ロードバイクに乗り始めてしばらくすると、次のステップとして「レースに出てみたい!」と思う方は少なくありません。
とはいえ、実際に出るとなると「初心者はどの種目を選べばいいの?」「どんな装備を揃えたらいいんだろう?」「レースに向けての練習方法は?」など、疑問が尽きないもの……。
本企画は、まさにそんな状態のマイナビニューススタッフTが、今年の夏にモータースポーツの聖地・鈴鹿サーキットで開催されるロードレースの祭典「シマノ鈴鹿ロード」に出場するまでの過程に密着!
第2回目は、1周3.475kmのコースを1時間走り続ける「1時間サイクルマラソン」本番までにどのような練習を行えば良いのか、練習会に参加しながら自転車のプロに聞いてみました。
連載第1回目 前回記事はこちら
初めて練習会に参加!集団走行の現実を思い知ることに……。
前回、スポーツバイクのプロショップ「スクアドラ」大阪平野店で道具やウェアを揃えたT。店長さんから紹介してもらい、同ショップ滋賀守山店主催の練習会に参加することになりました。
今回のイベントを取り仕切るのは、スクアドラ滋賀守山店店長の涌本さんです。涌本さんは、ロードバイクの「全日本最速店長選手権」で過去2度優勝した経験を持つ実力者。初めてロードレースに挑戦するロードバイク初心者のTにとって、頼りになる存在です。
こういった練習会に参加するのは初めてなので、緊張しています。初心者が気を付けるべきことは何かありますか? |
とにかく安全第一でお願いします!きちんと車間距離を空けながら走ると安全ですよ! |
かしこまりました!車間距離に注意して走るようにしますね! |
今回のライドイベントには、スクアドラさんでの出会いをきっかけに交流を深めるライダーさんたちが大勢集まっていました。お揃いのピンクのユニフォームが湖畔に映えます。「当店のお客さんたちはとても仲が良く、よく自主的にイベントを開催されているんですよ!」と涌本さんが教えてくれました。
それでは出発しましょう!周囲に配慮して、安全走行を心がけてください! |
涌本さんが参加者たちに声をかけ、いよいよ練習会がスタート。 集団走行の迫力に圧され、開始早々、Tは最後尾へ。
(速すぎる……。) |
前との距離が空いていると、風の抵抗をまともに受けて体力を消耗します。
途中、列の真ん中に入れてもらい、集団走行の練習をしました。
(最後尾を走るより体力的にはラクだけど、前にも後ろにも人がいて挟まれるのはちょっと怖い……。) |
1時間ほどの練習を終えると、日差しが強くなる前の涼しい時間帯にもかかわらず、Tは疲労困憊といった様子でした。
初心者は、どんな練習をすべき?本番直前のコンディションの整え方や自転車のメンテナンス方法は?
練習会終了後、スクアドラ滋賀守山店に移動し、レースに向けてどんな練習をすべきか、涌本さんに深掘りして伺いました。
練習お疲れさまでした!いかがでしたか? |
めちゃめちゃしんどかったです……!それに、他の皆さんが速すぎて、自分の実力を思い知らされました。特に1周目は体も慣れていなかったのか、千切られると思いました(笑) 僕のようなロードバイク初心者がこれから力を付けていくには、普段どのような練習をすれば良いのでしょうか? |
練習方法としては、朝か夜に毎日1時間ほど走るのが理想です。その際に目安となるのが、時速30kmを出せるかどうか。 単独走行で10分~15分ほど時速30kmを維持できるようになれば、レース結果に期待が持てるでしょう。 |
サイクルコンピューターでペダルの回転数を測定できるのであれば、90回転を目標にしてほしいとのこと。60~70回転が一般的ですが、1分間に90回転できるようになると同じ速度でも筋力負担が少なくなり、レース後半もバテにくくなります。
欲をいえば、レースが8時50分スタートということですので、6時に起きて7時から8時まで練習すると良いのではないでしょうか。すると、自ずと当日の起床時間にも合わせることができますので! |
時速30kmと90回転を達成したいところですが、やっぱり毎日練習しないといけないんですね……。 |
1時間走るのが難しければ、30分でも構いません。初心者の方は伸び代しかありませんので、練習すればするほど速くなりますし、長い距離をこげるようになりますよ!ライフスタイルに合わせて、無理なく練習を継続していただきたいですね! |
なお、室内用のローラー台があると便利と涌本さんはいいます。雨の日も安全に練習でき、最近はアプリを使えば世界中のライダーとオンラインで切磋琢磨できるのが魅力です。
集団走行の所作こそ、店舗のコミュニティを活用すべし
普段は単独走行での練習になりますが、今回のような集団走行にも慣れておいたほうが良いのでしょうか?さっき列の真ん中を走ってみたとき、少し恐怖感がありました……。 |
そうですね、休日には集団走行の練習ができると良いと思います。「シマノ鈴鹿ロード」の「1時間サイクルマラソン」は数百人規模のライダーがエントリーするため、常に四方八方に人がいる状況で走らないといけません。 流れに沿って走らないと事故を起こしてしまう恐れもあり、大変危険です。集団走行の所作は身に付けておいたほうが良いでしょう。 |
単独走行で時速30kmを超えると「風の壁」が現れて凄まじい抵抗に遭いますが、集団走行なら軽減されるため、速度を1時間持続する練習にもつながります。
でも、集団走行のイベントに参加するのはなかなかハードルが高いのですが……。 |
でしたら、私たちのようなサイクルショップをご活用いただければと思います!サイクルショップ主催のイベントでしたらスタッフが取り仕切っていますので、初心者の方でも安心してご参加いただけますよ! |
ライドイベントに気軽に参加できるようになるのも、馴染みのサイクルショップを持つメリットといえます。スクアドラさんはレベル別にライドイベントを設けているため、初心者も参加しやすいでしょう。
本番が近づいたら、イメージトレーニングを
話は変わりますが、万全のコンディションでレースに臨みたいのですが、どのようにして整えれば良いでしょうか? |
レースの1週間前くらいから、1時間の練習を40分から30分に短縮したり、速度を時速30kmまで上げずに20km台で走ったりするなどして、時間や強度を抑えるようにしてください。そして、その頃から水分補給と睡眠を特に強く意識することです。 |
涌本さんのようなベテランライダーでも、レース前は小まめな水分補給と十分な睡眠を徹底するそうです。
できれば、イメージトレーニングもしておきましょう。YouTubeなどに過去の大会の様子がアップされていますので、そういったものを参考にしつつ、タイムスケジュールを念頭に置きながらレース当日の行動をイメージしておくと、慌てたり焦ったりしなくて済みます。 時間に余裕を持って行動するだけで、緊張は和らぐはずです。 |
もちろん自転車のコンディションも要チェック
緊張でトイレに行く回数も増えそうなので、そのあたりも考慮して当日の流れをイメージしておくようにします!あと、自転車のコンディションも整えておいたほうが良いですよね? |
もちろんです!レース出場の2週間前、遅くても1週間前にはサイクルショップに持ち込んで必ずメンテナンスしてもらってください。レース直前になって何か不具合が発生すると、出場できなくなってしまう可能性もありますから……。 特にブレーキやタイヤ等は乗るだけで消耗するパーツですので特にチェックすべきところです。 |
涌本さんいわく、「シマノ鈴鹿ロード」には大会参加者向けにメカニックの部隊が常駐しているものの、大行列になっていることが珍しくないそう。レースのスタート時間に間に合わない最悪の事態も起こり得ます。
自分でやって当日トラブルになるのも嫌なので、初心者はサイクルショップでメンテナンスしてもらうのがベストですね! |
サイクルショップではメンテナンスを受けられるだけではなく、専門のスタッフから練習方法やアッグレードについて確かなアドバイスをもらえます。 乗っていて「ここがしんどい」「もう少し楽に走りたい」などご相談いただければ、乗り方のレクチャーやそれを楽にするアイテムの提案など、ソフト・ハード両面でお応えできますね。 |
なるほど、相談相手として活用できるものいいですね。そうすることでモチベーションも維持できて、長く自転車を楽しむことができるような気がします! |
はい!また、先ほども申し上げたとおり、コミュニティ作りの役割も担っていますので、仲間同士で刺激し合いながら高め合っていくことでモチベーションが維持できるのもサイクルショップを活用する利点です。 ロードバイクを始める際は、是非お近くのサイクルショップにお立ち寄りいただきたいですね! |
スクアドラさんで自転車を購入すると、点検は無料(他ショップで購入した自転車を持ち込みの場合は4,400円)。どんなことでも相談できるアドバイザーが身近にいてくれるのは、新しい趣味を始めるにあたって心強い限りです。
次回は、ついにレース本番!真夏の鈴鹿サーキットへ!
今日はありがとうございました!今回の練習を糧にして、本番に向けてがんばります! |
レース当日は「普段と違うことをしない」ようにしてくださいね!例えば、気合いを入れようと飲み慣れていないエナジードリンクを口にする方が時々いらっしゃいますが、やめたほうが無難です。緊張も相まって胃腸が受け付けず、体調が悪くなってしまうかもしれません。「普段と変わらない」姿勢でレースに臨むのが一番です!がんばってください! |
自転車のプロから練習方法や心構えを教わり、俄然やる気が出てきたT。次回は、ついにレース本番。真夏の鈴鹿サーキットでの奮闘ぶりをレポートします。
【店舗情報】
バイシクルプロショップ スクアドラ滋賀守山
滋賀県守山市今宿4-5-7
TEL 077-596-3866
営業時間:12:00-20:00/定休日:毎週水
https://www.squadra.co.jp/moriyama/
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シマノは、世界中の自転車を愛する人の感動に寄り添いたいと願い、品質にこだわった本当に信頼されるものづくりを目指しています。
今までもこれからも「こころ躍る製品」を皆様にお届けしてまいります。
photo:photographer_eringi
[PR]提供:シマノセールス