているので、普段しっかりと食事で摂取できているかチェックしましょう。
- ビタミンB6:にんにく、玄米、まぐろ、かつお、鶏肉、鮭
- ビタミンD:鮭、卵、きのこ類
- マグネシウム:緑黄色野菜、ナッツ類、玄米、豆類
- 亜鉛:貝類、赤身肉、乳製品、ナッツ類
でも、どの栄養をどのくらい摂れば十分かわからないし、計算するのも一苦労ですよね。
そんなときは、マルチビタミン&ミネラルのサプリメントを活用しましょう! 毎日欠かさず摂取すれば、不足しがちな栄養素をバランス良く補えますよ。
マルチビタミン&ミネラルさえ飲んでおけば、ビタミンやミネラル不足が原因の中途覚醒や寝つきの悪さはケアできそうです。
※10参照:The Effects of Dietary Nutrition on Sleep and Sleep Disorders
③ 追加で中途覚醒減少や睡眠時間UPの効果がある栄養を摂取する
マルチビタミンサプリメントは不足をケアする物なので、どちらかといえば守り。一方で、実は積極的に摂取すると睡眠が改善する攻めの栄養素もあるんです!
特におすすめなのはキウイフルーツとカモミールティー。いずれも睡眠改善効果を確認した臨床試験データもあるので、科学的に証明された睡眠に良い食べ物といえます。
キウイは身体の炎症を鎮める抗酸化作用の強い成分が豊富に含まれるほか、摂取することでメラトニンを増加できます!
研究では、睡眠に悩む人が就寝前にキウイを2つ食べる生活を約1ヶ月間続けた結果、寝つくまでの時間が平均22分早くなり、睡眠時間も13.4%増加したと報告されているんです※11。
カモミールティーも特殊な抗酸化成分が入っており、リラックス効果が特に強いとされるハーブですね。
研究によるとカモミール抽出物270mgを約1ヶ月にわたって摂取させたところ、寝つくまでの時間が平均25分も早まり、途中で起きてしまう回数も平均2回減少したとのデータが出ています※12!
夜中に目が覚めて眠れない日が続いたときは、晩御飯のデザートはキウイ、お風呂上がりはカモミールティーを飲んでみてはいかがでしょうか?
ちなみに、最近では睡眠の質を高めてくれる機能があるサプリメントも人気です。たとえば、「クロセチン」と呼ばれる成分は、2週間の継続摂取で睡眠の深さを示す指標が17%増加し、中途覚醒も平均1.6回減少するというデータがあります※13。キウイやカモミールティーよりさらに手軽なので、日々を忙しく生きる方には特におすすめですよ。
※11参照:Effect of kiwifruit consumption on sleep quality inadults with sleep problems
※12参照:Preliminary examination of the efficacy and safety of a standardized chamomile extract for chronic primary insomnia: A randomized placebo-controlled pilot study
※13参照:睡眠とクロセチン
④ 動物との触れ合いでコルチゾールをリセット
夜中に目が覚めて眠れないあなたは、きっと日々ストレスと戦っているはず! そんなときは動物の力を借りてストレスを吹き飛ばしちゃいましょう!
動物との触れ合いはストレスを軽減させると、多くの研究で明らかになっているんですよ。
実際の研究データでも、犬や猫に10分間触れ合うことでストレスホルモンのコルチゾールが27%程度減少すると明らかになっているんです※14!
ペットを飼うのも一つですし、難しい場合は休日に動物カフェに行けば存分に触れ合えます。
どうしても時間がない人も大丈夫! 触れ合いほどではありませんが、動物の可愛い映像を見るだけでもストレスが軽減されるとわかっています※15。
慢性的なストレスに悩む人は、動物に触れる機会を意図的に作ってみてはいかがでしょうか? きっとストレスの減少がリラックスにつながり、睡眠にも良い影響が見込めるはずです!
※14参照:Animal Visitation Program (AVP) Reduces Cortisol Levels of University Students: A Randomized Controlled Trial
※15参照:Paws for Thought: A Controlled Study Investigating the Benefits of Interacting with a House-Trained Dog on University Students Mood and Anxiety
⑤ 就寝の1時間前にマグネシウム風呂でリラックス
お風呂はタイミングや入浴方法を工夫することで、目が覚めて眠れない状況の改善に役立ちます。
具体的には『入浴剤にマグネシウムフレークを使用する』、タイミングを『就寝の1時間前』にすると睡眠の質を高められますよ!
まずマグネシウムは皮膚から吸収できるとわかっており、睡眠に必須のマグネシウムをお風呂に入るだけで補うことができるんです※16。
そして適切な睡眠をとるためには、寝るときに身体の中心温度(深部体温)がさがっていく状態が好ましいのですが、直前にお風呂で温まるとスムーズに温度がさがって睡眠にプラスの影響を与えてくれます。
実際の研究でも、40~42.5度のお湯で10分以上のシャワーや入浴を行うと入眠までの時間が短くなり、睡眠時間も増加するというデータが報告されているんですよ※17。
お風呂は入るだけでリラックス効果もあるため、一石二鳥どころか一石三鳥で睡眠を促進させてくれることがよくわかりますね。
マグネシウムフレークは通販でも手軽に購入できるので、チェックしてみてください!
※16参照:Report on Absorption of magnesium sulfate (Epsom salts) across the skin
※17参照:Before-bedtime passive body heating by warm shower or bath to improve sleep: A systematic review and meta-analysis
夜中に目が覚めて眠れないときは根本の原因にアプローチ
ここまで夜中に目が覚めて眠れないときの対処法についてお伝えしてきました。
眠れない夜にすぐ試せる対処法も無くはないですが……やはり一番の対策は「眠れない状態にならないための生活習慣」を心がけて過ごすことです。
今回ご紹介した予防策以外にも、中途覚醒を減らして睡眠時間を増やすための行動はまだまだたくさんあります。
しかし、さまざまな情報を集めて生活に取り入れるのはかなり手間がかかりますよね。そんなときに活用してほしいのが、ナイトプロテインのLINE無料相談窓口です。
睡眠健康指導士や薬剤師、サプリメントアドバイザーなどの有資格者が、あなたのお悩みに個別でお答えします。どなたでも無料でご利用できますので、気になることがあればお気軽にご連絡ください。LINE登録は以下のボタンから可能です。
[PR]提供:ナイトプロテイン